とうよう師が選ぶ大衆音楽100選-21 M.M.誌創刊20周年企画’89 | 偽クレモンのブログ

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〇ボール・ルーム/ディ・ダナン<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の22>

 

持ってるし聴いてるし無人島100にも選定した。ディ・ダナンは1975年に結成されたアイリッシュ・フォークのバンド。'90年代だったか、日本でちょっとしたケルトブームが起こったような気がするが、ディ・ダナンはそれより以前から活動をしていた。が、ブームの時に注目されていた気配がない。このアルバムは1987年にリリースされ、ドロレス・キーンという素晴らしいヴォーカリストが在籍した絶頂期のもの。まずは1曲。

De Dannan - The Sweet Forget Me Not (youtube.com)

 

良い。でも何がよいかは説明がうまくできない。別に説明する必要もないのだが、文章力を鍛えるためにブログやってんだから何か書かないとな。このアルバムとの出会いはM.M.誌で絶賛されていたのと、ちょうどケルト・ミュージックに興味があったが未体験だった合わせ技で購入した。で、気に入って、他のケルト・ミュージックにいろいろ手を出したが、結局、このアルバム以外に大いに気に入ったものに出会えなかった。私はケルト、アイリッシュフォークはそれほど好きじゃないのかもしれん。このバンドのこのアルバムが好きなだけだ、たぶん。そしてドロレス・キーンが好きだ、これは確実。じゃ、もう1曲。インストを。

 

De Dannan – John Kimmel's Jigs (Tr#3- “Ballroom”) Celtic (youtube.com)

素晴らしい。歌ものもインストも、他のケルト系フォークバンドよりも1段上だと感じる。当時点での現代風な感覚でトラッドを演奏しているとはいえ、奇を衒っておらず極めてオーソドックス。日本のエセ・ケルトブームで注目されなかったのはそれが理由かもしれん。まとも過ぎて一見さんには入りにくいのやも。でも、格調高く、それでいて堅苦しくなく、どこかユーモアを含んでいて、当時注目されいたらしいなんちゃらウーマンとは一線以上を画する。

さて、音楽にユーモアというと、たたくドラムが片っ端から壊れたり、たたくドラムがなくなったから床をたたいたり、たたきながらボーカル&ベーシストに近づいていって最後に股間で’チーン’、とかのユーモアではない。説明は難しい。先回の本ブログで取り上げたザッパのアルバムタイトルは’ユーモアは音楽に必要か?’だったな。後年のマザーズは歌詞にユーモアはふんだんに含んでいたがサウンドからユーモアは消えていた。初期のマザーズはサウンド自体にユーモアをふんだんに含んでいた。そういうことだ。

 

〇Porque Sera/Steve Jordan<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の23>

 

スティーブ・ジョーダンは1939年テキサス出身のアコーディオン奏者。当時M.M.で取り上げられていたので名前とアイパッチの姿は知っていた。が、音と出会っていなかった。初めて聴く。が、youtube上には1曲が数テイクあるだけだった。それをリンクする。

Steve Jordan - Porque Sera - RCA 5626-4-rl (youtube.com)

 

良い。とうよう師のレビューによると、’東部テキサス音楽の正統派がフラーコ・ヒメネスなら、反逆児がスティーブ・ジョーダンだ。’、このアルバムでもいろいろやっているようだが、残念ながらこれしか音源が見当たらない。この曲はテックス・メックス臭はほとんど感じられず、カリブの香りがする。知らない人にマルチニークの奏者だと言っても信じるかもしれん。フラーコ・ヒメネスも聴いたことないが、たぶん私には物足りないかもしれない。私は反逆児というか、ルーツからはみ出る音が好きだ。がしかし、はみ出るにはルーツをしっかり握っている必要がある。ルーツを掴んでいないのにはみ出ることはできない。単なる根無し草になる。とうよう師によると、スティーブ・ジョーダンは元々はメキシコ系の音楽をやっていたとのことなので、根のあるはみだし具合なのだろう。この1曲しか知らんが。

 

今日はここまで。さぁ自分の録音だ。