クリスマスが終わり年末を迎えようとしていた。

この時は2000年、世間は2001年問題で話題は持ちきりだったが、私の頭の中ではまたも浮気(本気)問題で持ちきりだった。

龍の態度はクリスマス終了後に、以前と同じく余所余所しいものに戻ってしまったのだ。


浮気事態は何度も書くがどうでもいい。
問題なのは龍が「アツコ」に本気になったこと。
それによって別れを告げられてしまう恐怖。

なんだかんだ言いながら、諦めたと思いながら、私は龍が好きだった。
龍の煮え切らない態度に翻弄されながら、どうにかできるものならまた龍と一緒に過ごしたいと思っていたのだ。



しかし、それもこの事件で終わってしまうこととなる。




龍と久々に会えた日、私は浮気とは別の不安を抱えていた。


私「龍…私、生理が来ない」

龍「…ははてなマーク


冗談ではない。
この時1ヶ月遅れていた。


龍「いつもの不規則じゃないのはてなマーク

私「私もそう思うんだけど…あせる


もともと私は不規則で、一か月飛ばしなんていうのはザラ。

しかし不安は捨てきれず何度も検査薬を買って調べたことがある。


いや、むしろ毎月調べていたと言っても過言ではないのだ。

原因は龍が今まで私に対して避妊をしたことがないということ。
ビデオや本でそういうことを学んだ龍は間違った情報だけを取り入れていた。

私は自分で改めて勉強し、間違いと危険に気付いて龍に促しはしたものの、すべて龍の勝手な欲望の為に頑なに拒否されてしまっていたのだ。


拒否されたから私も拒否する…ということができればいいが、そんなことできるならとっくにしているううっ...

何度も検査はしたが、その結果はどれもが陰性で胸を撫で下ろしていた。


私「一応検査してみるよ」

龍「まぁ大丈夫だと思うけどね~」

私「私もそう思うけどね」


今回も同じだろう。そんな話をしながら薬局で検査薬を買う。

不安からくる生理の遅れなんてよくあること。

とにかく早く安心したい。

大丈夫、大丈夫…。


自分で自分に言い聞かせながら、私達は龍の居候させてもらっている家へ急いだ。



家に入ると早速トイレへ向かう。
毎回のことだが本当に緊張するものだ。

私「…ふぅ」

一息ついて検査薬を開けた。


そして1分後。





私が持っていたのは陽性反応が出た検査薬だった。

ペタしてね

今回の龍の浮気はその程度では終わらなかった。

龍は今までの浮気とは違い、本気えーにまで発展していたのだハートブレイク


この頃はよく龍の携帯携帯に「アツコ」からの電話がきていた。
龍の態度や「アツコ」との電話のやりとりを見れば、二人の間に何らかの関係ができていることは分かる。

「アツコ」と会ったことはない為「アツコ」自身の気持ちは分からないが、龍が本気で好きになっていることだけ分かった。

でも電話を見ている限り、多分「アツコ」も龍を好きなのだろう。
どうやら二人は両思いになっていたようだ。


いつ別れを告げられるのかビクビクする。

友人に相談したり愚痴を聞いてもらい、毎日毎日不安で泣いたしょぼん


浮気(本気)を確信しているものの、自分からは怖くて龍に聞くことができない。

でも龍の態度に焦り、傷つく自分がいる。

いっそ今すぐ振ってもらった方が楽になるんじゃないかと思うくらい涙が止まらなかった。


でも龍は何も言わない。
「アツコ」のことも、気持ちのことも。


私は龍の前で泣くことをしなかった。

それをしたら「アツコ」に負けてしまう気がしてできなかったのだ。


とにかくどうしたら龍と一緒にいられるのかだけを考えていた。




私達は微妙な雰囲気のままクリスマスを迎えた。

こんな雰囲気で一緒にいられるのか不安だったが、意外にも龍は私と一緒にいてくれた。

それどころか、龍の方からデートに誘ってくれたのだビックリマーク


もしかしたら「アツコ」と…と考えていた私だったので、それはもぅとにかく喜んだアップ


龍「連れて行きたいところがあるんだ」


そう言って龍は私を横浜まで連れて来てくれた。

なんでも時間時計になると大きなクリスマスツリークリツリに人工雪snowを降らせるというイベントがあるらしい。

それを見に連れて来てくれたのだ。


夕方横浜に着いた私達は、時間もあることだからと遊園地の観覧車観覧車に乗ることにした。


クリスマスの観覧車…想像通りの大行列叫び


私「すごい人だね…やめるはてなマーク


龍「乗りたいんだろはてなマーク


私「うん…一度乗ってみたかったんだ」


そう言いながら列に並んだ。

龍は行列に並ぶのが大嫌いだったので見ただけで嫌がると思ったが、この日はすんなりと並んでくれる。

観覧車に乗っても私達の雰囲気は悪いものではなく、むしろとてもいいものだった音譜


その他にも大道芸を見たり、ゲームセンターで遊んだりと、浮気騒動なんてなかったんじゃないかと思うくらい楽しいものだった。


一大イベントの人工雪は、残念ながら中止となってしまっていたが、


『それはそれで仕方がない。楽しかったんだから別にいい』


と思えるほど充実したクリスマスだった。



しかしまさかのどんでん返し…ダウン

後日知った(龍から聞いた)話なのだが、龍企画のこのクリスマスデートは「アツコ」と一緒に行く予定だったそうだ。


「アツコ」には婚約者がいる。クリスマスは婚約者と過ごすと言われてしまったらしい。

なので私を誘ったのだった。


龍は「アツコ」と一緒にいたかったのだ。

私は単に代わりに過ぎなかった。


龍の中で私の存在が薄れているのが分かった一日だった。

ペタしてね

気がついたら季節は秋になっていた。




龍は工場のバイトを続け、たまに工場でもらった食べ物をお土産で持ってきてくれたり、工場での仕事の話をたくさんしてくれる。


龍「今日は○kgのラックを運んだんだ。重くて俺しかできない仕事なんだよ音譜


「今日はいつもの半分くらいの時間で仕事を終わらせちゃったよ~」


などなど。

話の半分以上は自分の仕事の自慢だったが、話を聞いてあげればあげるほど龍の機嫌は良い。

更に


私「へぇ~、そうなんだ!すごいじゃんニコニコ


と付け加えれば有頂天だった。

ものすごく分かりやすい性格というか単純…汗ニコニコしながら仕事の話を繰り返す。

他にする話はないのかいっビックリマークってくらい毎日話を聞いた。



職場の人達の話もたまに出たりはする。

大抵は


龍「あの人仕事できなくてさ~…俺がやった方が早いしDASH!


という批判が多かった。

だが仲は良いらしく、△△さんとこんな話をした…だの、××さんに○○をもらった…だの職場全体の雰囲気は良い様だった。



その中で「アツコ」という女性がいた。


話によると「アツコ」には婚約者がいて、近々結婚することが決まっているという。

工場には結婚資金を稼ぐために働きに来ているそうだ。

そんな幸せな「アツコ」だが、実は支社長と浮気しているらしい…と工場ではもっぱらの噂なんだとか。

私「へぇ…すごい人だね、そのアツコさん。現場見たの?」


龍「いや、見てはいないけど雰囲気とかで分かるよ。シフトもおかしいし。感で分かる」


感かよ…ガーンとは思ったけれど、私はその女性を知らないし、工場にも行ったことがないので真実は分からない。

噂話や人の揉め事が大好きな龍は楽しそうに「アツコ」という女性の話を私に聞かせた。


『龍が言うことはどこまで本当か分からないしDASH!私には関係ないな手』と、その時は思っていた。



しかしだんだん名前の出る回数が半端な数ではなくなってくる。
すごく引っかかるし、…なんだか違和感ムムム


龍の話に耳を傾け続けた結果、私は一つの結論に辿り着いた。


私『龍…また浮気してるダウン


その容疑は日を追うごとに確信へ変わって行った。


龍は浮気をしても、私への態度が変わることがない。


「浮気は一度限りの遊び」と言い切り、いつもと何も変わらない態度で私に接するのだ。


以前も書いたように、私は浮気をしても隠し通すならば構わないと思っている。

隠し通せば相手は「知らない」のだから傷つく事もない。

ただ生涯付き通せよビックリマークバレるなら浮気はするなパンチ!と思っているのだ。


もちろん私は浮気しないけど…。


浮気を」繰り返す龍のことだから、これから先浮気をしないなんてことはあり得ないし、龍と一緒にいるということを望んだ時点で覚悟はしていた。


しかし今回は今までと違う。

一緒にいてもなんだか余所余所しい。


それが浮気疑惑が確信に変わった要素の一つだった。



私「どうしたの?最近変だよ」


龍「…別に」



いよいよ会話まで続かない。

日が経つにつれて龍からみるみる笑顔が消えていくムンクの叫び

あれだけ毎日聞いた仕事の話も、いつの間にかめっきり聞かなくなっていた。




そのうちとうとう龍は会ってもくれなくなった。


連絡をしても出てくれるのは何度かに一度程度で、出ても会話が続かない。



その事態に私は焦りあせる無理やりにでも会おうとしたが、龍は明らかに不機嫌で


龍「これから出かけるから」

「用事があるから」



と言ってすぐに帰されてしまう状態だった。


たまにずっと一緒にいてくれる日もあった。

今までと変わらない態度で安心できた日も少なからずあったのだ。



この時はそんな不安と安心の日々が続く不安定な毎日だった。



そんな私達をよそに、世間はクリスマスの準備で賑わっていた。

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