これまで皮フ科や美容外科で行われてきたニキビ治療は、塗り薬と飲み薬、スキンケア、そしてケミカル・ピーリングが主流でした。
精美スキンケアクリニックで現在行っているレーザーや光線力学療法を中心とした最新のトータル・ニキビ・ニキビ跡・毛穴治療プログラムを紹介する前に、ここで簡単に一般的に普及しているニキビ治療をみておきましょう。
●塗り薬
塗り薬としては、抗菌や抗炎症の効果のある成分が含まれるクリームや、角化異常を防ぐ成分が含まれたクリームが使われています。
また、近年ではニキビの炎症後の色素沈着の防止や抗酸化効果が期待されて、ビタミンCの誘導体やイオン導入もよく使われるようになっています。
他には、美白効果のあるレチノイン酸(ビタミンA)がニキビの改善効果が高いと考える医師も増えてきて実際に治療現場で使われることもあります。
また、ニキビ用の洗顔剤や化粧水も使われています。
このなかにはケミカル・ピーリングで使われるグリコール酸などが配合されていて、角栓(毛穴をふさいでいる栓)除去などの効果があるものもあります。
●飲み薬
飲み薬としては、ビタミンA、B、Eなどのビタミンがニキビ治療に有効です。
ビタミンAが角化の抑制効果、ビタミンB群が皮脂の過剰分泌を抑制する効果、ビタミンEが過酸化脂質産出の抑制効果があります。
ニキビ治療には、塗り薬としてもビタミンCやビタミンAが使われることもあり、ニキビ治療にビタミンは大活躍しているのです。
●ケミカル・ピーリング
ケミカル・ピーリングは現在ニキビ治療のなかでもっとも一般的なものになっています。
皮フ科でもニキビ治療にケミカル・ピーリング療法を行うところが増えてきています。
ケミカル・ピーリングは、白ニキビや黒ニキビに対しては、皮フにある過剰な皮脂や毛穴のつまりの原因となる角栓を取り除く効果があり、赤ニキビや黄ニキビに対しては炎症の原因となる細菌を殺菌する効果があります。
また、古い角質層を取り除き皮フの新陳代謝を促すので、色素沈着や開いた毛穴を改善する効果もあります。
●市販の薬や民間療法
「ニキビが治る」「ニキビに効く」とうたった医薬品や化粧品がドラッグストアなどで売っています。
ニキビで悩んだ経験がある人は試したことがあるかもしれません。
こうした一般の医薬品は医師の処方が必要ではないために、概して有効成分の含有量が低く抑えられおり効き目が弱いという難点があります。
一方で、体質や症状に適していない薬を使っていると、かえって炎症をひどくしたり色素沈着という副作用が起こったりする危険もあるので注意が必要です。
皮脂分泌が盛んな思春期ニキビを想定した塗り薬のなかには、皮脂抑制の効果によって皮フの保湿性が失われたり、かえって角化異常が起こってニキビができやすくなることもあるので、こうした市販薬を使う場合は自分の症状に適したものを選ぶようにしたいものです。
また、医薬部外品などで「ニキビに効く」といわれている化粧品が何種類も売り出されていますが、こうしたものを使う際にも医薬品と同じ、またはそれ以上に、自分の症状や肌質、体質にあったものかどうかを判断することが必要です。
できれば、医学的知識と経験が豊富な専門医の指導のもとで薬を使うのが望ましいのですが、自己流で市販薬や医薬部外品を使うときには副作用などのリスクがひそんでいることを理解したうえで使っていくのが賢明でしょう。
・一般役の「ニキビ治療薬」
・医薬部外品の「ニキビに効く」化粧品の類
これらに代表されるニキビ治療法は一定の改善効果を上げてきているのですが、いくつかの課題が残っているために患者さんの満足を得られない場合も少なくありません。
そうした不満をまとめてみると、
「ニキビの症状はよくなるが、完治しない」
「塗り薬やピーリングは継続して行わないと、すぐに再発してしまう」
「ニキビは良くなって嬉しいが、ニキビ跡が残ってしまった」
「敏感肌なのでケミカル・ピーリングを受けることができない」
という四点に集約されているようです。
従来の治療法の利点は取り入れつつ、こうした従来の治療法の欠点をふまえて、わたしが院長を務める精美スキンケアクリニックでは、オリジナルのニキビ治療を行っています。