Netflix ONE PIECE シーズン1 | 半兵衛のブログ

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『ONE PIECE(ワンピース)』は、Netflixによって制作され、2023年8月31日より配信された実写ドラマ。

 

原  作 : ONE PIECE 尾田栄一郎

製作総指揮 : 尾田栄一郎他

制  作 : トゥモロー・スタジオ 集英社

制作費 : 一話あたり1800万ドル(約26億円)

出演者 : イニャキ・ゴドイ 新田真剣佑 エミリー・ラッド他

話  数 : 8話

 

おすすめ度 : ★★★★★ 92点 ハリウッドが漫画の実写化に初めて大成功!

お子様おすすめ度 : ★★★★★星5つ!100点 お子さんに是非見てもらいたい。

ロッテントマト指数 評論家81% オーディエンス94% (9月8日)

<ストーリー>

かつてこの世の全てを手に入れた男、〝海賊王〟ゴールド・ロジャー。彼が遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」をめぐり、幾多の海賊達が覇権を賭けて争う「大海賊時代」が到来した。
東の海(イーストブルー)」のフーシャ村に住む少年モンキー・D・ルフィは、村に滞在していた海賊〝赤髪のシャンクス〟と親しくなり、海賊への憧れを募らせる。ある日ルフィは「ゴムゴムの実」という悪魔の実を食べ、一生泳げない体になる代わりに、全身が伸び縮みするゴム人間となった。それからしばらくして、ルフィはシャンクスを貶める山賊たちから怒りを買い、海に投げ込まれてしまう。溺れかけ、巨大魚に食われそうになったルフィを、シャンクスは片腕を犠牲にして助け出した。ルフィは、村を去る間際のシャンクスからトレードマークの麦わら帽子を託され、将来立派な海賊になって再会することを約束する。 <漫画版のウィキペディアより>

 

そもそもワンピースとは

 

集英社の「週刊少年ジャンプ」より掲載され1997年7月より26年続く、尾田栄一郎さんによる漫画。

2023年8月現在単行本106巻され、国内累計発行部数は4億1000万部。「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」でギネス世界記録認定。 海外での翻訳版も1億部突破という、名実ともに日本を代表する漫画。

 

 

漫画と相性の悪いハリウッド

 

ハリウッド映画と日本の漫画は相性が悪いです。まず、登場人物が日本人からアメリカ人に変わります。生活習慣も日本とアメリカでは全く異なるため、この段階で作品が大きく変わってしまいます。次に、漫画では日本独特のオノマトペ(語音や音を表現する言葉)が多く使われますが、オノマトペがほぼ無いアメリカでは、原作の雰囲気が再現しにくくなります。何よりも、原作に対するリスペクトが不足しており、自信満々の監督が多いことが問題です。さらに、人種平等化の波により、元々白人キャラクターが黒人に変更されることもあります(例:バイオハザードのウィスカー)。

 

特に失敗例として挙げられるのが、今回の「ONE PIECE」と同じ少年ジャンプ連載の「ドラゴンボール」で、原作を読んだことがない監督によって不幸にも映画化されてしまいました。

 

「ドラゴンボール」をほぼ丸投げした鳥山明さんとは異なり、「ONE PIECE」では尾田栄一郎さん自身が製作総指揮者の一人として参加し、キャスティングからストーリーまであらゆる側面に関与しました。ですから、ただ単に作品への熱意にあふれる第三者が制作したものではなく、尾田さん自身がキャストの協力を得て制作した作品と言えるでしょう。そして、制作費に関しては、1話あたり26億円という額で、これはNetflix史上最高の予算とされています。よく例に挙げられますが、映画「シン・ゴジラ」の制作費は約10億円程度と言われています。このような素晴らしい作品が、一月あたり1600円で見放題で提供されるのは、ファンにとって感謝すべきことです。

 

感想など

 

感想としては、原作に忠実で改編はありますが改悪は無く、キャスティングやセット、CGもほぼ完璧、そして何よりも、漫画を読んだ時に感じるワクワク感がありました。 これ以上望むことはできない最高レベルの作品だと思います。

 

気になった点

①ゾロに代表されるソードアクションは、「るろうに剣心」と比べて迫力に欠ける印象を受けました。

②ゾロの幼少期のストーリーでは、舞台は日本ではないようですが、「キル・ビル」のように、キャストや演出が”間違った日本”ぽい雰囲気を醸し出していました。ただし、この作品では日本の漢字は使われていますが、物語の舞台は異世界であり、日本そのものが登場しないため、違和感を感じる必要はないかもしれません。

③関連するシーンで、先生が「くいなは事故で亡くなった」とゾロに伝えるシーンで、カメラがすぐにゾロのアップになるのですが、ゾロはその情報を聞く前から涙を流しているという、タイミングのズレが致命的なミスとして目立ちました。総じて、ゾロの幼少期のシーンは予想外に低品質でした。

④アメリカなどでの肥満防止規制の影響からか、ルフィのトレードマークである大食いシーンが登場しませんでした。

 

優れている点

①ナミのオレンジ色の髪や、ゾロのグリーンの髪など、実写化においては不自然な色を変更することが一般的ですが、この作品ではオレンジやグリーンのままで、違和感を感じませんでした。漫画と実写が完璧に融合していることを証明していると思います。

②キャスティングに関しても、一目見れば誰かすぐに分かる「これ、誰?」という状態になることが一切ありませんでした。これも高く評価すべきポイントだと思います。中には漫画以上の存在感を放つ俳優もチラホラいますね。サンジの育ての親(ゼフ)やガープ中将、ゴールド・ロジャー、コビィなどがその一例です。

③原作は非常に長大なドラマであり、ストーリーの改編は避けられませんが、この作品では改編が緻密に考えられ、物語が自然に繋がっています。重要なシーンには適切な時間が割かれており、原作を大切にしながらも、ストーリーの継続性が保たれています。原作重視のファンにとっては気になる部分もあるかもしれませんが、それに代わる提案があるならば、期待したいと思います。

 

余談になりますが、今作では登場しない、海軍大将の青キジ(松田優作)、黄猿(田中邦衛)、赤犬(菅原文太)の三人のモデルになった俳優は故人となっていますので、キャストが気になりますね。青キジは松田優作さんの息子で決まりでしょうか?白ひげのモデルはハルク・ホーガン、エネルのモデルはエミネムなのでここは本人に登場してほしいですね。

 

長い間待った甲斐があった「ONE PIECE」ですが、期待以上の出来で大人から子供まで楽しめる作品でした。この作品がNetflixとして成功して、シーズン2以降も制作されること願い、心待ちしたいと思います。本当に感謝です。

 

ps:9月8日のニュースにて、制作を担当したトゥモロー・スタジオはすでにシーズン2の脚本を完成させており、「ゴーサインを待つのみ、早ければ来年にもシーズン2が放送される可能性があると確信している」と発表が有りました。