HD映画劇場 2022#6 アクション映画とはハードボイルドとは脚本とは | 偽クレモンのブログ

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○ブリット 1968年 米 TV洋画劇場で初観以来、2回め・・・3回目かな?

 

スティーブ・マックイーン主演の刑事物。刑事物ハードボイルド映画の草分け的と言っていい。この1年前に「夜の大捜査線」が封切られているが、あちらはハードボイルド臭はない。ハードボイルド臭満々の「フレンチコネクション」はブリットの3年後。

ハードボイルドのwant条件を自分なりに挙げると、主人公が特に強くもなく、特に切れるわけでもなく、しがない暮らしぶりに甘んじている、でも執念だけは人一倍、ってなところ。そんな条件をブリットは満たしている。

 

例によって私の悪癖で他人のレビューをいろいろ見て回ったが、予想通り、最近のレビューほど芳しくない。やれ辻褄が合わない、やれリアリティがない、やてテンポが遅い・・・想定内の批判が累々と。この映画の脚本については、確かによく判らん。中高の頃に初観したときは、筋書きがほとんど判らなかったという記憶がある。で、今回も、よく判らんかった。

 

粗筋は、悪の組織の一員が裏切って組織の金を横領し追われの身となる。その裏切り者を、ロバート・ボーン演じる上院議員(上院議員を演じさせてらピカイチ?)が悪の組織撲滅のための証人として保護する。そして証人喚問までの40時間をブリット指名で警察に身辺警護を依頼する。しかし潜伏先のホテルに何故が組織の殺し屋が現れ、当番の刑事共々、裏切り者は撃たれる。しかし、裏切り者は影武者だった・・・ってなところ。だが、細かいところが本当にいい加減で分からない。最終的にブリットは何と戦っていたのか?上院議員は何がしたいのか?裏切り者は何をしたいのか?正直、腑に落ちない点は片手に余る・・・でも、

 

ハードボイルトは基本、筋立てなんてどうでもいいと思っている。各々のエピソードが粋で、全体的にカッコ悪スタイリッシュだったら、それでいいのだ。でも、流石に本の段階では、それなりに辻褄が合っていたのでは?と妄想する。それを撮影中に、監督やら、俺様のマックイーンやらが、こうした方がいいんじゃね?と、勝手に変更しているのでは?その際、監督やマックイーンの頭の中に論理的な筋立てなんて一切、無いのでは?そんな風に思う。でなきゃ、あんなに訳わからん筋立てにならないと思うのよね。脚本家もバカじゃないんだから。とは言うものの、この映画は総じてOK。マックイーンを鑑賞する映画として及第点だ。これでいいのだ。ところで、昨今のアクション映画は、本の辻褄はそんなに合ってんですかね?私は昨今のアクション映画のブツギリ編集・クローズアップ多用が、どうにも生理的にダメで、ほとんど観ていないので比較ができないのであった。

 

さて、ブリットと言えば、カーチェイス。その後数十年は、カーチェイスの見本であり続けたように思う。フレンチコネクションのカーチェイスは、ブリットがなかったら出てこなかっただろう。それほど’68年で、このカーチェイスは衝撃的だった。のだが・・・でもしかし・・・この映画においては、カーチェイスは余分だな、個人的には。総括的に実に渋い映画なので、売るために派手なシーンが必要なのは理解するし、それで実際成功しているんだから、制作サイドとしてはこのカーチェイスは大成功だ。でも、私にとっては、レッドツェッペリンのプレゼンスにおける’アキレス・ラスト・スタンド’だなぁ。それ単独では素晴らしいが、アルバムの中では浮いている・・・というのは言い過ぎだが、コンパクトでソリッドな曲で占められて中間部と反りが合わない。全部コンパクトでソリッドな曲で統一していたら、どんなに私好みのアルバムに仕上がっていたか。ブリットにおいては、渋い、しがない、地味なシーンでまとめたら、今頃私は感慨もひとしおだっただろうな。

 

昨今のレビュワーがやり玉に挙げているテンポについては、もう、全然これでいい。なんでこのテンポに着いてこれないの、最近の人は。狭い日本、そんなに急いで何処へ征く。急がば回れ。早けりゃいいってもんじゃない。適したテンポというものがある。ツービートもいいが、いとしこいしの漫才が今は恋しい。そういうことだ。

 

最後に、ヒロインはジャクリーン・ビセット。懐かしい。私の中高の頃のスクリーン誌、ロードショー誌の表紙の申し子みたいな人だった。この映画に関しては役不足という意見が多いが、ま、居るだけでいい、って感じだ。

 

酔っているので、いろいろグダグダ書いている。誤字脱字も多いかもしれん。また明日校正するね。で、ブリットは【8点】