浮気の後、龍は今までにないくらい優しくなり、笑ってしまうくらい浮気をする男性の典型的なパターンだった。





でも私は龍を諦めてしまったしょぼん




「諦めた」というのは、龍という人間と付き合う上で、普通の男性と付き合って感じるだろうと思われる幸せが訪れることを諦めたのだガクリ



こんなに浮気を繰り返す男性といて、普通の幸せがどうして訪れるだろう。

龍を好きだという気持ちも一瞬ブレたりもしたが、執着した思い出と思い込みと寂しさには勝てなかった。



私が目を塞いでしまえば、目を背けてしまえば辛い感情に真っ向から立ち向かわなくてすむ。

そうやっていれば龍を失わずにいられると思ったのだ。


そんな風に諦めたのだから浮気をこれ以上どうこう言うつもりはない。



そうして何も言わない私に安心したのか、龍の過剰な優しさはすぐに終わったダウン








浮気事件後から龍の私に対する扱いが少しずつ変わってきていた。



キャバクラで知り合った男性の家に転がり込んだ龍は、何度も何度もその家に私を呼びつけた。


その度に非常階段や駐車場、家と家の隙間など、あらゆる場所で私を無理やり虐げる。




晴れでも雨でも暑くても寒くても関係ない。

というか、私の感情など関係ないのだううっ...



私が一度でも拒むと、その行為は暴力的なものへと変わる。


龍は笑いながら私をねじ伏せるのだ。


龍にとって私は、彼女という名の都合のいい女という位置付けになった。


浮気しても何をしても離れず、自分に惚れ込んでいる女など龍にとっては好都合のなにものでもない。

そのため私を(主に体を)自由に扱い始めたのだ。


だが私はそれでも一緒にいたいと思っていた。


龍の言うことを聞いておけば、体さえ自由にさせておけば一緒にいられる。




哀れなくらい龍に嫌われないように必死だった。



思った通り龍は機嫌が良かった。


機嫌が良ければ乱暴なことはしない。




友人の前でもどこでも、龍をたてることに専念した。

そんな私に龍は

龍「お前は俺がいないとダメなんだよ」

「俺だけがお前を解ってる。解ってやれるんだ」

「お前は俺を解ってくれる」

「お前だけだよ」


と何度も囁く。



恐ろしいことにその言葉で完全に感情が麻痺し、龍に洗脳されてしまっていた…。

何が正しくて何が普通のことじゃないのか、私の頭では判断できなくなっていたのだ。



だがしばらくして龍はキャバクラの仕事を辞め、知人からの紹介でまともな仕事に着くようになった。



夜の仕事だが工場勤務で、仕事内容は至ってまともだった。

私への扱いは相変わらずだったが、やっと少しは落ち着いてくれたのだと安心した。




でも、それも長くは続かなかった。


私にとって生涯忘れることのできない事件が始まろうとしていた。





ペタしてね

昨夜の嫌がらせ電話から携帯はずっと電源を切ったまま。


電源を入れてまたあの女性から電話が来るかもしれないのが嫌だったからだ。




龍に電話をするのも嫌だった。


あの女性は龍の携帯を使って電話をしてきている。


こちらからかけて女性が出たら…と考えるとかける気にはならなかった。






だがいつまでも電源を切っているわけにもいかない。


時間をあけてからしぶしぶ電源を入れることにした。




ぴりりりり携帯


ぴりりりり携帯




電源をいれてすぐに着信がきたビックリ


恐る恐る画面を覗くと龍の名前が出ている。


一瞬躊躇したが出なければ分からない・・・・




私「もしもし…?」




龍「もしもし!?ハル!?




相手は間違いなく龍だった。


女性はどうしたんだろう…??帰ってきたのだろうか。




私「うん、私。…何むかっはてなマーク




龍だと分かった瞬間にやっと怒りが湧いてきた爆弾




龍「今から会おうビックリマーク公園で待ってる!!




そう言って電話を切られてしまった。


文句を言う暇もないむかっとにかく公園まで行くことにした。






公園では龍がすでに待っている。


今まで公園の中で待っていることが多かったが、今回は入口の外にいる。


その姿を見ても明らかに焦っているのが分かる。




…そりゃそうだ。


浮気相手が電話をしてきたのだ、今頭では言い訳を必死に考えているのだろう。


私はイライラしながらも、どんな言い訳をしてくるのか興味があった。




私「…何はてなマーク




龍「あぁ…あのさ…えっと…」




龍と向き合って立っても龍は私を見ない。


下を向いたり横を向いたり視点が定まっていないのだ。


あの女性の話もなかなか出ない。


…なんの為に呼び出したのだろうムムム




私「あの女の人、何はてなマーク




龍「え!?やっぱりあいつ…むかっいや、何でもないんだよあせるただの友達で…あせる




私「友達はてなマーク付き合ってるって言ってたけどムムム




龍「嘘だよビックリマーク友達だってあせる何もないよ」




私「じゃぁなんで龍の携帯使って電話してくるわけむかっ!?




龍「いや…それは…携帯取られて返してくれなくて…」






聞けば聞くほどしどろもどろになる。



もちろんこの話は嘘。

龍はいままで携帯を一度も手放したことはない。


常に肌身離さず持っていて、触ることもできないくらいなのだ。




そんな龍が携帯を取られた?返してくれないから諦めて帰ったってこと?


そんなこと絶対にあり得ないダウン



それくらい分かるのに…。



私「へぇ…私は龍と連絡取りたかったけどね」




龍「いや…だから、電話したけどハル電源切ってただろ?」




私「当り前でしょ!!どれだけ嫌がらせの電話がかかってきたと思ってるの!?




龍「……」




ついに龍は黙ってしまった汗


言い訳もここまでか…DASH!浮気して嘘をつくならうまく尽き通せよパンチ!




以前にも書いたが、浮気をしたからといって龍と別れる気はまったくなかった。


私の中では『浮気は隠し通すべきプンプン』と思っていて、今回起きたことはルール違反だと思っているだけだったのだ。




この考えは間違っているという人もいると思うが、私はそれでいいと思っていたし、龍と付き合うということはそういうことだと納得?していた。





私「あんたが何をしようが勝手だし別にどうでもいいけどさ、私に迷惑かけないでよ!!




気付いたらそう叫んでいた。


龍は項垂れてだまっていたが、その一言を聞いて顔を上げた。




龍「ごめん…」




私「もぅしないで…」




話が終わると龍は私を無理やり公園の物陰に引っ張り込んだ。


これは彼のいつもの誤魔化し方で、何も語らないまま自分勝手に私を抱いた。


嫌がっても無駄だ。力で敵う相手じゃない。




『この人は何も分かっていない』




この時私は龍という人を諦めたのだった。



ペタしてね

私の携帯には龍と数人の仲の良い友人しか着信は来ない。




もともとあまり深く人付き合いをしない方だったので、連絡を取る人数は限られていた。






ある日の深夜…いや、もうその時間は明け方だ。


とっくに眠りについている4時に電話が鳴った。




私は眠りが浅く、何かの音ですぐに目を覚ます。


マナーモードにしていたがバイブ機能の音で目を覚ましてしまった。




暗い部屋に携帯の明るく光る画面が眩しい。




私「…誰?こんな時間に…」




着信画面を覗き込む。




非通知着信の文字で相手は誰だか分からない。


こんな時間にかけてくる友人はいない。




私「龍はてなマーク




今まで非通知でかかってきたことはないが、可能性があるのは龍しかいない。


何か緊急事態だろうか…




私「もしもし…」




??「もしもしぃ…」




驚いて携帯を耳から離す。聞こえてきたのは龍の声ではなく、知らない女性のものだった。




私「あの…もしもしはてなマーク




??「もしもしぃはてなマークあのぉ~ハルカさんですかぁはてなマーク




再び声を聞いても誰だかサッパリ分からない。


鼻にかかっていて語尾を伸ばす…あまり好きじゃない話し方の女性。




私「そうですけど…」




??「あのぉ…龍さんって知ってますかぁはてなマーク




私「彼氏ですけど…何かはてなマークむかっ




あぁ…聞いていてとんでもなくイライラする話し方むかっ


ていうか、…今何て言った!?


深夜に非通知で電話かけてきて名前も名乗らずに…突然何を言い出すんだプンプン




??「えぇ~!?付き合ってるんですかぁ!?そっかぁ…」




私「何なんですかはてなマーク




??「私も付き合ってるんですけどぉ」




私「…ははてなマーク




??「私、去年の10月から付き合ってるんですぅ。龍さんから告白されてぇ…」




いやいやいや手ちょっと待ってあせる何なの!?


言っている意味がよく分からない。




この女性はそれだけ言うと黙ってしまった。


時々「うーん…」と悩んでいる声を漏らすが、それ以上何も言わない。




少し寝ぼけていた頭を無理やり起こし、考えてみたらすぐに分かった。


『あぁ…この人は龍の浮気相手かDASH!




不思議と浮気に対する怒りは湧いてこなかった。




それどころか、


『というか、今言わなくてもいいんじゃないか?


なにも夜中にわざわざ起こされて睡眠を削ってまで話す話か…?』


とまで思っていた。




とにかく睡眠を邪魔されたことにイライラする。




私「あの!だから何なんですか!?




私の問いに女性は答えず、ずっと「え~…うーん…」と唸っている。


女性に対して私は強気だった。




私「私、別れる気もありませんから。では」




少し強めで伝える。


今までこんなに強気に人に言葉を伝えたことはない。


とにかくこの時の私は笑えるくらい睡眠最優先ビックリマークだった。




別れる気はないと伝えたので電話を終えようとしたが、ここで初めて女性に止められた。




??「あのビックリマークまた電話してもいいですかぁ!?




私「二度と電話してこないでくださいむかっ




間髪入れずに電話を切った。






よく分からない…。なんの為の電話だったんだろう。


龍の浮気を知らせる電話?別れてくれと言う催促電話?


とりあえず名前も何も分からないままなのだから、私は電話をかけ直すこともできない。




もぅいいDASH!寝ようビックリマーク


電話は切ったし、こんな真夜中にこれ以上することもない。


私は再びベッドへ横になった。


ぴりりりりり携帯


ぴりりりりり携帯




再び携帯が鳴る。


画面を覗き込むと龍の名前が浮かび上がっている。


一言龍に文句でも言ってやろうとすぐに携帯を取った。




私「もしもし!?!?




………。




龍は何もしゃべらない。


音なども何も聞こえない。




私「もしもし!?はてなマークもしも……」




…気付いた。この電話の相手は龍ではない…。




そう、その時かけてきたのは龍ではなく、あの名乗らなかった女性だった。


龍なら何か話をするはずだ。




私は慌てて電話を切った。


すると次の瞬間また電話が鳴った。


画面には非通知着信の文字。




もぅ出ない!!


無視を決め込んで放っておくと電話は切れる。


するとすぐまた電話が鳴り、画面に龍の名前が浮かび上がる。


それが何度も繰り返された。




言っておくが、時間は明け方の4時だ。


龍の携帯と非通知を使った嫌がらせの電話が何度鳴ったか分からないが、何度目かのコールが終わった後、携帯の電源を切った。




ペタしてね