TVアニメメダリストは2025年1月よりテレビ朝日系で放送が開始された漫画を原作としたアニメ。
原作:月刊アフタヌーン(既刊12巻2025年2月現在)
作者:つるまいかだ
ジャンル:フィギュアスケート
監督:山本靖貴
振り付け:鈴木明子
アニメ会社:ENGI
※第5話まで視聴しています。
<ストーリー>
全日本選手権に出場経験を持つ明浦路司は、アイスショーの試験に落ち続け就職先が決まらないでいた。そんな折かつてのアイスダンスのパートナー・高峰瞳から自身が主催するスケートクラブのコーチを打診される。全日本出場を瞳の手柄だと卑屈になり乗り気でなかった司だが、そこで母に連れられた結束いのりと出会う。
母親がフィギュアスケートを諦めさせるための口実として連れられてきたいのりだったが、司は彼女が内に秘める執念と情熱を目の当たりにし、彼の後押しで母の反対を押し切る形でスケートを始める。やがて司の指導のもと、いのりは次第にその才能を開花させていく。
◆おもしろエピソード
言えば叶うなら私もいつかアニメ化するようなフィギュアスケート漫画を書いて春瀬なつみさんに主役をやってもらいたい!!!!!!!!ーーー!
これは、つるまいかだ先生の2018年のツイッターでのつぶやきです。念願かなってイチオシ声優、春瀬なつみさんが主役になりました。
いのりと春瀬なつみさん、似ていますね!
◆現役アスリートが参加し、プロスケーターが解説する。
今までスポ根といえば、リアルでは実現できないような大技が多く現実とかけ離れている部分も多かったですが、アニメ内でのスケートシーンは現役アスリートのモーションキャプチャーなので、リアルです。そして何より、今はyoutubeの時代ですから、現役のプロのスケート選手などが素人ではわかりにくい演技などの細かい解説やその魅力を動画で発信しています。すごい時代ですね。
プロによる解説とリアクション
◆アニメが子どもに与える影響
日本では、フィギュアスケートは羽生結弦選手や浅田真央選手をはじめ、多くの優れた選手を輩出しており、「お家芸」と言っても過言ではありません。そして、アニメが少年少女に与える影響は計り知れないものがあります。
私自身、小学生の頃に『アタックNo.1』を観てバレーボールに憧れ、実際に部活をした経験があります。このように、アニメがスポーツを始めるきっかけになることは多く、今回のフィギュアスケートを描いたアニメを観て、未来のスケーターを目指す子どもたちが現れるかもしれません。
しかし、フィギュアスケートはバレーボールやバスケットボール、サッカー、野球などとは異なり、非常に特殊な競技です。なぜならば、始めるタイミングや継続するための環境に、高いハードルがあるからです。
◆ハードルが高い競技
フィギュアスケートが他のスポーツに比べて特に難しい理由は、大きく分けて2つあります。
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適齢期が非常に早い このアニメを観ればわかりますが、フィギュアスケートは3歳から6歳までに始めないと、一流の選手になるのは難しいとされています。
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経済的負担が大きい フィギュアスケートはとてもお金がかかるスポーツであり、レッスン料や衣装代、スケートシューズのメンテナンス費、遠征費などが高額になります。
◆二人の致命的ともいえるハンデ
そして、見どころはその2つのハンデを乗り越えメダリストを目指す、主人公といのりとコーチの司の物語でもあります。いのりはメダリストを目指すには遅すぎると言われる年齢で競技を始めます。コーチの司も14歳から始めるのですがそれは致命的な年齢です。また、貧乏がゆえにコーチもつかず独学で目指します。一旦は夢を諦め、紆余曲折がありながらも努力の甲斐がありアイスダンス部門で日本選手権4位にまで上り詰めました。
◆金メダリスト夜鷹純に下剋上
第5話で、いのりは、狼嵙 光のコーチは金メダリストである夜鷹純だった秘密を知ります。司は彼の演技を見てフィギュアスケートを始める切っ掛けになったほどの人物です。
いのりは、その金メダリストから「君は知らなすぎるこの世界のことを 君が一生かけようとひかるには勝てない。」と言われますが、ここで司がその発言の撤回を求め、夜鷹純への下剋上を宣言します。果たして、司といのりの二人は、天才コンビに勝てるのでしょうか?今後の展開が楽しみですね。
オープニングテーマ曲 米津玄師 BOW AND ARROW
羽生結弦さんとのコラボ!リアル夜鷹純降臨。
米津さんは原作のファンなのでアニメ化の情報を知り、「できることなら曲を作らせてほしい」と願い出て作られたタイアップ作品。コーチである司を弓、選手であるいのりを矢に例えています。
BOW AND ARROW
作詞・作曲:米津玄師
気づけば靴は汚れ 錆びついた諸刃を伝う雨
憧れはそのままで 夢から目醒めた先には夢
聞こえたその泣き声 消えいる手前の咽ぶソワレ
憧れのその先へ 蹲る君を見つける為
行け 行け 追いつけない速度で 飛べ インパルス加速して
行け きっとこの時を感じる為に生まれてきたんだ
未来を掴んで 期待値を超えて 額に吹き刺す風
今に見なよ きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう
相応しい声で 視線追い越して 虚空を超えて行け
見違えていく君の指から今 手を放す
気づけば謎は解かれ 木目ごと見慣れた板の上
あの頃焦がれたような大人になれたかな
そう君の苦悩は君が自分で選んだ痛みだ
そして掴んだあの煌めきも全て君のものだ
僕は弓になって 君の白んだ掌をとって強く引いた
今君は決して風に流れない矢になって
行け 決して振り向かないで もう届かない場所へ
行け 行け 君はいつだって輝いていた!
未来を掴んで 期待値を超えて 額に吹き刺す風
今に見なよ きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう
相応しい声で 視線追い越して 虚空を超えて行け
見違えていく君の指から今 手を放す