これからの生活の計画のために(1) 岩手県
これからの生活の計画のために(1) 岩手県
2011年3月12日の原発の爆発から半年が経ち、今後の生活の計画を立てる時期になりました。3月、4月に避難した人と事情で動けなかった人ですこし違いますが、地区ごとに解説をしていきます。群馬大学の早川先生の地図を主として参考にします。
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Bandicam_20111015_101521302]
岩手の人もまた政府と東大教授の「虚偽」の犠牲になりました.おそらくは「遠くに逃げろ」とか「距離の二乗に反比例する」という科学的な間違いを信じて、「もし、放射線が来るとすると、宮城から徐々に岩手に来るだろう」と思っておられたのでしょう。
しかし、汚染や被曝は「距離」ではありません。「死の灰」が飛んできてどこで落ちるかが問題なのです。もし、正しい知識を持っていたら、田畑にビニールを敷くとか、気象庁と連携をとって危険な時には児童を待避させるなどの措置ができたはずです。残念です。
岩手県一関に落ちた死の灰は、宮城県沖から牡鹿半島を通ったものと奥羽山脈にそって北上したものがあるようです。それが2回に渡っているのか、一緒なのかも今のところ明らかではありません。
さらに残念なのは盛岡です。一関から北上川を北上した死の灰は盛岡で落下しました。
都市部は人間が住んでいますので、ビルがあったり周辺と温度が違ったりしていて死の灰が落下しやすい傾向にあります。関東の柏市、東京の新宿などと同じです。
自治体・教育委員会単位で実施することは、1)一関付近の0.5マイクロシーベルトの場所は自治体がさらに詳細に測定し危険な箇所に標識をたて児童を被曝から守ること、2)汚染地域にはできるだけ作物を植えないこと、植えた場合はベクレルを測定すること、3)0.125マイクロ以上の場所は自治体が警戒区域にして、詳細なマップを作り市民の被曝を抑制してください、3)子供の給食は北海道などの汚染されていない食材を使ってください(子供と土地は郷土の宝です)です。
個人レベルでは、1)ホットスポットの面積が小さいので、できるだけその場所から引っ越しをすること、2)買い物やレジャーに行く時には汚染されていない場所に行くこと、3)付近で線量率の高いところを避けることができるようにマップを作ること、です。
法律的に言えば(放射線防護の法律。もし自治体の人で法律を知らない人は武田に聞いてください)、0.5マイクロシーベルト以上のところはセシウムが4万ベクレル以上ある危険性が高いので、直ちに東電に電話してください、法律では事業者に次のような義務を課しています。
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Bandicam_20111008_225217554]
スポット的に汚染されても「法律を守り、冷静、科学的」に対応すれば被曝を最小限に抑えることができます。児童は大人と違い、感度が3倍、被曝チャンス3倍で約10倍の被曝を受けます。岩手の方が一致協力して一関、平泉、奥州市、盛岡の子供たちを助けることを願っています。
(私はまったく弁明する気はないのですが、関西のテレビでの私の発言を報じた東北の新聞は、私の発言を正しく伝えてはいませんでした。私が知っている東北の人は口が達者ではありませんが、誠実で粘り強い人ばかりです。私がなんとか子供の被曝を減らそうとしていることを東北の新聞は伝えてください。間違いを報道して東北の人の感情をたかぶらせ、その結果子供の被曝が増えるのは決して東北の人の希望ではないと思うからです。一関の議会からも抗議が来ていますが、その根拠が「東北の新聞にこう書いてあった」ということなので、もしできましたらもう一度、私のテレビをご覧になって抗議をしていただければと存じます。)
中部大学武田邦彦
(平成23年10月15日)
2011年3月12日の原発の爆発から半年が経ち、今後の生活の計画を立てる時期になりました。3月、4月に避難した人と事情で動けなかった人ですこし違いますが、地区ごとに解説をしていきます。群馬大学の早川先生の地図を主として参考にします。
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Bandicam_20111015_101521302]岩手の人もまた政府と東大教授の「虚偽」の犠牲になりました.おそらくは「遠くに逃げろ」とか「距離の二乗に反比例する」という科学的な間違いを信じて、「もし、放射線が来るとすると、宮城から徐々に岩手に来るだろう」と思っておられたのでしょう。
しかし、汚染や被曝は「距離」ではありません。「死の灰」が飛んできてどこで落ちるかが問題なのです。もし、正しい知識を持っていたら、田畑にビニールを敷くとか、気象庁と連携をとって危険な時には児童を待避させるなどの措置ができたはずです。残念です。
岩手県一関に落ちた死の灰は、宮城県沖から牡鹿半島を通ったものと奥羽山脈にそって北上したものがあるようです。それが2回に渡っているのか、一緒なのかも今のところ明らかではありません。
さらに残念なのは盛岡です。一関から北上川を北上した死の灰は盛岡で落下しました。
都市部は人間が住んでいますので、ビルがあったり周辺と温度が違ったりしていて死の灰が落下しやすい傾向にあります。関東の柏市、東京の新宿などと同じです。
自治体・教育委員会単位で実施することは、1)一関付近の0.5マイクロシーベルトの場所は自治体がさらに詳細に測定し危険な箇所に標識をたて児童を被曝から守ること、2)汚染地域にはできるだけ作物を植えないこと、植えた場合はベクレルを測定すること、3)0.125マイクロ以上の場所は自治体が警戒区域にして、詳細なマップを作り市民の被曝を抑制してください、3)子供の給食は北海道などの汚染されていない食材を使ってください(子供と土地は郷土の宝です)です。
個人レベルでは、1)ホットスポットの面積が小さいので、できるだけその場所から引っ越しをすること、2)買い物やレジャーに行く時には汚染されていない場所に行くこと、3)付近で線量率の高いところを避けることができるようにマップを作ること、です。
法律的に言えば(放射線防護の法律。もし自治体の人で法律を知らない人は武田に聞いてください)、0.5マイクロシーベルト以上のところはセシウムが4万ベクレル以上ある危険性が高いので、直ちに東電に電話してください、法律では事業者に次のような義務を課しています。
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Bandicam_20111008_225217554]スポット的に汚染されても「法律を守り、冷静、科学的」に対応すれば被曝を最小限に抑えることができます。児童は大人と違い、感度が3倍、被曝チャンス3倍で約10倍の被曝を受けます。岩手の方が一致協力して一関、平泉、奥州市、盛岡の子供たちを助けることを願っています。
(私はまったく弁明する気はないのですが、関西のテレビでの私の発言を報じた東北の新聞は、私の発言を正しく伝えてはいませんでした。私が知っている東北の人は口が達者ではありませんが、誠実で粘り強い人ばかりです。私がなんとか子供の被曝を減らそうとしていることを東北の新聞は伝えてください。間違いを報道して東北の人の感情をたかぶらせ、その結果子供の被曝が増えるのは決して東北の人の希望ではないと思うからです。一関の議会からも抗議が来ていますが、その根拠が「東北の新聞にこう書いてあった」ということなので、もしできましたらもう一度、私のテレビをご覧になって抗議をしていただければと存じます。)
中部大学武田邦彦
(平成23年10月15日)
「善良な国民」になろう・・・放射線
「善良な国民」になろう・・・放射線
「善良な国民」というのは「日本国憲法と倫理の黄金律を守る誠実な人」をイメージしていますが、それはおいおいハッキリするとして、その「放射線版」です。「日本の法律」および「国際慣行」では次のように「数値で明確」に決まっています。
● 総合(足し算)の被曝制限(一般公衆、1年あたり)
1ミリシーベルト (食品、水、土もこの基準でベクレルに計算したものです)
● 食品と水の汚染制限(1キログラムあたり)
水 10ベクレル
食品 40ベクレル(少しプラスマイナスあり)
● 土の汚染制限(1平方メートルあたり)
土 4万ベクレル
知識人、マスコミを中心に「正しく怖がる」という奇妙な言葉があり、「正しく」とは何かと思って今日、ある新聞の社説を読んだら、「自分が正しいと思う数値」のことを言っていることがわかりました。つまり「俺は殿様だから、俺が正しいと決めたことは正しい。法律などは無視する」ということです。
このブログにも書きましたように、「正しい」とは、1)法律で決まっている(社会的約束)、2)倫理で決まる(相手に聞く)、の2つしかありません。新聞の社説のように「自分が決めたことが正しい。法律は無視して良いし、お母さんの希望も聞かなくて良い」ということを正しいとする人は、けっして「善良」とは言えません。
日本の法律は一般公衆1年1ミリを基礎に決められており、放射性物質を取り扱う人に対して制限を加えています。従って、法律には施設境界の空間線量、排気、排水、廃棄物などを別にして「一般公衆の制限」は明記されていません。
それは、法律の規制の対象が放射性物質や放射線を出す機器を取り扱う人であるからです。法律の審議過程では1年1ミリが繰り返し出てきて、そのためには食品は?土壌は?ということで数値を決めているのです。
「犯罪を犯す人」(東電)、「犯罪を容認する人」(政府、自治体、マスコミ)はともに「善良」ではありません。この際、是非、その人たちも「善良な国民」の一人になって「法律では・・・」と必ず言及してください。明るく発展性のある日本の子供のために。
中部大学武田邦彦
(平成23年10月15日)
「善良な国民」というのは「日本国憲法と倫理の黄金律を守る誠実な人」をイメージしていますが、それはおいおいハッキリするとして、その「放射線版」です。「日本の法律」および「国際慣行」では次のように「数値で明確」に決まっています。
● 総合(足し算)の被曝制限(一般公衆、1年あたり)
1ミリシーベルト (食品、水、土もこの基準でベクレルに計算したものです)
● 食品と水の汚染制限(1キログラムあたり)
水 10ベクレル
食品 40ベクレル(少しプラスマイナスあり)
● 土の汚染制限(1平方メートルあたり)
土 4万ベクレル
知識人、マスコミを中心に「正しく怖がる」という奇妙な言葉があり、「正しく」とは何かと思って今日、ある新聞の社説を読んだら、「自分が正しいと思う数値」のことを言っていることがわかりました。つまり「俺は殿様だから、俺が正しいと決めたことは正しい。法律などは無視する」ということです。
このブログにも書きましたように、「正しい」とは、1)法律で決まっている(社会的約束)、2)倫理で決まる(相手に聞く)、の2つしかありません。新聞の社説のように「自分が決めたことが正しい。法律は無視して良いし、お母さんの希望も聞かなくて良い」ということを正しいとする人は、けっして「善良」とは言えません。
日本の法律は一般公衆1年1ミリを基礎に決められており、放射性物質を取り扱う人に対して制限を加えています。従って、法律には施設境界の空間線量、排気、排水、廃棄物などを別にして「一般公衆の制限」は明記されていません。
それは、法律の規制の対象が放射性物質や放射線を出す機器を取り扱う人であるからです。法律の審議過程では1年1ミリが繰り返し出てきて、そのためには食品は?土壌は?ということで数値を決めているのです。
「犯罪を犯す人」(東電)、「犯罪を容認する人」(政府、自治体、マスコミ)はともに「善良」ではありません。この際、是非、その人たちも「善良な国民」の一人になって「法律では・・・」と必ず言及してください。明るく発展性のある日本の子供のために。
中部大学武田邦彦
(平成23年10月15日)
マップの大切さ
マップの大切さ
東京の世田谷で起きた事件は「汚染マップ」の大切さ、放射性物質の管理の大切さをしめしました。福島原発事故からすでに半年、奥の人が放射線に敏感になっているのですし、また放射線の高いところが散在することも事実です。
それに1時間3マイクロシーベルト程度の線量が観測されたのですから、私も含め多くの人が「ドキッ」としたのも当然でしょう。この事件の詳細はこれから少しずつ明らかになるでしょうけれど、私たちの教訓としては、このぐらいではビックリしないように現実を把握することと思います。
今回の「発見」が偶然だったことを考えると、まだ東京で高い放射線の地点があっても見つかっていない可能性もあるということで測定の精度を上げる必要があることを示しています。
・・・・・・・・・・
群馬大学の早川先生は2011年4月中旬から継続的に岩手から静岡にいたる地域で放射線量を測定、それを地図にして公表してこられました。私も早川先生のデータを見ながら解説を加えてきましたが、このご努力で多くの人が被曝から逃れることができました。
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0911dkokudo069]
このグラフは9月11日に先生が発表された第4版ですが、実に詳細でわかりやすく、「国民栄誉賞」にも相当するもので、さらに学問の成果としてとても素晴らしいと思います。もし、このような地図が東京にもあったら、その時点で今回のことも発見され、また福島からの放射性物質の高いところも見つかっているでしょう。
それに対して文科省が9月18日に発表した土壌汚染のマップもそれなりに評価はできます。でも、やはり発表の時期が被曝した後で遅いこと、地図の仕上がりと精度が悪いこと、そして県境を意識して必要な場所が測定されていないことなど、早川先生のマップに比べると数段落ちることは一目でわかります。
文科省ばかりではなく、東京都や各自治体はさらに細かく線量を測定し、より安全に国民が生活するような基盤の整備が必要でしょう。
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Bandicam_20111008_230316498]
もう一つ、この2つのマップを比べて見て判ることは「学問の自由」の大切さです。もし、日本国憲法が学問の自由を保証していなければ早川先生は国の強い原発報道の規制に中で、マップを発表することができなかったでしょう。それは結果的に国民の被曝を増やしたと考えられます。
また、早川先生のマップでは、岩手県一関市、盛岡市や新潟県魚沼の汚染が示されていますが、政府の発表なら自治体の反撃などがあり、この段階では発表が難しく、また発表できなかったかも知れません(文科省の地図では含まれていません)。
時の政府がさまざまな理由で情報を隠匿するのは歴史的にも多いのです。アメリカの例ではイラクに大量破壊兵器があるという情報は必ずしも正確ではなかったのですが、その情報をテコにしてイラクに攻め込みました。アメリカは比較的報道の自由や学問の自由が尊重されていますが、それでも政府の強力な情報操作には敗れることがあるのです。
今回の原発事故で政府の情報操作が著しく、それにマスメディアが追従してしまったことは日本の報道にとっても大きな汚点になりましたが、学問の自由が保証されていたことで早川先生のようにご立派な学者の活動が国民を救ったのです。
「災いを転じて福となす」という言葉がありますが、福となすには災いを正面から受け止め、前向きに改善をして行くことです。
中部大学武田邦彦
(平成23年10月12日)
東京の世田谷で起きた事件は「汚染マップ」の大切さ、放射性物質の管理の大切さをしめしました。福島原発事故からすでに半年、奥の人が放射線に敏感になっているのですし、また放射線の高いところが散在することも事実です。
それに1時間3マイクロシーベルト程度の線量が観測されたのですから、私も含め多くの人が「ドキッ」としたのも当然でしょう。この事件の詳細はこれから少しずつ明らかになるでしょうけれど、私たちの教訓としては、このぐらいではビックリしないように現実を把握することと思います。
今回の「発見」が偶然だったことを考えると、まだ東京で高い放射線の地点があっても見つかっていない可能性もあるということで測定の精度を上げる必要があることを示しています。
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群馬大学の早川先生は2011年4月中旬から継続的に岩手から静岡にいたる地域で放射線量を測定、それを地図にして公表してこられました。私も早川先生のデータを見ながら解説を加えてきましたが、このご努力で多くの人が被曝から逃れることができました。
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0911dkokudo069]このグラフは9月11日に先生が発表された第4版ですが、実に詳細でわかりやすく、「国民栄誉賞」にも相当するもので、さらに学問の成果としてとても素晴らしいと思います。もし、このような地図が東京にもあったら、その時点で今回のことも発見され、また福島からの放射性物質の高いところも見つかっているでしょう。
それに対して文科省が9月18日に発表した土壌汚染のマップもそれなりに評価はできます。でも、やはり発表の時期が被曝した後で遅いこと、地図の仕上がりと精度が悪いこと、そして県境を意識して必要な場所が測定されていないことなど、早川先生のマップに比べると数段落ちることは一目でわかります。
文科省ばかりではなく、東京都や各自治体はさらに細かく線量を測定し、より安全に国民が生活するような基盤の整備が必要でしょう。
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Bandicam_20111008_230316498]もう一つ、この2つのマップを比べて見て判ることは「学問の自由」の大切さです。もし、日本国憲法が学問の自由を保証していなければ早川先生は国の強い原発報道の規制に中で、マップを発表することができなかったでしょう。それは結果的に国民の被曝を増やしたと考えられます。
また、早川先生のマップでは、岩手県一関市、盛岡市や新潟県魚沼の汚染が示されていますが、政府の発表なら自治体の反撃などがあり、この段階では発表が難しく、また発表できなかったかも知れません(文科省の地図では含まれていません)。
時の政府がさまざまな理由で情報を隠匿するのは歴史的にも多いのです。アメリカの例ではイラクに大量破壊兵器があるという情報は必ずしも正確ではなかったのですが、その情報をテコにしてイラクに攻め込みました。アメリカは比較的報道の自由や学問の自由が尊重されていますが、それでも政府の強力な情報操作には敗れることがあるのです。
今回の原発事故で政府の情報操作が著しく、それにマスメディアが追従してしまったことは日本の報道にとっても大きな汚点になりましたが、学問の自由が保証されていたことで早川先生のようにご立派な学者の活動が国民を救ったのです。
「災いを転じて福となす」という言葉がありますが、福となすには災いを正面から受け止め、前向きに改善をして行くことです。
中部大学武田邦彦
(平成23年10月12日)