日本の子供は大変(2)・・・地理を考えて大人は行動しよう
日本の子供は大変(2)・・・地理を考えて大人は行動しよう
私は時々お母さんたちに言うことがあります。それは、「そんなにもったいないとか、節電とかを子供に教えたり、社会によびかけたりすると、お子さんかお孫さんの時代には、日本はダメになってしまいます。人生や家庭は争いがないので、節約は大切なことですが、競争社会で節約したら滅びてしまいます.人生は節約しないと幸福には慣れないのですが、社会はドンドン行かないと負けてしまうからです。」
・・・・・・・・・
日本の子供は大変だ。かつて命を捨てて日本を守ってくれた大人はいなくなり、我が身の保身と「良い子になりたい」ということで、子供の将来を危うくしている。
19世紀に吹き荒れたヨーロッパ・アメリカの「有色人種圧迫」で、アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアに住んでいた有色人種のうち、実質的には日本だけが独立していた(エチオピアは風土病で、シャム(タイ)は緩衝地帯として、中国は形式だけ国だった)。
良く日本が有色人種でただ一つ、独立したものだ。これは日本人が優れていたこと、明治天皇のもとで一丸になれたこと、教育に力を入れて当時の世界一だった英国を文盲率の少なさで上回ったこと、殖産興業政策が成功したこと、明治政府や明治の人たちが立派だったこと、軍国教育が成功したこと、そして私たちのおじいさんが戦場で死んでくれたことだった。
異論があるだろう。「軍国教育が成功した」?!・・・なんということを言うのか!というお叱りが聞こえるが、もし軍国教育をしなかったら、日本はヨーロッパかアメリカの植民地となり、現在の繁栄はほど遠い。どんなに人格が立派でも「力」の前には奴隷となる。
・・・・・・・・・
世界地図をみると日本に一つの宿命があることがわかる。かつて汽車や船が発達していなかった頃、ロシアは陸地が大きくシベリアをへだてた太平洋は遠すぎたし、アメリカも太平洋を自由に行き来ができなかったので、日本にとっての強敵は中国だけだった。でも、20世紀に入り、「海は無いも同じ」というイギリスの宣言通り、日本は世界でも唯一、「アメリカ、ロシア、中国」という3大強国に囲まれた国となった。
その結果、日清戦争(対中国)、日露戦争(対ロシア)、そして太平洋戦争(対アメリカ)と3大強国と戦ってきた。2勝1敗であった。しかし、そこで私たちのおじいさんが身を挺して死んでくれたので、こうして私たちは有色人種の中で唯一、白人に抗して豊かな生活を送っている。
イギリスに長く支配されたインドは、優れた人が出るとイギリス軍がやってきて両手首を切り落とした。同じくイギリスに占領されたオーストラリアではアボリジニが「ゲーム」で崖から突き落とされ死んだ。支配というのはそういうものだった。
・・・・・・・・
今、日本の大人は油断している。まだ1万年ある石油や石炭を節約したり、電力会社に気前よくお金をあげて節電したり、ゴミを減らそうとしたり、世界で唯一CO2を削減して「排出権」なるものにダマされて毎年1兆円近いお金を貢いでいる。
それだけではない。若い人に「将来の日本はダメだ。過去の日本も恥ずかしい」と言い続けて気力を奪っている。
3大強国に囲まれた日本は政治でも、ビジネスでも、技術でも、魂でも、絶対に大国に負けてはいけない。ひとたび負ければ日本の周辺の島国は隣国に占領され、海上輸送は制限され、少しずつ真綿で首を締め上げられるごとくにいじめられて没落する。すでに原発が事故を起こし、千島列島と竹島などに影響が出ている.
国際関係とはそういうものである。今の大人はお金、補助金、赤字国債、子供の被曝、核廃棄物の付けなどをすべて子供にかぶせ、大学では教授の出世のために学生が働かせられている。このまま行くと、日本の将来は危険である。
東北大震災と福島原発を契機に、「子供や孫のために強い日本」を目指す社会に変えよう! そのためには質実剛健で誠実で正直な指導者を選んでいかなければならないし、東京が創り出した「空気的事実」をすべて捨て去り、地方が感じている「科学的事実」にもとづいて社会をやり直す必要があると私は思う.
「これからの日本」を少し考えたいと思う.福島2号機の水位が報道されていますが、これは予想されたとおりで別に今のところなにも驚くことはなく、危険も無いと思います.
「takeda_20120327no.464-(6:59).mp3」をダウンロード
中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)
私は時々お母さんたちに言うことがあります。それは、「そんなにもったいないとか、節電とかを子供に教えたり、社会によびかけたりすると、お子さんかお孫さんの時代には、日本はダメになってしまいます。人生や家庭は争いがないので、節約は大切なことですが、競争社会で節約したら滅びてしまいます.人生は節約しないと幸福には慣れないのですが、社会はドンドン行かないと負けてしまうからです。」
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日本の子供は大変だ。かつて命を捨てて日本を守ってくれた大人はいなくなり、我が身の保身と「良い子になりたい」ということで、子供の将来を危うくしている。
19世紀に吹き荒れたヨーロッパ・アメリカの「有色人種圧迫」で、アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアに住んでいた有色人種のうち、実質的には日本だけが独立していた(エチオピアは風土病で、シャム(タイ)は緩衝地帯として、中国は形式だけ国だった)。
良く日本が有色人種でただ一つ、独立したものだ。これは日本人が優れていたこと、明治天皇のもとで一丸になれたこと、教育に力を入れて当時の世界一だった英国を文盲率の少なさで上回ったこと、殖産興業政策が成功したこと、明治政府や明治の人たちが立派だったこと、軍国教育が成功したこと、そして私たちのおじいさんが戦場で死んでくれたことだった。
異論があるだろう。「軍国教育が成功した」?!・・・なんということを言うのか!というお叱りが聞こえるが、もし軍国教育をしなかったら、日本はヨーロッパかアメリカの植民地となり、現在の繁栄はほど遠い。どんなに人格が立派でも「力」の前には奴隷となる。
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世界地図をみると日本に一つの宿命があることがわかる。かつて汽車や船が発達していなかった頃、ロシアは陸地が大きくシベリアをへだてた太平洋は遠すぎたし、アメリカも太平洋を自由に行き来ができなかったので、日本にとっての強敵は中国だけだった。でも、20世紀に入り、「海は無いも同じ」というイギリスの宣言通り、日本は世界でも唯一、「アメリカ、ロシア、中国」という3大強国に囲まれた国となった。
その結果、日清戦争(対中国)、日露戦争(対ロシア)、そして太平洋戦争(対アメリカ)と3大強国と戦ってきた。2勝1敗であった。しかし、そこで私たちのおじいさんが身を挺して死んでくれたので、こうして私たちは有色人種の中で唯一、白人に抗して豊かな生活を送っている。
イギリスに長く支配されたインドは、優れた人が出るとイギリス軍がやってきて両手首を切り落とした。同じくイギリスに占領されたオーストラリアではアボリジニが「ゲーム」で崖から突き落とされ死んだ。支配というのはそういうものだった。
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今、日本の大人は油断している。まだ1万年ある石油や石炭を節約したり、電力会社に気前よくお金をあげて節電したり、ゴミを減らそうとしたり、世界で唯一CO2を削減して「排出権」なるものにダマされて毎年1兆円近いお金を貢いでいる。
それだけではない。若い人に「将来の日本はダメだ。過去の日本も恥ずかしい」と言い続けて気力を奪っている。
3大強国に囲まれた日本は政治でも、ビジネスでも、技術でも、魂でも、絶対に大国に負けてはいけない。ひとたび負ければ日本の周辺の島国は隣国に占領され、海上輸送は制限され、少しずつ真綿で首を締め上げられるごとくにいじめられて没落する。すでに原発が事故を起こし、千島列島と竹島などに影響が出ている.
国際関係とはそういうものである。今の大人はお金、補助金、赤字国債、子供の被曝、核廃棄物の付けなどをすべて子供にかぶせ、大学では教授の出世のために学生が働かせられている。このまま行くと、日本の将来は危険である。
東北大震災と福島原発を契機に、「子供や孫のために強い日本」を目指す社会に変えよう! そのためには質実剛健で誠実で正直な指導者を選んでいかなければならないし、東京が創り出した「空気的事実」をすべて捨て去り、地方が感じている「科学的事実」にもとづいて社会をやり直す必要があると私は思う.
「これからの日本」を少し考えたいと思う.福島2号機の水位が報道されていますが、これは予想されたとおりで別に今のところなにも驚くことはなく、危険も無いと思います.
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中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)
日本の子供は大変(1)・・・すべて子供がやってくれる??
日本の子供は大変(1)・・・すべて子供がやってくれる??
【かつての日本】 「わしが追い腹を詰めるから、後を頼む」(武士の覚悟)、「命を捨てても田畑(でんぱた)を守る」(百姓の覚悟)と、日本の親は子供第一でその人生を送ってきた。子供もその親の心が判って親を大切にする良い国だった。
【今の大人】 「原発の電気は欲しいけれど、廃棄物は子供がやってくれ」(日本人全員の親)、「大人は1年1ミリだが、子供は1年20ミリ(1年に胸のレントゲン400回)でよい」(校長先生)、「電気が欲しいから原発を動かす。爆発したら土地は100年はダメだけれど、それは子供が被害をこうむるだけだ」(経済界)、「コストが安ければ子供の就職先など考えずに、外国に工場を造る」(産業界の親)、「税金は使いたくないから国債を発行し、それは子供が支払ってくれ」(貯金家)、「どんなに若い人が減っても65歳からまともな年金をもらいたいから、子供は支払え」(年寄り)、「研究して出世したいから学生は企業からの委託研究をタダでやれ」(大学教授)・・・・・・
どうしてしまったのだろうか??
・・・・・・・・・
かつての日本のお年寄りは、死に場所を選び、寿命を削っても子供のために仕事(田畑)を残した。でも、そのような潔い大人は絶滅し、子供を出汁にして生きる人ばかりになった。私たちはそれに気がつかなければならない。
そのもっともひどいのは「原発の電気はもらいたいが、廃棄物は子供がやれ」というのだろう。日本の原発が本格的になってから30年ほどになるが、まだ原発の廃棄物をしまうところがない。大人は「廃棄物は危険だ」といって原発の敷地に山積みにしている。
でも、原発をやれば廃棄物がたまるのは当然で、それは大人もよくわかっている。でも「俺はイヤだ。子供がやれ」ということを続けている。経団連もそうだ。「日本経済のために原発を動かせ。でも廃棄物は子供の時代にやってくれ」というスタンスで、原発再開を訴えるばかりで、廃棄物の最終処分場を提案する気配はない。
経団連の人は「お母さんはヒステリーだ経済が判っていない」と言っているが、それほど偉いならアパート経営ぐらい判っているだろう。つまり、アパートを経営する場合、家賃を取ればトイレも使うことになる。つまり{家賃=原発の電気}だけをとって、借りた人に{トイレ=原発の廃棄物}はダメだと言っているわけの判らない家主のようだ。
原発トータルに対して責任を持てないような人は発言を控えてもらいたい。また、私たちも私たちの生活は自分が額に汗しただけで満足し、毎日、ご飯とお味噌汁とめざしが食べられればそれで満足し、後は子供のため、日本のために働くかつての日本人に帰りたいと思う。
少しやんちゃでも、ゴミなどをそこら辺に捨てても、元気で夢を持った子供を育てないと、日本はかなり難しくなると思います。かつてアラブから日本に来たタンカーは今、途中で中国へ曲がっているのです。中国の親は一所懸命、子供の時代に日本より豊かな国になろうとしているのに、日本の親は自分のことだけを考えているように見えるのです.
「takeda_20120326no.463-(6:05).mp3」をダウンロード
中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)
【かつての日本】 「わしが追い腹を詰めるから、後を頼む」(武士の覚悟)、「命を捨てても田畑(でんぱた)を守る」(百姓の覚悟)と、日本の親は子供第一でその人生を送ってきた。子供もその親の心が判って親を大切にする良い国だった。
【今の大人】 「原発の電気は欲しいけれど、廃棄物は子供がやってくれ」(日本人全員の親)、「大人は1年1ミリだが、子供は1年20ミリ(1年に胸のレントゲン400回)でよい」(校長先生)、「電気が欲しいから原発を動かす。爆発したら土地は100年はダメだけれど、それは子供が被害をこうむるだけだ」(経済界)、「コストが安ければ子供の就職先など考えずに、外国に工場を造る」(産業界の親)、「税金は使いたくないから国債を発行し、それは子供が支払ってくれ」(貯金家)、「どんなに若い人が減っても65歳からまともな年金をもらいたいから、子供は支払え」(年寄り)、「研究して出世したいから学生は企業からの委託研究をタダでやれ」(大学教授)・・・・・・
どうしてしまったのだろうか??
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かつての日本のお年寄りは、死に場所を選び、寿命を削っても子供のために仕事(田畑)を残した。でも、そのような潔い大人は絶滅し、子供を出汁にして生きる人ばかりになった。私たちはそれに気がつかなければならない。
そのもっともひどいのは「原発の電気はもらいたいが、廃棄物は子供がやれ」というのだろう。日本の原発が本格的になってから30年ほどになるが、まだ原発の廃棄物をしまうところがない。大人は「廃棄物は危険だ」といって原発の敷地に山積みにしている。
でも、原発をやれば廃棄物がたまるのは当然で、それは大人もよくわかっている。でも「俺はイヤだ。子供がやれ」ということを続けている。経団連もそうだ。「日本経済のために原発を動かせ。でも廃棄物は子供の時代にやってくれ」というスタンスで、原発再開を訴えるばかりで、廃棄物の最終処分場を提案する気配はない。
経団連の人は「お母さんはヒステリーだ経済が判っていない」と言っているが、それほど偉いならアパート経営ぐらい判っているだろう。つまり、アパートを経営する場合、家賃を取ればトイレも使うことになる。つまり{家賃=原発の電気}だけをとって、借りた人に{トイレ=原発の廃棄物}はダメだと言っているわけの判らない家主のようだ。
原発トータルに対して責任を持てないような人は発言を控えてもらいたい。また、私たちも私たちの生活は自分が額に汗しただけで満足し、毎日、ご飯とお味噌汁とめざしが食べられればそれで満足し、後は子供のため、日本のために働くかつての日本人に帰りたいと思う。
少しやんちゃでも、ゴミなどをそこら辺に捨てても、元気で夢を持った子供を育てないと、日本はかなり難しくなると思います。かつてアラブから日本に来たタンカーは今、途中で中国へ曲がっているのです。中国の親は一所懸命、子供の時代に日本より豊かな国になろうとしているのに、日本の親は自分のことだけを考えているように見えるのです.
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中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)
首長逮捕??瓦礫の放射能評価・・・データに基づいて考える
首長逮捕??瓦礫の放射能評価・・・データに基づいて考える
被災地から瓦礫を搬出することで、多くの人が不安を感じている。これに対して「空気的事実」を作ろうと「助け合う。温かい心、絆。恩がある」などあらゆる言葉を持ち出して不安に思う人を社会的にバッシングし、NHKが「被災地がいかに困っているか」を放送して「空気」を作っている。
しかし、すでに日本は近代国家であり、科学技術立国、法治国家である。データに基づいて安全なものは安全、危険なものは危険、違法なものは違法と区別し、安全なものを持ち出すのはなんら問題は無い。
日本人なら誰でも被災地を助けたいと思っている。でもだからといって法律に違反したり、ウソをついたり、我が子を危険にさらしたくないといっているだけだ。それをこの前、ある三重県の市長とテレビの解説者が「理由無き反対」と言っていた。まるで村八分、魔女狩りの世界である。
ところで、そこでそろそろデータが出てきたので、ここで評価をしたい。かなりの場所が出てきているが、岩手県陸前高田市の瓦礫を例にとる。瓦礫の中の繊維の放射線量が1キログラムあたり1480ベクレルと測定されている。
この瓦礫の搬出について、「日本人は法の下に平等」であるという原則に従い、昨年の夏に14歳の少年が放射性物質をわずかに含んだ蛍光塗料が塗ってあるキーホルダーを持っていたとして書類送検された時の法律(今でももちろん適応される)を使う。このブログでは、子供や許されないが大人や大臣は許されるという立場はとらない。
・・・・・・・・・
文科省による「クリアランスレベル(放射性物質を扱う設備や許可された専門家ではない素人(自治体)が取り扱える「放射能を気にしなくても良いレベル」)」は1年に10マイクロシーベルトの被曝にならないものであり、これに違反すると1年以下の懲役か100万円以下の罰金になる。
また文科省は、土壌のセシウムの濃度(1キロあたりのベクレル)とそこにいる人の被曝の関係を公表しており、その式は、logS(μ/h)=0.815logCs-3.16(文科省のデータのうちではやや線量が低めにでるもの(国側に有利な式))である。ここでSは1時間あたりのμシーベルト、Csは1キロあたりのベクレルである。
一般人が被曝してもよい限界は1年1ミリであり、「放射性物質」の定義は1キログラム1万ベクレル(セシウム)であり、その10分の1で通常の規制が行われる。
・・・・・・・・・
これで計算すると、陸前高田市の瓦礫の中の繊維は、1キロ上がり1480ベクレルなので、被曝量は2.32ミリシーベルト(1年)になり、クリアランスレベルの実に232倍、1年1ミリの限界も超える量である。
次に陸前高田市の瓦礫の平均汚染度は加重平均をすると、1キログラムあたり116ベクレルになる(不明な28%は平均と近い100ベクレルとした)。この値を文科省の式を使って計算すると1年0.29ミリシーベルトになり、もしこの瓦礫を搬出してどこかの市が受け入れたら、市長は逮捕され、懲役1年以下の有罪になる(14歳の少年と同じ厳密性で検察が動いたら)。
また、焼却すると20分の1ぐらいになるので、焼却灰は1キロ2314ベクレルとなり、これは1年に3.35ミリシーベルトに相当するので、クリアランスレベルの335倍である。従って、焼却を行った市の市長さんは逮捕され、懲役1年以下の判決を受けるだろう。
なお、この灰は環境省が勝手に決めた8000ベクレル(ほぼ法律違反)を下回るが、法律で定められたセシウムの限度1キロ1万ベクレルの10分の1に相当する1000ベクレルを超えているので、良心的な自治体ならさわらないだろう。
・・・・・・・・・
もともと日本には日本人を被曝から守るいろいろな法律があり、「クリアランス・レベル」とは原子炉などを解体したときに「放射能を気にせずに移動などができる基準」である。今回の瓦礫は「原子炉を解体した」という場合と同じ(爆発によって原子炉が解体されたのは明らかで、その破片が陸前高田市に散ったのだから、この規則で適切)である。
日本人の健康を守るという点では難しい法律論議は要らない。どの法律を使っても「日本人を守るために規制値を決めている」からである。なお、この計算は陸前高田市を計算したが、岩手県、宮城県に多くの瓦礫がクリアランスレベルを超えている。
科学的事実(数値が規制値を超えている)のに、空気的事実(安全だという空気があるので、規制値を超えていないと言う)が放送されている。
中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)
被災地から瓦礫を搬出することで、多くの人が不安を感じている。これに対して「空気的事実」を作ろうと「助け合う。温かい心、絆。恩がある」などあらゆる言葉を持ち出して不安に思う人を社会的にバッシングし、NHKが「被災地がいかに困っているか」を放送して「空気」を作っている。
しかし、すでに日本は近代国家であり、科学技術立国、法治国家である。データに基づいて安全なものは安全、危険なものは危険、違法なものは違法と区別し、安全なものを持ち出すのはなんら問題は無い。
日本人なら誰でも被災地を助けたいと思っている。でもだからといって法律に違反したり、ウソをついたり、我が子を危険にさらしたくないといっているだけだ。それをこの前、ある三重県の市長とテレビの解説者が「理由無き反対」と言っていた。まるで村八分、魔女狩りの世界である。
ところで、そこでそろそろデータが出てきたので、ここで評価をしたい。かなりの場所が出てきているが、岩手県陸前高田市の瓦礫を例にとる。瓦礫の中の繊維の放射線量が1キログラムあたり1480ベクレルと測定されている。
この瓦礫の搬出について、「日本人は法の下に平等」であるという原則に従い、昨年の夏に14歳の少年が放射性物質をわずかに含んだ蛍光塗料が塗ってあるキーホルダーを持っていたとして書類送検された時の法律(今でももちろん適応される)を使う。このブログでは、子供や許されないが大人や大臣は許されるという立場はとらない。
・・・・・・・・・
文科省による「クリアランスレベル(放射性物質を扱う設備や許可された専門家ではない素人(自治体)が取り扱える「放射能を気にしなくても良いレベル」)」は1年に10マイクロシーベルトの被曝にならないものであり、これに違反すると1年以下の懲役か100万円以下の罰金になる。
また文科省は、土壌のセシウムの濃度(1キロあたりのベクレル)とそこにいる人の被曝の関係を公表しており、その式は、logS(μ/h)=0.815logCs-3.16(文科省のデータのうちではやや線量が低めにでるもの(国側に有利な式))である。ここでSは1時間あたりのμシーベルト、Csは1キロあたりのベクレルである。
一般人が被曝してもよい限界は1年1ミリであり、「放射性物質」の定義は1キログラム1万ベクレル(セシウム)であり、その10分の1で通常の規制が行われる。
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これで計算すると、陸前高田市の瓦礫の中の繊維は、1キロ上がり1480ベクレルなので、被曝量は2.32ミリシーベルト(1年)になり、クリアランスレベルの実に232倍、1年1ミリの限界も超える量である。
次に陸前高田市の瓦礫の平均汚染度は加重平均をすると、1キログラムあたり116ベクレルになる(不明な28%は平均と近い100ベクレルとした)。この値を文科省の式を使って計算すると1年0.29ミリシーベルトになり、もしこの瓦礫を搬出してどこかの市が受け入れたら、市長は逮捕され、懲役1年以下の有罪になる(14歳の少年と同じ厳密性で検察が動いたら)。
また、焼却すると20分の1ぐらいになるので、焼却灰は1キロ2314ベクレルとなり、これは1年に3.35ミリシーベルトに相当するので、クリアランスレベルの335倍である。従って、焼却を行った市の市長さんは逮捕され、懲役1年以下の判決を受けるだろう。
なお、この灰は環境省が勝手に決めた8000ベクレル(ほぼ法律違反)を下回るが、法律で定められたセシウムの限度1キロ1万ベクレルの10分の1に相当する1000ベクレルを超えているので、良心的な自治体ならさわらないだろう。
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もともと日本には日本人を被曝から守るいろいろな法律があり、「クリアランス・レベル」とは原子炉などを解体したときに「放射能を気にせずに移動などができる基準」である。今回の瓦礫は「原子炉を解体した」という場合と同じ(爆発によって原子炉が解体されたのは明らかで、その破片が陸前高田市に散ったのだから、この規則で適切)である。
日本人の健康を守るという点では難しい法律論議は要らない。どの法律を使っても「日本人を守るために規制値を決めている」からである。なお、この計算は陸前高田市を計算したが、岩手県、宮城県に多くの瓦礫がクリアランスレベルを超えている。
科学的事実(数値が規制値を超えている)のに、空気的事実(安全だという空気があるので、規制値を超えていないと言う)が放送されている。
中部大学武田邦彦
(平成24年3月26日)