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科学のために科学を科学的に笑うべし

論理はわが友 されど笑いはさらなる友

最初におことわり:
ゴーギャンの名作
「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」
とは全く関係ありません。


さて、
地球は自転しています。
地球は公転もしています。
公転の中心たる太陽も、実は銀河系の中心の周りを回るような運動をしています。
さらに、銀河系も固有の運動をしています。
つまりありとあらゆる瞬間、地球上の我々は、漆黒の宇宙の中を移動しています。
しかも、かなりの高速で。

地球の自転:
常に、いまいる私から見て東の方向。
日本ぐらいの緯度、例えば北緯38度の仙台あたりだと、秒速約365m

地球の公転:
これを書いている4月上旬だと、だいたいいて座の方向です。秒速約30km

太陽の銀河中心に対する周回(*):

(*太陽を含めた近隣の恒星群の銀河中心に対する周回=銀河太陽向点への移動)
こと座のベガのあたりの方向。秒速約220km

銀河系の固有運動:
うみへび座の方向。推測で数百km/s。

当然ながら、宇宙のさらなる大規模構造を考慮することもできるでしょう。


さて上に挙げた4種類の運動の速度の差にも着目してください。

 銀河系の運動>太陽の運動>地球公転>地球自転

ですね。
宇宙の中でのわれわれの移動の概略をつかもうとするなら、
地球の自転や公転はあまり関係なくて、
銀河やさらに大規模なレベルの運動が主に寄与することになりましょう。



タイムマシンが出てくるSFでは
「よし5分前の同じ場所に戻って大統領の暗殺を阻止するぞ!」
なんてことを言っていますよね。
でも5分前のその同じ場所は、
多分周囲が真空で何もなく、遠くに星がきらめくのみの、
漆黒の宇宙のまっただ
ですよ。
いや、運が良ければそばに地球が見えるかな…

あるいは、
「20年後の『未来の俺を見に行こう。」
と思っている人、
一緒に宇宙船も携行しないと、
着いた場所から『未来の俺』の住む地球までたどりつくのは大変ですよ。
その宇宙船も十分に高速じゃないと。
20年間で銀河が移動してしまった距離を空間的な追尾で取り戻す間、
果たして俺は生きていられるのかしら。

まあ、4次元空間の中を移動するタイムマシンは、
縮退した3次元空間の中も自由に移動できるという設定なんでしょう。