こんにちは、培養部門です。

 

多くの先進国では、出生の性比51%(すなわち、女性の出生100人あたり男性の出生は約105から107)であると報告されています。この比率は、親の年齢などの生物学的、環境的、社会的要因に加えて戦争、地震および経済状況と政策等のあらゆる影響を受けて決定されるとされています。日本で男児の方が多く出生しています。

 

では、体外受精や顕微授精といった受精方法の違いが出生時の性差に影響するのか、説明してゆきます。日本国内のデータです。

 

差は約5%程度ではあるが、顕微授精の方が体外受精よりも、男児が出生する割合が低いことがわかりました。

理由は解明できておりませんが、父親が男性因子不妊症を患っている乳児は生物学的に男性の割合が低いことが示唆されました。

日本以外の諸外国でも同等のデータが集まってきており、原因の解明が急がれております。

理由として考えられていることは、

①顕微授精時の精子を選択する際に、Xの染色体をもつ精子が頻繁に選択されていること。

②体外受精の際に、卵子( 卵母細胞 )がY染色体をもつ精子を受け入れやすいこと。

※受精時に生物学的な性差が決定されます。XXが女性、XYが男性です。

 

が挙げられます。

児の染色体異常の割合や健康状態に関しては、自然妊娠、体外受精、顕微授精には差がないことが報告されています。

 

 

 

 

 

なぜ、性比に差があるのか解明できれば、さらに治療への理解が進むかもしれません。

 

クリニックママのホームページ

 

不妊治療卒業メッセージとしてたくさんの方からメッセージをいただいております。

是非、ご覧いただければ幸いです。

不妊治療卒業メッセージ

 

お知らせ

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

 

PGT-A対象者

・直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方

・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上反復している方

・夫婦いずれかにリプロダクション(生殖)に影響する染色体構造異常を有する方

 

PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 

 〔生殖医療専門医〕古井憲司