認知療法の流れ | Cleared For Takeoff

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私は、本当に好きな物事しか続けられないと確信している。何が好きなのかを探しなさい。あなたの仕事にも、恋人にも。(スティーブ・ジョブズ)

「はじめての認知療法」P.49より:


 まず、患者さんの性格や気質、生い立ち、発症のきっかけや症状の継続に影響している問題について詳しく尋ねて、患者さんの考え方の特徴(スキーマ)を明らかにします。そして、どのような考え方が問題になっているか、それに対して認知療法はもちろんのこと、薬物療法や環境調整をどのように治療に取り込むかを判断します。これを「症例の概念化」と呼びますが、その情報は患者さんにも説明して、理解を共有します。


 続いて、治療者は、患者さんの問題を一緒に整理しながら、日常の生活の中で楽しいことややりがいのあることを増やしていく「行動活性化」、具体的な問題を解決するスキルを伸ばしていく「問題解決技法」、自分の気持ちや考えを適切な形で相手に伝える「アサーション(主張訓練)」など、様々な行動的技法を用いて考え方のバランスをとり、うつや不安などを和らげていく過程を手助けします。

 それと並行して、患者さんの気持ちが大きく動揺したりつらくなったりしたときに、どのようなことを考え(自動思考)、それが気分や行動にどのように影響しているかを現実にそいながら検討していきます。これが「認知的再構成法(コラム法)」と呼ばれる方法で、そうすることで、自動思考の内容と現実との「ズレ」に気づくことができ、柔軟でバランスの良い考え方ができるようになって、気持ちが楽になります。

 そのほかに認知療法では、最後に、患者さんのこころのクセ(スキーマ)を理解して患者と共有し、必要であればそのスキーマを修正し、治療が終結することになります。