ジョン・レノン  アイソレーション(孤独) | 半兵衛のブログ

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◆孤独 Isolationは1970年に発表されたジョンの魂 (John Lennon/Plastic Ono Band)に収録されています。

◆メンバー
ジョン・レノン:ピアノ、オルガン&ヴォーカル
リンゴ・スター:ドラムス
クラウス・フォアマン:べース

◆ジュリアンが語る「Isolation」
ジョンの息子ジュリアンがこの曲を語ってくれています。

「”Isolation”を選ぶね。シンプルだけど、とてもパワフルだ。 この曲に共感する人も多いと思う。世界の全てが敵だって感じの曲だね。 有名になって成功を収めても、安心したり、理解されていると感じるわけじゃないって事を表現している。 混乱の原因がだれかって問題もね。 人々が毎日の生活のなかで感じる不安のことさ・・・いつか、すべてが解決する日がくることを祈るしかないよ!」 ジュリアン・レノン MOJO誌より
※なかなかするどい分析をしていますね。

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Isolation
               作詞・作曲 John Lennon


人々はぼくらたちが成功者じゃないかって言う
彼らは知らないのだろうか? 
ぼくらがこんなにも恐れている事を
孤独

ぼくらは独りぼっちになるのが怖いんだ
みんなが必死に家族をもとうとしている
孤独

ほんの小さな少年と少女がだけが
この広い世界を変えようとしている
孤独

世界って言ったって小さな街みたいなものじゃないか
それなのに誰もがぼくらをへこませようと必死になっている
孤独

君にわかってもらおうなんて思っちゃいないさ
君だって耐えられないような苦痛を受けてるわけだし
だけど、それは君の責任じゃない
君もただの人間で 
狂った世界の犠牲者にすぎないのさ

ぼくらはみんなを恐れている
太陽でさえも恐ろしい
孤独

太陽は決して消え去りはしないけど
世界に残された時間はそう多くはない
孤独

                        翻訳 半兵衛

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ジョー・コッカーのIsolationいいですね!しみます。


ハートのアン・ウィルソンによるヴァージョン

◆感想
いつもはアルバムを通して聞くことが多いのですが、単体で聴いてみるとなんとも味わい深い曲であると思いました。メッセージも素晴らしいですが、孤独から怒りに変わっていく様子、そして、その怒りを虚しくおさめていく様子・・なんとも言えない曲の展開と変化が絶妙でいつのまにか引き寄せられていきます。ジョンの弾く頼りない感じのピアノも孤独感や怒りをよく醸し出しています。テクニックよりもフィーリングを大切にするジョンの名演です。

成功という名の報酬が支払う代償が大きすぎて、いつの間にか作られる虚像とそこから離れたところに存在する自分・・・そのことに悩みドラッグに溺れ孤独のうちに死んでいくミュージシャンのなんと多いことか・・・ジャニス、ジム・モリソン、尾崎豊・・

ジョンの曲のなかで好きな曲を上げてもらう企画では意外とミュージシャンがこの曲をベストに上げる事が多いです。なぜかというと曲の観点が「ミュージシャンからみた世の中」なので、恐らく他のミュージシャンはそれぞれの経験によりこの曲のなかに自己投影していくのではないかと思うのです。

「僕らはみんなを恐れている」=ファンやマスコミ等・「太陽さえ怖い」一人で外を歩けない現実 事実ジョンはファンによって撃たれて死にました。かつてのジョンのキリスト教発言では、キリスト教関係者からの殺人予告状なども届きました。一般的にジョン・レノン=お金稼いだ成功者だと思われていますが、本人たちは成功には程遠いい状態だと思っているのです。※10年後の1980年のアルバムダブルファンタジーの「ウーマン」の中では、「本当の成功とは何かを教えてくれた」と歌ってます。

◆私のこの一曲 MOJO誌より
「情熱的で寂しげな魂の叫びだね。シンプルでエレガントでメランコリックで、つらいときにはよく聞いていた。”ぼくらはみんなを恐れている 太陽でさえも恐ろしい”という歌詞には、腹を殴られた気がしたよデビット・ボウイに助言したっていう逸話がとても好きなんだ。「心のなかにあるものを詩にすればいいんだ!」てね。シンプルなアドバイスだけど、実行するのは難しいよ。 マット・ジョンソン 

「ジョンの魂 (John Lennon/Plastic Ono Band)は本当に気に入ってるの。リバプールにレコードを安く売っている店があって、17歳のとき買ったのよ。すごく気に入っわ。”Working Class Hero ”もいいけど”Isolation”はヴォーカルをどうやってレコーディングしたのかを探ろうとして、ほんとうによく聴いた。結局2トラックだって気づくのに、長い間かかったわ。バックにトランペットかトロンボーンが入っていたと思う(※オルガン)とても賢くて生だと思った。特に男性があれだけ飾りのないありのままを見せるのは、ほんとうの強さだと思う。ビートルズの曲でも、彼の歌詞はすぐにわかるわ。 キャスリン・ウィリアムス


◆雑談 元巨人軍の清原さんが、覚せい剤所持で逮捕されましたね。清原といえば無冠であるけれど野球選手としては成功しているし、コマーシャルも多く出ています。はたから見ると清原=成功者というイメージがありますが、あの、屈強な体のなかにある心は病んでいたのですね。名声がもたらした重圧やそれらによって作られた孤独というものを、この曲を通して理解でき、ここでも一つジョンから大切な事を学びました。スーパースターであっても普通の心をもった人間です。 清原さん、頑張って立ち直ってくれ!