ザッポスといえば、
徹底した顧客優先と、社員の幸福をどこまでも追求することで
有名な企業です。
その企業哲学はあまりに極まった形のため、
あのアマゾンでさえ真似しようとして敗北し、
結局は丸ごとザッポスを買収してしまいました。
以下の写真・動画を見ると、社内の様子が伺えます。
サムネイルだけ、しかも中盤以降を2~3分流し見すれば十分です。
https://plus.google.com/photos/103790075377726111405/albums/6028244834685397889?authkey=CJPFz7ip-OPT3QE
私は見ていて、とある感想が湧いてきました。
つまり
「隅から隅まで徹底しているな」
という感想です。
ザッポスの企業哲学については既に様々な分析がされています。
しかし私がここで考えてみたいのは、その哲学や方針が何であれ、
その何かが徹底しているという事柄です。
この場合の徹底というのは、あるポイントを深く掘り下げて行く感じではなく、
むしろ空間を隙間無く埋め尽くす感じです。
ザッポスでは、机の上から、壁から階段から、人から機械から、
社内の隅から隅まで隙がなく、空いているところがないのです。
社員の一人でもが社の哲学と矛盾することがないようにしています。
ザッポスとアップルが似ているとは思いませんが、
アップルも、この広さ方向への徹底を感じる会社だと思います。
社員一人ひとりまで、
あるいはどの製品をとっても、アップル特有の風味があります。
アップルの場合、それを支えていたのは企業哲学もあるけれども、
ジョブズのカリズマ性も大きかったかもしれないと思いますが。
思えば、かつて製造業の部品調達のパラダイムを変えたトヨタのカンバン方式も、
同様な意味での徹底(深さ次元でなく広さ次元での埋め尽くし)をしていました。
部品供給チェーンの一ヶ所でもがかんばん方式に則らないと、
そこがボトルネックになって効率は上がらないので、
必然的に流れの源流から最下流(最終製品)までのあらゆる点で
かんばん方式に則らざるをえないのです。
工場の特定の部署だけカンバン方式を導入しても、特に面白くはありませんよね。
一気に全社的に(広さ次元で隙間無く)このパラダイムで動くから意味があるのです。
商品の価格決定権をメーカー・商社から販売店・消費者側に移す大転換を
成し遂げたのは、かつてのダイエーでした。
もちろん、元々価格決定権を持っていた側からの激烈な反発や、
時に物理的な実力行使にまで至ってしまうような戦いがありました。
パナソニックとの軋轢が特に有名ですが、
それ以外にも、小売価格に介入しようとするメーカー、
流通経路を絞って抑えこもうとするメーカー問屋は非常に多かったのです。
ダイエーと関係する諸方面に間接的に圧力をかけて取引をやめさせようとする勢力に
付け入られないよう、ダイエーは情報戦も徹底的に行ないました。
ここでの徹底的というのは、深くというよりも、
やはりあらゆる方面とという広さ次元のことが要でありました。
一ヶ所でも裏切りなり水漏れがあれば、
無勢なダイエーサイドは脆くも崩れてしまったのではないかと想像しています。
(歴史にifはありませんが)
かつて販売のパラダイムを変えた商売形態といえば、「コンビニ」も挙げられるでしょう。
コンビニについても、こうした広さ次元の徹底が何かあったっけかな?
これについては今は何も思いつきません。
徹底が成功の必要条件ではないとは思います。
しかし、(広さ次元での)徹底というのは、
ザッポスにせよ、Appleにせよ、かつてのダイエーにせよ、
何か人を巻き込む魅力があるかもしれません。
え?
トヨタ(カンバン方式)だって、人を巻き込む魅力ありますよ(汗)