再会 | くればのブログ

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上越市を中心に活動する SingerSongWriter 中村賢一

ふわふわの
落ち葉のじゅうたんの上に並べられたパイプ椅子
 
30脚ほどがきれいに並べられている。
 
日が少し傾きかけた
日曜日の午後
 
なんだか今日は、ぽかぽかと あたたかい
 
 
オレンジ色の葉っぱのじゅうたんの上には
まるで音符を並べたように
椅子の影ができている。
 
いまにもメロディーが聞こえてきそうである。
 
おれは今、
屋外ステージの上に着いたところである。
 
 
 
久しぶりにマコトと会った。
 
もう、
15年近く会っていないマコトに会った。
 
それが・・なんとも不思議なのである。
 
彼の知らないはずの新潟のミュージシャンと一緒に
マイクスタンドをセッティングしている。
 
タケシもいた。
くろみっちゃん(新潟)と、楽しそうに会話をしている。
 
 
これから 
マコトとタケシと
そしてオレの 3人のユニットでアコースティックライブを行うのだ。
 
癖のある長い髪
マコトは、相変わらずのポーカーフェイスで、
おれを昔のニックネームでよんで
『よう!』
と、遅れてきたおれを迎えてくれた。
 
 
 
 
『おー久しぶりだな』
『元気だったか?』
 
そう言うと、
『う~ん (笑) まあーな!』
と言って、痩せた頬骨のその顔が 笑って見せた。
 
懐かしかった。
 
再会できたことが、ものすごくうれしかった。
 
でも
なぜか
なんとなく 寂しそうな笑顔だった。
 
 
あれ?何だったっけな??
 
・・マコトに言わなきゃいけないことがあったはずなのだが
 
思い出せない。 なぜだろう?
なぜ思い出せない?
 
 
 
マコトに背を向け

やはり
久しぶりに会ったタケシと笑いながら昔話をして
ステージつくりをしていた。
 
マコトもタケシも高校時代の友人で、音楽仲間なのだ。
 
2人とも180cm以上の長身で、
3人で歩くときは、いつも
おれがまんなか
 
後から聞いた話だが
校内では よく目立っていたらしい。
 
 
 
 
 
タケシと会話で
 
『あれ? 最後に会ったのって、いつだったっけ?』
と、
おれが聞くと
 
タケシは言った。
 
『う~ん・・あれじゃね』
 
『ほら・・・』
 
『マコトの葬式以来じゃねえの?』





風が吹いた
 
 
 
 
風は、
目の前にあった
落ち葉のじゅうたんも
椅子も
音符も
ステージも
 
みんな吹き飛ばしてしまった。
 
振り返ると
マコトの顔が
よく知っている写真の顔に変化していた。
 
たくさんの色でねじれた風景が
透明になっていく
 
何もかもが消える前に
マコトが 一枚の写真になった・・
 
 
それは
 
マコトの遺影で置かれていた『写真』だった。
 
 
『おい、マコト・・行かないでくれ・・』
 
『おい』
『おい・・』
 
叫んだおれの前からは
もぅ、
何もかもが無くなっていた。
 
 
 
そして・・
 
そこで
 
おれは目が覚めた。
 
 
泣いていた。。
おれは悔しくてたまらなかった。
 
言いたいことがあったのに
また
言えなかった。
 
 
 
 
 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
その年
異常に暑い夏だった。
 
透析治療で週に2回、中央病院に通っていたマコトだった。
心臓の大きな手術をした あいつにとって
耐えられない夏だった。
 
 
 
連絡があって、駆け付けた時には
 
あの優しかったマコトは冷たくなっていた。
 
 
 
 

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おれは名古屋の大学に進学し
マコトは高校を出て、すぐに就職した。
 
卒業式の夜、
学生服、最後の日
 
大雨だった

二人とも傘をささずにいつもの分かれ道にいた

『お互い頑張ろうぜ!!』


って
最後の別れを告げた時、
 
雨がカモフラージュしてくれたからだろうな・・
遠慮なく
はじめて 人前で大泣きした。
 
つまらんことに、とことん付き合ってくれた
たったひとりの親友だった。
 
 
 
やつの家に何度も遊びに行った。
『マコさ!』 『マコさ~』
って、彼の母親はよくマコトをよんでいた
 
やつの弁当箱はやたらとデカかったのを覚えている。
 
めいっぱいご飯を詰め込んだ四角い弁当箱だった。
いつも海苔が敷いてあり
『おれの弁当は海の匂いがする』
て言ってた。
 

くだらないことばかりを思い出した。。。
 
 

 


マコトの死因は自殺と判断された。
 
愛車のランドクルーザーにロープを結び
片方を自分の首にくくりつけ
満月の夜
旅立って行った。
 
マコトが
天国に行くと決めた その日
 
マコトがもっとも慕い尊敬した

母親の命日だった。
 
 
 
 
 
おれはまだ、生きている。
だらしない生き方かもしれないが
まだ生きる。
 
マコトは おれのことを 『誇りだ』 と言ってくれた。
 
だから、
おれはマコトの分まで生きると決めた。
 
 
何年後か、何十年後か、わからないが
おれもそっちに行ったら、話したいことがたくさんある!
 
そん時はよ、楽しくやろうぜ♪
おまえに会えるを楽しみに、おれは生きて行くぜ!!
 
 
 
 
あ~あ・・・それにしても
不思議な夢を見ちまったものだ。
 
 
人間ってのはさ、
どうでもいいことをよく覚えているものだな・・
 
 
 
不思議な夢を見ちまったその日
 
学校帰りに
菓子パンと牛乳で祝った
 
 
親愛なるマコトの誕生日だった。
 
 
 
 
最後まで読んで頂き、ありがとございました。