※以前一度紹介した記事を書き直しました。
◆ Old and Wiseは、アラン・パーソンズ・プロジェクトの1982年の6作目のアルバム「アイ・イン・ザ・スカイ」の最後に収録されているナンバーで、アビーロードスタジオで録音されました。
●リード・ヴォーカル:Colin Blunstone (ゾンビーズ)
最初に紹介した「静寂と私」では95人編成のオーケストラを、次に紹介した「アイ・イン・ザ・スカイ」は軽快なポップナンバー そして最後に紹介するのはこのアルバムの最後を飾る美しすぎるバラード「オールド・アンド・ワイズ」です。
ゾンビーズのコリン・ブランストーンの味わい深いヴォーカルと詩の世界を堪能してください。
YouTubeでこの曲を検索していたら、この曲を聞いて泣いている人がいました。恐らく女優さんかと思われます。しかし私はこの歌詞を訳しても、詩の内容が理解出来ませんでした。
みなさんも訳詞をみて、この曲の本当に言いたかった事は何なのか考えてみてください。
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Old and Wise 作詞・作曲:E.Woolfson,A.Parsons
ぼくの目に見えるものは
忍びよる暗い影
後に残された人のなかでも
君だけには知ってもらいたい
君はいつだって本当の気持ちをわかってくれていたし
どこでも傍らにいてくれたね
年老いて賢くなれば
ぼくを揺さぶり吹きつけた辛い言葉が
秋風のように吹き抜けても大丈夫
そしていつか霧がかった時間の中で
もし彼らが、君を知っているかと尋ねられたら
微笑みながら「ぼくの友人だった」と答えよう
そして、ぼくの瞳からは悲しみが消えるだろう
年老いて賢くなれば
ぼくの目に見えるものは
ぼくを取り囲む暗い影
後に残された人のなかでも
きみに知ってもらいたい
どんなつらい時でも片時も離れずにいてくれたね
ぼくがいくときあなたを愛しく思うでしょう
年老いて賢くなれば
ぼくを揺さぶり吹きつけた辛い言葉が
秋風のように吹き抜けても大丈夫
そしていつか霧がかった時間の中で
ぼくのことをを知っているかと尋ねられたら
ぼくが友人であった事を思い出してほしい
人生の幕を閉じるときにぼくの目の前に映るものは・・
ああ、年老いて賢くなれば
ぼくの目に映るものは・・・・・
訳詞:半兵衛
in the mist of time これはイディオムではないかと思うのですがわかりませんでしたので「霧がかった時間の中で」と訳しましたがわかり次第訂正します。
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◆詩の内容を読み解く
私の頭ではどうしても読み解く事が出来なかったので、ヤフー知恵袋に投稿して読み解いてもらうことにしました。
以下が質問の内容です
①どんな立場の人が
②誰に向かって
③何故メッセージを残したのか
sanbika_wawawaさんが回答してくれました。
①死の淵にいる男性と解釈します。
②愛するただ一人の女性に向けてだと解釈します。
③きっと君はいつか僕のことも忘れてしまうかもしれない、
でも僕は君を愛していたんだ、この事実だけは覚えていておくれ
主人公は、もっと長く生きていたかった若くして不治の病にかかった
そんな男性だと解釈します。
これで殆どの謎が溶けました
キーワードから拾ってみましょう
「ぼくの目の前に忍びよる暗い影」
「ぼくを取り巻く暗い影」
何か危険が迫っていると考えられる
「後に残された人のなかでも」
どこからか、いなくなる事が考えられる
「きみを知っているかと尋ねたら微笑みながら「ぼくの友人だった」と答えよう」
何故友人と答える必要があるのか?
男友達なら、誰に対しても友人と答えられるわけです
すなわちここで女性であることがわかります。
「いつだって本当の気持ちをわかってくれていたし、どこでも傍らにいてくれたね」
かなり近い間柄であることがわかります。
ここで、相手は女性であり、恋人で有ることがわかります。
「そして、ぼくの瞳からは悲しみが消えるだろう、年をとって賢くなれば」
ここから推測できるのは
時間がたてば、悲しみは消え去るということなので、ここで恋人との別れがわかります。
「ぼくがいくときあなたを愛しく思うでしょう」
「人生の幕を閉じるときにぼくの目の前に映るものは・・」
ここから分かるのは、死が近い事を暗示しています。
最初にもどって
「ぼくの目の前に忍びよる暗い影」
「ぼくを取り巻く暗い影」
ここで推測されるのは、不治の病です。
つまり、主人公は不治の病にかかり、恋人と別れる事を決心しました。
それは、彼女の人生を不治の病の自分のためだけに使ってほしくなかったからです。
「微笑みながら「ぼくの友人だった」と答えよう」
とは、もし恋人だったと答えたら、肉体関係もあっただろうし、彼女にとってはいろいろふつごうであろうし、自分が死んだ時にも彼女から見たら「恋人が死んだ」ということより「友達が死んだ」という方がダメージが少なくなるのだと主人公は考えたからです。
ここまで、わかると、ある秋の日 不治の病の主人公が病院の一室で、死にゆく自分をみつめながら、過去に支えてくれた恋人に思いをめぐらせている様子、あるいは手紙としてその気持を書き残した可能性もあります。
「死期が近づいた男性が、愛する女性へ綴った最後のラブレターのように感じました。
人生の幕を閉じる時に、僕の目に映るのは君だよという風に。」
(※ブログ友のあずきさんから、コメントを頂いたのでラブレターの部分を加筆させて頂きました。)
いずれにしても、死期が近づき、年取ることもかなわぬ主人公の願いが「Old and Wise(年をとって賢くなれば)」なのです。
主人公の気持ちになると本当に悲しくなってて泣いてしまいました。
この歌を聞きながら涙を流していた女優さんと同じ気持になりました。
sanbika_wawawaさんからメッセージを頂きました。
「じつにいい歌詞ですね。私も胸を締め付けられるような思いを抱きました。愛する人と、どうすれば幸せな形で別れられるのか、残酷な運命さえも飲みこむその優しさが じつにいいと思いました。」
こちらが本家コリン・ブランストーンさんが歌っています。
女優(アマンダ・タッピング?)さんが歌を聞き涙をながしています。