タコピーの原罪はジャンルはTVアニメとしましたが、実は動画配信サイトのみのWEBアニメです。その理由は、原作を壊すことなく届ける為にテレビ向けに妥協をしたくなかったというプロデューサー自らの判断が理由です。
原作 タコピーの原罪
英題 Takopi's Original Sin
作者 タイザン5
掲載 少年ジャンプ+ 全2巻(145万部)
アニメ制作会社 ENISHIYA(エニシヤ)
監督 飯野慎也
話数 全6話
声優 間宮くるみ、上田麗奈、小原好美 他
IMDb アニメ史上初の全話9点以上
おすすめ度★★★★☆ 見るのはきつい作品ですが子育て世代は必見。
お子様 ちょっと厳しい・・・大人になってから。
これは全6話とはいえ、かなりしんどい作品で、心がすり減ります。近い作品なら内容は全く違いますが、「火垂るの墓」を見るようなヘビーさです。ここで描かれるのは、離婚など親の理由で家庭が崩壊している子どもに対するイジメやネグレクトなどが描かれています。作品はドラえもんならぬ、宇宙からの使者タコピーがいじめなどの問題に挑むような感じですが、タコピーはドラえもんのような地球の常識は持ち合わせていません。ただただ純粋な宇宙人がどのようにしてこの問題に立ち向かって行くのでしょうか? 途中でもしかしてホラー作品なの?と思えるような描写も度々あります。
日本独特の社会的な家庭問題をとりあげていますので海外のアニメファンには受け入れてもらえないと思いましたが、意外にも海外のファンは高評価をつけています。海外のリアクションなどを見ると、日本人以上にしっかりした感想を持っていることに驚きます。印象的だったコメントは「この作品を見るのは辛い、だけど、親として子供たちに同じ思いだけはさせたくない、だから最後まで見届ける義務がある」というものでした。
<ストーリー>
2016年、地球にハッピーを広めるため来訪したハッピー星人タコピーは、空腹で動けなくなっていたところを小学4年生の少女久世しずかに救われる。タコピーはお礼にハッピー星の様々な「ハッピー道具」でしずかを笑顔にしようとするが、しずかは相手にしない。しずかの心の支えは愛犬のチャッピーだったが、タコピーと出会って6日目、チャッピーは姿を消し、翌日しずかはタコピーから借りたハッピー道具「仲直りリボン」を借りる。
ano「ハッピーラッキーチャッピー 」
ハッピーラッキーチャッピー歌詞 ←をクリックで飛びます。
Tele | 硝子の線 - Music Video
硝子の線歌詞 ←これをクリックで飛びます。
『捜しもの』タコピーの原罪 第6話 挿入歌 / Takopi's Original Sin - EP.6 insert song
探し物歌詞 ←これをクリックで飛びます。
ここからはネタバレになります。
・
・
・
・
・
・
・
・
結局タイトルの原罪の意味は?
答え:無知と善意が生み出した悲劇です。
タコピーの行動は常に善意から出発しています。しずかを笑顔にしたい、まりなを助けたい。その純粋な思いに嘘はありません。しかし、地球人の複雑な感情や家庭環境、そして少女たちが抱える心の闇を理解しないまま、安易に「ハッピー道具」を与えて無理やり関係を修復しよとしたり、「変身カメラ」で姿を変えたりと、その場しのぎの解決策ばかりです。そして彼は自分の道具が引き起こした悲劇から目をそらしました。タコピーが、まりなを殺した後も時間を巻き戻して何も悪いことがなかった世界を作り出します。生命や人間の感情を無視して安易に運命を書き換えようとしました。しかしそれでは何も解決されないのです。その無知の上の善意は、タコピーが生まれながらに持っている罪といっても良いでしょう。
※原罪とはキリスト教などの考え方で生まれながらに罪を背負っているという考え方です。
原罪からの救済
物語の最終回で、タコピーは初めて自分の罪に向きあいます。そして出した答えは道具よりも、その人に寄り添うでした。タコピーはただひたすらにしずかの話を聞きます。タコピーはハッピーカメラに自分の生命力を最後に与え時を巻き戻します。しずか達は何があったのか忘れてしまいますが、いつも耳元で誰かが寄り添ってくれていた記憶がなんとなく残ります。ノートに書かれていたタコピーの絵を見たことがきっかけで、しずかとまりなの悪い関係が解消されていきます。実は同じような家庭環境を境遇した親友へと変わって行く様子が描かれてハッピーエンドとなります。タコピーの最後は人々の罪を背負って十字架で亡くなったあの人に似ていますね。
海外のニキ達の感想
◯この話って、「全部自分でどうにかできるわけじゃない」ってメッセージがすごく伝わってくるよね。 でも、ちゃんと話し合ったり、誰かと繋がったり、そばにいてくれる人がいるだけで、状況は良くなるんだと思う。 本当に、辛い状況でも希望を持つことの大切さが強調されてると思う。 まさか誰かがそばにいるだけで、こんなに人生変わるとは思わなかったわ。 全部の問題を解決してくれる必要なんてないし、そもそもできないことの方が多い。 でも一緒にいる時間だけは、ちゃんと幸せにしてくれる。 この物語の教訓は苦しんでる人に必要なのは奇跡でも魔法でもなく、ただそばにいてくれる誰かってことなんだろうな。
◯道具によって、結局全部がどんどん悪化していった。 唯一、何かが本当に良くなったのは、タコピーがしずか(ていうかみんな)の問題をちゃんと認めて、「どうしたらいいか分からない」って素直に言って、それでもそばにいてあげた時だけだった。 ほろ苦いエンディングだけど、この作品にはそれが一番しっくりくるし、絶対みんな毒親を乗り越えていけるって信じてる。 このエンディング、完璧じゃないけどめっちゃ満足してる。 俺はこの終わり方すごく好きだわ。 この物語には完璧なエンディングだったと思う。 これしかなかったっピ! 本当に良い作品だったし、「親のダメさが子供に与える影響」ってテーマもめっちゃ刺さった。 それと同時に子供には毒親を乗り越える強さがある希望もくれた。
◯今回のエピソードはマジでやばかった。 見終わった後に、涙があとからあとから流れてきたんだけど、これは一体何なんだよ。 こんな経験初めてだ。 まだ余韻で頭回ってないけど、しずかの崩壊シーンは見てて本当に辛かった。 あれはもう、ひとりぼっちにされた女の子のむき出しの感情だった。 タコピーが「どうしたらいいか分からない」って告白して、でもしずかのそばにいることを選んだシーン、あれは本当に心に刺さった。 しずかの目に一瞬で光が戻って、涙が一気に溢れ出すとこ、あれはやばい。 やっと自分の現実を直視して、どんだけ人生めちゃくちゃだったか、何をしてきたか全部分かって、でももう後戻りできないって気付くんだよね。
◯まりなとしずかはまだ結構ひどい人生送ってるっぽいけど、お互いの痛みを分かり合える相手がいるのは救いだよね。 大学とか大人になったら、絶対に人生立て直して、あのどうしようもない親たちの支配から解放されるって信じてる。 今はお互いがいるから、きっともっといい大人になれるし、今も未来も幸せを見つけられるはず。 過去の後悔にずっと囚われるんじゃなくて、前を向いて一緒により良い未来を目指すことで、まりなとしずかはこの悪循環を断ち切れるんだろうな。 ほんと頼むから、2人にはちゃんとした家庭を築いてほしいし、もうこの不幸の連鎖は繰り返さないでほしい!。 私もね、虐待されて育ったんだ。まりなが虐待されて育ったから良い母親になれないかもしれないって思ってるかもしれないけど、そんな事ない。 私もできたから、きっとできるよ。コツはね。子育てと同時に私の中の恵まれなかった小さな私の事も一緒に育ててあげることだよ。 子供が立った時、私の中の小さな私も立った日なの。 子供が泣いているから話を聞いて慰めた時、私の中の小さな私も慰められているの。 そうやって月日が過ぎていくと、私もすごく満たされて成長していることに気付いたんだ。
◯2025年を生きるみんなへ。 つらい人生を送ってるみんなへ。 親に虐待されたり、親同士が喧嘩したり。 周りから敵視されたり、仲間外れにされたりしても。 タコピーがいつも君を見守ってるっピよ! 大丈夫だっピ! ありがとうピ!。 バイバイっピ! タコピー! どうかお空で安らかに眠ってだっピ! タコピー。 あなたをダメなタコだと言ったことを訂正します。 タコピーは本当に立派なハッピー星人でしたよ。 きっとお母さんはあなたを誇りに思うでしょう。