続・ここはひとつ、高齢出産で!〜子育てモノ語り〜 -2ページ目

続・ここはひとつ、高齢出産で!〜子育てモノ語り〜

40代で初出産のワーキングマザーの子育て。忙しくても、高齢でも、楽しく育児できるように助けてくれるモノ、コトの紹介。

小木人形という良心的な店と出会ったことで、家に迎えることができたプーさんの雛人形は、清水久遊
という女流作家の人形だった。

この作家のお人形を置いているお店をあまり見かけないのだが、有職(ゆうそく)雛というスタイルで一流の人らしい。有職というのは古くからの宮中の儀式やルールなどを指し、つまり有職に則った様式でお人形を作ること。簡単に言えば着物の裂地、柄、文様、着せ方、小物などが宮中のルールに忠実で、リアルであるということだ。(有職の装束については綺陽会 と風俗博物館 のサイトが詳しい)

プーさんの人形の着物は以下のような仕立てだ。
衣装の裂地:正絹
織り方:唐織(古来伝統の織り方)
殿の着物の柄:雲立涌(官位の高い公家しか着られない文様)
姫の着物:唐衣:茜色 小花立涌
姫の表着:松叉木紋
姫の重ね:華菱紋
着物の色襲:紅梅




そして、この作家の秀逸なところは、着せ方がとてもエレガントなのだ。美しく波打ちながら後ろに流れる裾、正面から見てきれいな二等辺三角形のフォルム、着物の襲(かさね)の色遣いの美しさなどなど。他の人形と比較 するとよくわかる。

この作家の人形はお姫様も袴をちゃんと穿いていて(普通は一枚布を三角形に折っただけ)、座った時に膝頭が自然に前に出ている。だから見ていて安定感があり、作り物には感じられないリアルな存在感がある。



あと、嬉しい心遣いで、姫様は腰に縁結び・安産の神様で有名な神社のお守りをつけている。人形の持ち主の女の子が幸せな結婚をできますようにという祈りだ。


まだ数年はプーさんにはこの人形の良さはわからないだろうが、いつかモノがわかる歳になったら有職故実や古典の物語なども交えて、教えてあげたい。
しばらくは親王飾りだけだが、プーさんが大きくなって私たちももう少し広い家に住むようになったら、三人官女とか5人囃子とかも揃えていきたいと思っている。

せっかくじーじが買ってくれたプーさんの雛人形、1日でも長く飾りたいと思い節分の前日からフライングして飾ってある。しかし家にはプーさんのいたずらの手から逃れられる適当な大きさの台がないので、とりあえず茶箪笥の上に飾った。しかし底面が狭いので、屏風やぼんぼりなどのお道具はなし。ちょっとさみしい・・・早く何か台を買わなきゃ。

埼玉県岩槻市の小木人形
で買ったこの人形、見れば見るほどいい雰囲気だ。初めは雛人形には全く興味をもっていなかった夫でさえ、この人形に決めるときには「他のとは違う圧倒的な存在感だ」と惚れ込んでいたほど。
もちろん、小木人形で売っている人形は、どれも質が高いのだが、中でも目をひいたのがこのお人形だったのだ。


人形を選ぶ前にレクチャーしてもらった、「人形の善し悪し」のポイントは、おおまかにいうと次のようなものだ。

1)着物は本着せか:つまり1枚1枚人が着物を着るように、着せ込んでいるかどうか。工程を省いてあるものは、表に出る部分だけ様々な色の布を重ねて貼ってあるだけ。チェックポイントとしては袖を通して向こう側が見えるかどうか。小木人形で売ってある物は全てこのタイプだ。
2)お殿様がちゃんと袴を穿いて、さらに袴吊りのような布があるかどうか。お人形を選ぶときにひっくり返してみたりはなかなかしないが、そういう見えないところでちゃんと仕事をしているかどうかは重要。


3)お殿様が足袋(しとうず)を穿いているか。仕事が細かい証拠。ただし、穿いていればいいというものでもなく、穿いていないとダメというものでもない。オプションでのチェックポイントという感じ。
4)小物の作りが精巧:たとえばお姫様の扇子はちゃんと開閉できるか、和紙で作ってあるか、絵は手書きか。お殿様の刀は鍔が装飾的な儀式用のものか、冠は皇族の人用(長くピンと立っている)か、杓は木製で皇族用か。魚袋(宮中の通行証)と石帯はつけているか。



もちろん、上記4つだけ押さえても布地や顔が手抜きでは意味がないが、こういう細かい点をキチンとしていて、目立つ着物の布や顔に手抜きってことも、まぁないだろう。

小木人形のお人形はこれらのチェックポイントはすべてクリアしている時点で、他の人形店にあった人形でいうと20~30万円以上していたクオリティなのだが、それを10~20万円台で提供している。質のいい物を良心価格なのだが、なぜかというと、私は思うに、小木人形の社長さん自身が人形職人だからなんだろう。小木龍飛という3代目の雛人形の頭師なのだ。顔を小木さんが作り、胴体や小物は別の職人で、自らの工房で組み立てをしているようだ。こうして作られたブランドが「ひゐな」で、とても質が高い。
人形職人の店に手抜き人形は置かないというのは、職人の矜恃というものかもしれない。

それで、1度はこの「ひゐな」ブランドのお人形で内々定していたのだが、奥にあるいわゆる「作家モノ」という人形も一応見てみようと思ったら、そこで出会ってしまったのが、清水久遊作のお人形なのだ。それについては別記事で。

プーさんの初節句のために、じーじが素晴らしいお人形を買ってくれたが、それとは別にやはり私からプーさんに贈りたいと思ったのが、吊し雛だ。

静岡の稲取温泉発祥で、ここ数年ブームになっている飾りだ。
女の子が生まれると、家族の女性たちがそれぞれ小さな縫いぐるみを作り、それを紐に吊して飾り、赤ちゃんの健やかな成長と幸せを祈る風習だとのこと。縫いぐるみ一つ一つに謂われがあり、母からのメッセージを載せる素敵な飾りだと感じていた。

最近のブームもあって小物屋さんや雛人形店にも売っているのだが、これまで今ひとつ決まらなかった。というのも、ある程度華やかで迫力あるサイズのものは、高い。安めのものでも3万円。縫いぐるみの数が多い豪華なものだと10万円以上する。
そのうえ、産地が外国だったり、布がちりめんでなく、縫いぐるみの謂われとは関係なく、単に可愛さやビジュアルだけで(ガラス製だったり)作られているものもある。
うーーん。日本の女子の祝い事に、日本の伝統を無視した飾りはどんなものか??と感じ、今までなかなか買えなかった。
それに、できれば伝統に則って、手作りしたい。が、縫いぐるみを1から作っている暇も器用さも、私にはない。

ということで、またネットをさまよっていたら、いいのがあった!
縫いぐるみ一つ一つばら売りしているお店
だ。紐に縫いつければオリジナルの吊し雛が完成だ。
買ったお店は、(実は食品店なのだが)伝統を無視した外国産吊し雛が売られているのを憂いて、本当の吊し雛を守ろうと本場稲取温泉の人々が立ち上げた保存会 (?)のようなところの会員だ。

全国的にも有名になった『雛のつるし飾り』『伊豆稲取の伝統品』つるし雛『25個輪飾り』


全国的にも有名になった『雛のつるし飾り』『伊豆稲取の伝統』つるし雛『うさぎ』



で、さっそく謂われのあるパーツ全て1個ずつ購入。
すると、「偶数個だったので1つサービスします」とのこと。聞くと、1本の紐に奇数個吊すのがお約束なのだという。
さすが保存会。正しい形を伝えたいという意気込みがある。

ということで、今は毎晩プーさんを寝かしつけた後に1こ2ことぼちぼちと紐に縫いつける作業をしている。
2月中旬くらいにできあがるといいな。
雛人形の横に吊して部屋を華やかにしたい。

そして自分で一から手作りする時間がもてるようになったら、来年に向けてこっちのキットで作ってみよっと。

いいねぇ、日本の伝統