財界人の名言系の本を読みました。


第一生命社長、東芝社長、経団連会長を長期に亘り勤め上げ、アラビア石油の会長を勤めた石坂泰三氏の話。

①概要

陰の総理、財界総理と言われる人物であり、大蔵大臣に向かって、タイトルでもある「もう君になんか頼まない!」という力強いコメントを直接言い放ったり、政治家への献金は自ら行わなかった。(しかし、部下が献金を渡しているのはある程度見ないふりをしていた・・)経済と政治の癒着を極力嫌い、経済の成長を止めるような政策をとる日銀や政府に痛烈な一言を浴びせていた。常に大局を見ており、「日本に今一番大切なものは、経済道義の高揚である。」と言い放つあたり大物感たっぷり。

その一方で、家族は大事にしており、子供の祝い事等は欠かさず行っていた。ただの仕事一辺倒の人間ではない。また、婦人の死を悲しみ続け、それを振り払うべく仕事に力を注ぐが、その合間には妻にささげる和歌を詠んでいた。

②仕事振り

何にでも、勤勉であり、そして正論を振りかざす。しかし、狸芸(たぬきげい)を使い難局を乗り切る。

あと実はいろいろなところにある努力。例えば、70過ぎてもジャパンタイムズを読み、分からない単語は辞書で引く。

また、自分を過信しないこと。「自分は決して英雄だとは思わない。もし英雄だとすれば、君たちが英雄にしてくれたんだ。」なんて言えるところが重要です。

③結局

結局のところ、努力を重ねながらも、周りの意見を聞き、周りには感謝の姿勢を崩さない。但し、大局をしっかりと見て、大きな部分は見誤らないにする。これが出来ることが、大物経営者(サラリーマン的)の重要なポイントですね。
なんとかなく図書館で借りて読んでみました。既得権益との戦いの中で、抵抗勢力からの濡れ衣をきさせられた話、日本のマスコミの低俗さ、地方自治体のありえない実態が赤裸々に語られています。結局のところ、反対勢力とうまくやれなかったことによる限界等が彼の失敗の原因のようにかかれています。そして正しいと思ったことはとことんで、間違った意見を駆逐する性格が災いしたとも記載されています。

確かにそうなのだと思いますが、先日の新聞によるとイタリアのモンティ首相は、2歩進んで一歩下がる戦略で改革を実行しているとのこと。反発も大きいが今のところなんとか回っているとか。

結局、大きな変更は受け入れられづらいので、全体をまとめる人は、反対派をどうやってまるめこむか、正論だけでは世の中勝てないので、反対派にも一定程度の納得をもたらせる提案が本当は社会をまとめるべき政治家には求められているのではと思ったりします。一般の会社でも同じですけどね。
湊かなえの告白に続く第2弾。壮絶さは、告白と同様で、構成自体もほぼ同じ仕上がりとなっております。

足立麻子は、子供のエミリを不審者である南条弘章に陵辱された上に殺されてしまう。そして不審者にえらばれたのはエミリであったが、その場には、紗英、真紀、由佳、晶子の4人がいたものの、彼女たちは選ばれなかった。

エミリの死後、4人に、汚い言葉を並べ、「あんたたちは人殺しよ!わたしはあんたたちを絶対に許さない。時効までに犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できるような償いをしなさい。」という。この結果、4人は色々な意味でトラウマを抱え、生活していくことになる。そして、それぞれの不幸が、「フランス人形」、「PTA臨時総会」、「くまの兄弟」、「とつきとおか」という形で描かれる。旦那を殺してしまうもの、実の兄を殺してしまうもの、子供を襲うもの、義兄を殺すもの様々である。(参考;要約がきっちりとなされているブログ

最後の章は、足立麻子の不幸であり、実は南条はエミリの父親であったという仕上がりになる。最後の南条と足立のやり取りが抜けていることからやや物足りなさが残る。というか、「で?」という気持ちにさせられる。このあたりがしっかり書いてあるとよいのだけど・・
再び売れてる本を図書館で借りようシリーズ。5つの殺人事件が最後につながる。全ての犯罪に係わるシズカは果たして何者のなのか。(以下、完全にネタバレ)



闇一重・・売春宿から逃げていった伊東静加、実はそこに押し入った警察官の上司の娘。警察官は伊東さんにお世話になったことからそれを公にしてはいけないと、そこで死に掛けていたチンピラに止めを刺す。



蛍蜘蛛・・静加は、再びチンピラの殺人を実行。それも自分は手を下さず、チンピラが強姦していた女性の彼氏に事実を告げ、彼氏にチンピラを殺させる。静加は何をさせたいんだろう。



腐屍蝶・・警察官の静加父は、探偵に静加の探索を求める。探偵は静加が南原というヤクザ者の女性になっていることを突き止めるが、逆に捕まり、静加に殺される・・。



罪時雨・・静加は伊東家に来るが、これは警察官の父である伊東がDV等を受けていた静加の母親に恋をして結婚したもの。しかし、静加の母に対して、暴行していた男を殺したのは最終的には静加だった。



死舞盃・・南原家でヤクザの闘争があり、静加と南原の娘が姿を消す。この闘争は静加が引き起こしたものであり、なぜ自分の父親を殺したのかなぞが残る。



独静加・・上記の事件のあと、妹と静加は戸籍を変えていた。それは逃げるために。静加は、たった一人の妹を大事にした。その後、妹は結婚をするものの、様々な確執から子供から切り離されてしまう。そして、運動会のときのみ遠くから見守るのみ。ここで、警察に妹は逮捕されてしまうが、学校から連れ出される様子に気づいた妹の娘は道路に走りだし、車に引かれそうになる。それを助けて、自分が死ぬのが静加



とまあ、こんな感じで、確かに深い闇なのだけど、ざっくりと書きすぎてあまり、繋がりがわかりづらい。仕上がりが少し雑といったところでしょうかもう、2,3編付け加えて、時間の経過を遅らせ、補足説明があると全体としてすんなり入ってきたかもしれません。途中の警察官と探偵が雑に扱われている感じが否めません。

ということで、過去の人気シリーズを図書館で予約して読むシリーズで、今回は掲題。


初めて読んだ万城目作品、うーんありえない設定でこれぞSF小説の真髄。(実はSF小説は得意ではない)


〔ネタバレ注意〕

現在の話なのだが、琵琶湖にまつわる不思議な力を持つ2つの日出家と棗家。お互いの力はお互いの力を止めるために存在し、微妙なパワーバランスの下で現在にいたる。そこに、日出家に押し出された石走藩の現在の頭領が校長として、日出家と棗家の町にやってきて、3日以内に出ていかない場合、日出家の頭領や棗家の頭領等は生ける屍状態ととすること。校長は日出家と棗家の両方の力を持っている・・


この困難に直面して対応するのが、日出家の嫡男淡十郎、長女の清子、そして親戚の主人公である涼介、棗家の棗広海となる。3日間の猶予の間に、不思議な力の存在を知らない人の記憶を消したり、校長に勝つための手法を琵琶湖の龍と清子が対話して見つけ、不思議な力を持つ神水を湖底にとりに行ったりして、結局のところ校長に勝つことになる。しかし、魔法をかけられた日出家と棗家の頭領等はまったく元に戻らない。


これは、校長は実際のところ力があるわけでなく、操られただけだったことに起因する。操っていたのは日出家の船頭等をやっていた源爺であった。源爺には不幸な過去があり、日出家と棗家を追い出そうとしていた。しかし、琵琶湖の民でない源爺が力を操ることに、琵琶湖の神は憤りを感じており、最終的には制裁を加えることになる。この結果、魔法をかけられた日出家と棗家の頭領等を元に戻すすべはなくなったかにみえた。


しかし、棗広海には、祖先より引き継いだ秘術があり、彼らを元に戻すことができる。しかし、棗家がなかったものになり、数名を除いては記憶からも消えてしまうというものであった。そして、広海は実行し、気づくと高校の入学式の日に戻り、名簿からも広海は消えている。最後、この事件が終わる日に、新たな転校生として戻ってくるようであるが・・


とまあ、このような話で全てを書いてしまっているのですが、今ひとつ盛り上がれないのはやはりSFが苦手だったからかなと。批評は結構いいので、SF好きの方には是非とも読んでいただきたい次第です。はい。


この前、坂根会長が社内の講演会にいらっしゃいました。話し方・説得力・プレゼンテーションの上手さに感激して読むことにしました。


「言葉力は、見る、語る、実行するの3つで構成される。それが三位一体となって大きな力を発揮する。」とここから本は始まります。


1.見る力

リーダーは、物事の本質を早めに見極め、部分最適ではなく、全体最適を語る必要がある。「着眼大局」、「着手小局」が必要。まさにそのとおりであり、細かいことに拘っても、企業全体の大きな流れには繋がらない。

そして、まず見極めるためには、物事の見える化が必要であり、現場に行き、自ら分析する。決して人の受け売りではない分析を行い、人を説得できる、一点突破のネタを仕入れる。事実認識において、弱みばかりを認識しても仕方がなく、強みを分析知ることも必要。経営者はアナリストになるべきという表現はかなり適切かもしれない。


2.語る力

語る上で重要なのは、「腹落ちする言葉を選び、受け売りの言葉を使わない」ということ。一般論や一般名詞を最初は使っていても、それを咀嚼してオリジナリティのある言葉にする必要がある。大勢の人を説得するには、自分の言葉で語るしかない。

また、立場が異なる者には論破するより敵でないことを伝えるのが一番。人には、それぞれプライド等もあることからそれらを踏まえた上で折衝する必要がある。

確かに、コーポレートメッセージを自分の言葉にするということは利害関係者に力強く伝えるためにはとても大切なことだと実感。


3.実行力

実行の成果は2年以内に出す。いつまでに結果だすというのが重要で、長すぎず、短過ぎずが適度な緊張感があり望ましい。また、リストラ等の手術は、一回で終わらせることが重要であり、小刻みな実行は社内のやる気を低下させる懸念が大きい。



これらの3つは話す上で極めて重要だと思う。論点を見極め、自分の言葉で、退路たって説明する。簡単だが、実行するのが難しい。一つ一つ日々の業務の中でも実践していかねばと思った次第です。


上記以外にもコマツの強さの源泉としてバッドニュースから先に報告する、会社で英語を公用語にしてもグローバルリーダーは育たない、等はまさにそのとおりと思いました。バッドニュースは思わず握りたくなるのが人間ですが、それをしていくと最初はかすり傷で済むはずが、大きな爆弾になっていることになりますしね。英語ではなく、議論の中身が必要とはまさにそのとおり、日本人同士が英語で話したところでどれほどの意味があるのかわからないというのは強くアグリしました。


ますます坂根ファンになってしまいました。笑




かなり売れていた本なので、図書館で予約して読みました。


とても痛快でした。天下り先を見つけるために、官僚は精一杯努力をすること。政治家をバカにしており、自分たちの都合の良いように、官僚は政治家を利用していること。官僚は成果が求められていないため、責任感のない方向性を簡単に志向すること等が記載されており、これが事実なら、自分は官僚には向いていないなぁと思った次第です。また、リーダシップを本当に発揮できる政治家が小泉首相以降でてこない。日本にも貧富の差を容認する姿勢が必要等なかなか示唆に富んだ内容も含まれております。

また、作者は、消費税の上乗せに反対。ようは、税収が増えれば、その分支出のたがが外れて結局できあがりとしてはそれほど効果はないというもの。結局それよりも、無駄をなくすことが重要と示唆。


結局、日本の官僚、外交もすべて、競争力がなくだめというのが結論。日本国自体も会社更生法ような取扱いを受け、年金債務等を帳消しすべきというのはなかなか痛快な提案ですね。


これが全て事実だとすると、官僚って一体なんのためにいるんだろうと思ってしまいます。ただ、伝統的な日本企業と同様に、改革派はあっという間に潰されるというのはまさにそのとおりであり、日本が、違う形で成長するには、まずは強いリーダシップをもった政治家が出てきて、痛みを伴った改革を実行するのが一番必要なことかもしれません。

買う気はまったくなかったのですが、野中先生の原著『失敗の本質』を思い出して読破。失敗の本質を読んだのがかなり昔だったので、あまり覚えていないのですが、この超入門編は極めてわかりやすいのが特徴。原書の失敗の本質は読みづらかった思い出が一杯。


戦略と戦術の違いや日本軍がどのようにして戦略を見誤ったか等が分かりやすく記載。そして日本人の特徴である、何かを修正して進化させていくのは得意だけれど、新しいものを発明するのは苦手といった記載は今の日本に繋がるものを感じます。


また、日本人は過去の成功体験を捨てられず、それに固執するばかりにジレンマから抜け出せないという記述には納得しました。また、ブレイクスルーするためには、過去の成功体験は置いておいて、まったく違う視点からみるべしというのはなるほどと思いました。


加えて、集団の中で決まった方向性については、なんとなく迎合し、その結論ありきの方向性のサポートする事例ばかりを日本人は取り上げるというのも確かにと思いました。


さらに、本当の成果主義ではなく、やる気さえあれば良い、結果がついてこなくてもといった人事処遇では組織が活性化しないという記載も目からウロコ。


最後に、努力した人にあっさり勝つには、法律を変える等の大きな変化をすることが大事。アメリカはこれがうまかった。確かに。日本の歴史を振り返ると、努力が法律等により、無意味になり、競争力を失ったことが多々あったように感じます。


まだまだ色々あるのですが、考えるところや示唆に富んでおり、とても良い本でした。(一部の方は原著から離れすぎているという批判 もあるようですが・・)


太平洋戦争等の事例は現在にも通じるというのは、日本人の根本は良くも悪くも変わっていないということですね。後輩が新たな意見をもってきたときには、事例がないではなくて、どういったメリットがあるのか等を考えてしっかりと接しなければと改めて思った次第です。

GW第2弾は、書評に出ていた掲題。なかなか良くできているのではと思いました。同じ業種だからとあっさりと業種間比較をしていた自分の愚かさに気づくとともに、スイッチングコストや密度の経済性についてはなるほどと思いました。


なにより、LCCが儲かるロジックが分かりなるほどと思いました。普通の優秀な方々ならいちいち読まずとも洞察できるかもしれませんが。。笑


ちなみに心を打たれたのは、

「国際会計基準の落とし穴」の部分で、冨山さんは世界で単一の会計基準の限界を明確に指摘している模様。『世界中の投資家が同じレベルで理解できるなんてあり得ない。それができるというのは、学者や市場関係者の思い上がりに過ぎない』


あとは、『付き合いが長い取引先だと、なんとなくなあなあで金額が決まっているケースが多いはずだ』という指摘についてもなるほどと思うところが多い。


会計を専門に仕事をしているけれど、会計は経営に直結しながらも、その一部に過ぎないことを理解して、全体感を持って仕事をせねばと思った次第です。


読みたい方、お声がけ下さい。


図書館から予約していた本が届いたので、早速読みきりました。面白いんですが、いまひとつな気がするのは情報量の膨大さとそれがうまくさばかれていないからでしょうか。


どちらかというとSF的な感じが強いですのが、現在のアメリカの政治、態度を批判することにポイントをおきつつも、人類と進化した人類の互いのぶつかり合いを示した本。結局のところ、進化した人類には勝てないという結論に到達するのですが、最後アメリカの傍若無人の大統領までも屈服させてしまうあたりは良くできているかと。


なお、逃げ切って、人間との戦争に勝利した新人類のアキリはその後どうなるんでしょうか。続編にも期待。


どうにも専門用語が多いので、ある程度飛ばし読みをすることも重要かも。笑