下り坂の終点はもう決まっているのかな | くればのブログ

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上越市を中心に活動する SingerSongWriter 中村賢一

 

この青い空が嫌いだった。

 


 

子供の頃から見ていた空
不純物も含まない、どこまでも透る空間
あの空の向こうには無限に広がる大宇宙がある
何もない虚無の空間
頬をかすめる風に湿度がない
嫌なんだ
この何にもないのが
 
病棟の廊下から見上げる四角い空は
おれの存在をすっかり無視していやがる。
失敗したことも
孤独だったことも
すべて無視している。
 
成功する人生って、どんな人生なんだろう。
幸せな人生って、何を根拠に定義すればいいのだろう。

現実から逃げてからもう15年にもなる。
帰省するタイミングもだんだんと長くなった。
頭上に広がるのは
久しぶりに見る綺麗すぎる空
 
親父の手術で帰ってきた。
帰省する理由なんてくだらないものだ。
 
何度見ても 嫌な空だな。
希望も期待も何もかものみ込まれてしまう。
こどもの頃に見た空
たんぼの水に映った夕焼けも
雀を追いかけた畑も
ぎゅっと詰め込んだ幼少期の想い出の中で
色あせていて
思い出すことも止めてしまいたくなる。
 
転がるように生きてきた。
傾いた方にしか転がらない。
この下り坂の終点はもう決まっているのかな?