While My Guitar Gently Weeps (ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス)は1968年発売の「ホワイトアルバム」の中の一曲
ギターソロ エリック・クラプトンGibson Les Paul
エレキギター ジョン・レノンEpiphone Casino
アコギ・オルガン ジョージ・ハリスンGibson J-200
ピアノ・ベース ポール・マッカートニーFender Bass VI
ドラムス リンゴ・スター
※オルガンは多分ジョンではないかとおもいます。
<ビートルズにおけるジョージの立場>
ポールとジョンが、他のミュージシャンがいる事で少しは自分を押さえるだろう、だって、そうならなくちゃいけないよ、彼らはもっと紳士的な態度にならなきゃ・・・
「今日予定ある?スタジオにきて、この曲に参加してくれないかな?」エリックが心配そうに「駄目だよ。そんな事はできない。ビートルズのレコードで外部の人間がプレイするなんて、他のメンバーが承知しないだろう?」
「いいかいこれは僕の曲なんだよ。その僕が君に参加してほしいと言ってるんだ」
次の日にスタジオにエリック・クラプトンを連れて行ったんだ。彼はとても神経を高ぶらせていた。無理もないことだね。僕は「気楽に弾きに来てくれよ。僕は歌に集中出来るし、アコースティック・ギターも弾けるし助かるんだから」
僕が「この曲はエリックが参加するよ」というと、みんなが少しやる気になった。
「それまで不機嫌だったジョンとポールが急によそいきの態度に変わったんだ」
ポールがピアノの前に座り、素敵なイントロを弾いてくれたんだ。全員が凄く真剣になってくれた。byジョージ
「聖域に連れてこられた気がした・・・中略・・・状況から判断すると、ポールとジョンが、ジョージとリンゴのバンドへの貢献をほとんど認めていないように思えた。ジョージがどんなプロジェクトに曲を提供しても、目立たない場所に押しやられてしまうだけなのだ。私たちの友情が多少の支えになると感じた彼は、私がそこで演奏する事で自らの立場が安定し、幾分尊敬されると思ったのだろう。ジョンとポールはかなりの切れ者だし、私は部外者なのでちょっと緊張していたが、うまくいった」byクラプトン
※冷静に考えてみてホワイトアルバム以前のジョージ作の素晴らしい出来の曲といえば、「タックスマン」と「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー 」しかありませんので、ジョンの発言で「ジョージはまだ、ビートルズのクオリティーに達していなかった」というのがありますので、自分たちの仕事で精一杯だったようで、いたしかたないかもしれませんね。
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While My Guitar Gently Weeps
作詞・作曲:ジョージ・ハリスン
愛は人々の内で眠ったままらしい
僕のギターがすすり泣いている間も
床に目をやればそこには埃が積もっている
僕のギターはひそやかにすすり泣く
なぜ誰も君に教えなかったのだろう
あふれる愛をほとばしらせる術を
誰がどう君を操っていたのか
君はだまされ利用されたんだ
世の中の営みは脈々と続く
僕のギターがすすり泣いている間も
僕らは失敗を重ねながら物事を学んでいく
僕のギターはひそやかにすすり泣く
なぜそんなふうに変わり果てたのか
堕ちるところまで堕ちた君
どこでどう道を誤ったのだろう
誰も君に注意しなかったのかい
愛は人々の内で眠ったままらしい
僕のギターがすすり泣いている間も
あの人々をごらん
僕のギターはひそやかにすすり泣く
ビートルズ歌詞全集より
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歌詞はともかくサウンドは素晴らしいの一言!
ジョージの「サムシング」と並ぶ最高傑作で世界中のギター小僧のハートを鷲掴みにしました。私も大好きな曲で、何回聞いてもあのギターソロには胸がキュンとなります。神を感じる瞬間です。多分にもれずギターコピーに挑戦しましたが、あの音はどうやっても出せませんでした。
さすがにゴットハンドと呼ばれるだけの物を感じます。
※ギター→コンプレッサー→ディストーション→コーラス→アンプ 近い音でます。
歌詞で気になったのは、バンド内で思うようにギターを弾かせてくれないジョージの不満のように感じてしまいました。「何故誰も・・」がジョンの事、「変わり果てた」がポールの事をさらに「失敗を重ねながら・・」は自分の事指しているように思えます。深読みしすぎかな・・・・
この曲の収録された「ホワイトアルバム」はサージェントペパーズで頂点を極めたビートルズがブライアンエプスタイン亡きあとアルバムのトータル性を抜きにして、ビートルズではあるけれど、ある時はジョンとそのバンド、またある時はポールとそのバンドというように、それぞれのやりたいことをやったアルバムで、アルバムとしてはまとまりがないのですが、ビートルズの幅広い音楽性を再認識させる実力があるアルバムです。
ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープスも当然、その流れの中で出来上がった一曲で、ジョージ・ハリスンとそのバンド(あくまでもビートルズ内での)的な曲になっています。
当初この曲でギターを弾いているのはジョージだとファンは思い、そのギターに酔いしれたものですが、正直者のジョージはエリック・クラプトンが弾いているときっちり報告しました。
作品の出来は間違いなくジョージの最高傑作のひとつなのでありますが、
考えてみたら、ギタリストは誰が作った曲であれギターを演奏するしかないしその評価は当然演奏そのものでしかないのです。
すなわちこの曲はジョージの曲であるけれど、エリッククラプトンの演奏なわけで演奏が全てのクラプトンにとってみればクラプトンの曲だともいえます。
それに泣きのフレーズはクラプトンが最も得意としているのです。
そして、クラプトンのほぼすべての曲を聞いてみても、この演奏は1・2を争うほどのすばらしい出来なのです。もちろんクラプトンの本領は「クロスロード」に代表されるように即興演奏にて次々に繰り出されるフレーズをうまく組み立てていく、まるでサーカスの綱渡りのような演奏ですが、スタジオに腰を落ち着け一番いいフレーズを模索しながらのクラプトンはまた、格別なものがあります。
彼はビートルズという力を利用して、彼自身の名前を大いに上げることに成功したのです。一番おいしかったのはクラプトンなのかもしれませんね^^しかしその根底にあるのはジョージに対する友情パワーであるのは忘れてはなりません。
クラプトンが世界一のグループ、ビートルズで演奏する事にビビったのは当然ですが、迎え撃つビートルズもクラプトンに負けずと張り切っているのが伝わります。特にポールが意識しないわけがありません。ライバル心むき出しでベースを弾きます。
ある意味ビートルズとクラプトンという相乗効果ですばらしいできになったともいえますね。
ビートルズの楽曲の中でもギターソロが中心の曲はこの曲のみといえます。
ちなみにビートルズ解散後に何度かジョージのソロでクラプトンと一緒にライブで演奏されていますが、ズバリ!スタジオ録音テイクが最高です。
クラプトンは同じフレーズを2度弾かないアーチストなのでライブで同じフレーズを求めるとがっかりしてしまいますね。特にスタジオ録音のテイクが完璧なだけにそれを超えるのは難しいと思います。
↑宅録のRyohei Kanayamaさん 半兵衛がリスペクトしている人でこの方のビートルズコピー(ほぼ全曲)は本当に凄いです。なんとギターTAB付きをアップしてくれました。