必死になる瞬間 | 科学のために科学を科学的に笑うべし

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論理はわが友 されど笑いはさらなる友

何かを必死にやっている時というのはどういう感覚なんだろうか?
今まで一番必死になったのは何の時だったろうか?



必死の状況としてわかりやすいひとつの例は、
救命救急の現場ではないでしょうか。
救助する側にしても、される側にしても。

私自身は、まだ幼児の頃に海でおぼれて救助されたことがあります。
気がついた時は砂浜で寝ていたという記憶はあるのですが、
それまでの間のことはよくわかりません。


オーストラリアには、Bondi海岸という美しいけれども波の荒いビーチがあるのですが、
ここでは年間5000人もの人がライフガードに救助されているそうです。
5000に入ることができなかった不幸な結末例も多数あるはずです。
ここで起きるさまざまなライフガードにまつわる出来事をドキュメンタリー化した
「Bondi Rescue」
というTV番組はオーストラリアで人気で、シリーズ化されて続いています。

当該番組のエピソードの中から生々しい映像をひとつ挙げておきます。
溺れて意識がなく脈も呼吸もしてない男性を、
心臓マッサージ(CPR)と人工呼吸とdefib(AED)で蘇生させる過程です。
注意:日本の番組と違ってモザイク等による処理などされていないので、
こうした場面を見慣れていない人にはお勧めしません。

http://youtu.be/_8tZT2Jx8H0
Ryan Kim Rescue | Bondi Rescue S6

2:48 AED使うにも乾燥した所に揚げなければならない。
3:00 ナレーション:脈なし。"clinically dead"
3:03 CPR再開
3:35 空気を通すエアウェイ挿入で気道確保、バックバルブマスクで人工呼吸。
3:39 監視所からAEDを届けたい。しかしレスキューが残り一人しかいない。
監視所を無人にするリスクは取れず、通りがかりの男にAEDを託して走らせる。
5:05頃 電気ショック。脈確認。
6:25 案の定別なトラブル発生で監視所は対応に追われ続ける。
7:55 事故状況がわからないので外傷がある可能性がある。脊椎や頚椎を固定。
8:05 海水が肺に入ったので、まだ心停止、呼吸困難、感染などの危険性がある。

lethalを「ライサル」、takenを「タイクン」とか発音するオーストラリア英語を
お楽しみいただけましたか?

コメント欄も面白いです。年間数千件の事件を扱っているライフガードが、
その時その場所でどれだけ必死に働いても、
後から傍から動画を観ると議論があるんだなあ。

TV番組では、生死の境界から生の側に戻ってきた例は時々扱われるけど、
死の側に至った例というのは直截的な映像で扱われることがなかなかないようです。
海外の番組でも同様の気がします。