後から約束を変える:対戦数を増やす効果 | 科学のために科学を科学的に笑うべし

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後から約束を変える で言及した話に関連したことを。

じゃんけんで負けた子が3回勝負への延長を言い出すと、勝った方の子が、
「じゃあ5回勝負ね」
などと応答してしまうことがあります。

折角勝った所なのに、相手の申し込みに何かしら理不尽なものを感じて、
対抗したくなるのでしょうか。
でもこれは自分で自分の首を絞めています。

君はもう今1勝を確定させた状態なんだよ。
これから勝負の数を増やすとしたって、3回勝負なら、
最初の1回の結果が全体に及ぼす効果はざっくり言って1/3だけはあるよね。
でも5回勝負にしたら、最初の1回の効果は全体では1/5に薄まっちゃうよ。

具体的な確率で話しましょう。
今、勝負を1回済ませて君が1勝したところだとします。
3回勝負に増やすなら、ここから負けに転じる確率は1/4だけです。
5回勝負とすると負けに転じる確率は5/16に増えて(*注)、
3回勝負の時より負けに転じる確率が増えてしまいます。

そして10001回だと確率がどうなるか考えてみてください。
勝負数が増えるごとに負けに転じる確率は増えていって、極限では1/2に近づきます。
こうなると、最初の1勝の意味はほとんど関係なく、全体の勝負の行方はわからなくなります。
つまり勝負がリセットされてここから新しく勝負を始めるのと同じことです。


(*注)
残り4回中3回以上負けると全体として負けに転じますから、その確率は
残り4回中4回負ける確率 + 4回中3回負ける確率
= (1/2)4 * 4C4 * (1/2)0 * 4C0 + (1/2)3 * 4C3 * (1/2)1 * 4C1
= 1/16 + 4/16
= 5/16