音楽について#22 ギターソロ_ロック大御所編 | 偽クレモンのブログ

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先回のギターソロ#1は、猟奇に走ったきらいがあるので、ここはひとつ、まともに大御所のギターソロを紹介したい。でもしかし、あくまで私の好みのギターソロであり、本気のギター好きとは相容れないかもしれん。

 

まずは、ジミ・ヘンドリクス。この人への評価は、ちょっと油断するとギターソロだけが取り沙汰される始末になるが、実は傑出したサウンドクリエイターなのだ。そういう意味で、サウンドクリエイターのギターソロを味わっていただきたい。1;43から。

音色、奏法を変化させての四部構成。素晴らしく楽しい。抑えたフレージングは、速弾きだけがギターソロじゃない、ってことを知らしめるかの如くだ。俺の本質はこっちだぞ!と。

それと、ギターソロが素晴らしいので取り上げた曲だが、曲自体が素晴らしいのでそっちも味わってね。ボブ・ディランのカバーなのだが、ディランがこのカバーに感動して、この曲の権利の半分はジミのものだ、と言ったとか言わないとか。個人的には100%ジミのでいい。

 

続きまして、ジェフ・ベック。所謂3大ギタリストの中では、最も最近まで元気にギター鳴らしていたジェフ・ベック。私が中坊の頃は先鋭的なソロ作品を連発し、その頃が全盛期だったと言われることが多い。でも私が選ぶのはそれ以前。第二期ジェフベックグループの1曲。’シチュエイション’。この時期は、バンドにアフロアメリカンが2名居ることから判るように、ファンキーなロックを志向していた。2:02から。

晩年はフュージョン親父と化して、アドリブっぽい長いソロを弾きまくっていたジェフ・ベックだが、この人はアドリヴがそれほど利く人ではなかった。真骨頂は、決められた範囲で綿密に組み立てる作曲ギターソロだ。なので、レコードでは、いろいろな奏法、ギミックを駆使して独特のスケールを感じる乙なソロを連発する。一方、ステージでは速弾きに走り、スケールの小さいプレイに陥りがち。あ、こりゃ個人の感想だ。

この曲のソロも、フレーズ、展開、音色、共によく練ってある。ところどころで意表を突かれる。基本はしっかりしている上でのギミック。この手のギタリストは、当時は彼しか知らなかった。ちなみに、ジェフ・ベックがトリッキーな奏法の手本にしていたのは、レス・ポールのギタープレイ。参考まで。1:04あたりから。先進的にもほどがある。

 

続きまして、ジミー・ペイジ。言わずとしれたレッド・ツェッペリン。大御所という括りだとどうしても取り上げることになるが、実は彼のギターソロを選ぶのは難しい作業だ。大してよくないから。ジミー・ペイジが素晴らしいのは、サウンドクリエイターとして。バンドアンサンブルの中でのギターフレーズ、リフ作りは抜きん出て素晴らしい。それに引き換え、ギターソロは荒い。彼もロック期のジェフ・ベックみたいにガッチガチに構築した作曲ギターソロを演れば、とても良い作品を連発できたと思うのだが、割と手なりで弾く場合が多いな。そんな中、粗さが良い味になっている好きなテイクを贈ります。2ndアルバムから、レモン・ソング。1:45あたりから。

とても優れたバックに助けられていることは明白だが、それを承知の上での粗いギターなのかもしれない。そうしておこう。

 

最後はクラプトンと思いきや、そうは問屋が卸さない。私にとっては誰よりも大御所、ロバート・フリップ。彼のギターの凄さは無人島の100枚でも散々ホザいたが、技工が凄いのに、技工に走らずアイデアも凄い、というところ。無人島100では、コードストロークに依るソロに腰が抜けた旨を書いた。今回は、21世紀の精神異常者_1973年のライブ、を聴いてもらうが、ここでは、ソロの前半はストロークソロ、一旦ベースソロを挟んで後半は、メロトロンを模したようなスムーズな超絶技巧ソロ。ただただ、凄い。

ロバート・フリップは、こんな凄いソロを弾けるのだが、ほとんどの楽曲でアンサンブルを優先させギターを弾きまくることがない。そこも私の琴線に触れる所以である。過ぎたるは及ばざるが如し。今日のところはこれくらいで。