10年前に投稿したブログを修正して再投稿しました。
1968年に、ジャズトランペット奏者の愛称で親しまれているサッチモ(Satchmo)ことルイ・アームストロングによってヒットしたこの素晴らしい世界(What A Wonderful World)は、彼の独特な低いダミ声で成功を収めたトランペッター兼ヴォーカリストです。
作者はベトナム戦争を嘆き、平和な世界を夢見てこの曲を書いたと言われていますが、歌詞には戦争を直接に終わらせる語句は一つも含まれていません。
ジョン・レノンの「イマジン」も「平和な世の中を想像してごらん」と投げかけますが、「この素晴らしい世界」の歌詞では見ず知らずの者同士が笑顔で挨拶する様子が、希望や平和をテーマに、人類の兄弟愛を夢見させてくれます。
反戦ソングは兵士の士気を下げるとされ、戦時中はタブーですが、動画ではベトナム戦争時のアメリカ兵の前で歌っており、何とも勇気ある行動です。
日本もかつては米国と殺し合いをくりひろげました。しかし今は長い時間をかけて国際社会の中で一番の盟友ともいえる存在になりました。今では、その戦争の憎しみを忘れてアメリカ人と日本人が気軽に握手をかわし笑顔で、「調子はどうだい?」といえますね。
この曲の願いは平和な未来を想像することなのです。イマジンが理念なら、この曲はより具体的な景色を見せてくれます。
最後に、面白いことに、ジャズの本場であるアメリカではほとんどヒットしませんでしたが、イギリスのヒットチャートでは1位となり、国民性の違いを示しました。イギリス人は歴史的には残酷で冷たくて暗くて皮肉屋の国民だとされますが、この曲の素晴らしさをアメリカ人よりも理解できているのは意外です。やはりビートルズの国だと思います。
日本ではテレビCMに実に多く使われ有名な曲となっています。私が一番印象に残ったのはホンダの車、シビックのCMです。この曲との関連性はわかりませんが、ワンダフルワールドとワンダーシビックと、ワンダーでかけたのかもしれませんね!?
日本のミュージシャンもコブクロを始め多数カバーされています。
私は最近ジャズの優しさを実感するようになってきました。
この曲の優しさは何か言葉にならない慈愛の様なものを感ずにはいられません。
PS2021年9月追記
なんと!東京オリンピックでは「イマジン」が演奏され、パラリンピックでは「この素晴らしき世界」が演奏されました。
イマジンと兄弟曲だと、常々思っていましたの感慨深いです。
そして、東京オリンピックの入場式では、ドラクエやファイナルファンタジーがかかればいいなと思っていましたがそれも願いが叶いました。
このブログは10年前のブログですが、ちょっぴり未来を予言していたみたいでうれしいです。
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この素晴らしき世界
作詞・作曲 G・ダグラス(ボブ・シール)・ジョージ・デヴィッド・ワイス
木々は緑色に、赤いバラもまた
私やあなたのために花を咲かせてくれる
そして、私の心に沁みてゆく・・・
胸に手をあててそっと考えてみると
この世界はなんて素晴らしいのでしょう!
空は青く、雲は白く、
輝かしい祝福の日には、神聖な夜と
そして、私の心に沁みてゆく・・・
胸に手をあててそっと考えてみると
この世界はなんて素晴らしいのでしょう!
空にはとてもきれいな虹がかかり
また人々は通り過ぎながら、
友達と握手をしたり
「調子はどうだい?」と言ったりしています
彼らは心から「愛している」と言っています
私は赤ん坊が泣くのを聞いたり、
彼らが成長してゆく姿を見ています
彼らはわたしよりも遥かに多くのことを学び、知ってゆくでしょう
そして、私は想うのです。この世界はなんて素晴らしいのでしょう!
訳:半兵衛
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パラリンピック 閉会式
ベトナム戦争最中、慰労のため米軍兵士の前で歌うルイス
そんな最中で、反戦を訴える歌を歌うのは強い信念がなければできないことだと思います。