月一回NHK文化センターで「こんなに素敵なクラシック音楽♪~ピアニストと再発見しましょ」の講座に参加しています。講師はピアニストの田原さえ先生です。
テーマは「調性について」
ヴァイオリニストの飯塚大氏をお招きして、音程についてそしてそれから発展して「調性について」なかなか興味深いお話が聞けました。
今でこそ「ラ」の基準は440㎐と世界共通で決まっているけれど昔々のヨーロッパではそんなことは全く決まっていませんでした。
だってラジオもテレビも録音機器もないんですもの。
いまでは電車で数時間、飛行機でひとっ飛びの所へも何日もかかって旅をしてようやくたどりついていましたから。
たとえばバッハの時代のドイツライプツィヒでは 415Hz、ヴィヴァルディのいたヴェネツィアでは 442Hz、ローマやヴェルサイユでは 392Hzといった具合でした。
Hz数が小さければ音は低く、数が大きければ音は高くなります。
一口に「ラ」と言ってもその高さは様々だったわけで。
でも今回の田原先生の講座は「調」の違いによる音楽の変化や特徴を見るのが目的。
肝心の基準音「ラ」が街によって異なるならば「調」の違いって一体何なんだ?
この街ではハ長調なものがあちらの街では嬰ハ長調に聴こえる?
それなら「調性」による違いなんてそもそも論議できないでしょ?
でもそこには秘密があったんです。
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オモシロいです。
ちょっと専門的ですが、音程のこと響きのこと調性のことに興味のある方は
これからでも(たぶん)受講できると思いますので NHK文化センター(仙台)さんに問い合わせてみてくださいね。
さて今回の講座でもう一つ私が面白いと思ったのは
「音楽は理系」というのが腑に落ちたということです。
実は5月30日の松岡先生のレッスンのときに
ピアノの上手な子は理系が得意な子が多いという話題になりました。
それは机の上の問題が解けるということではなく
数を体で理解している子だということでした。
つまり、距離や時間を体で感じることができる人
数の量のイメージを感覚でわかる人。
幾つ伸ばす、倍伸ばす、幾つ数える、どれくらい間隔を取る・・
ということに対してセンス(感受性)を持っている人のことです。
それは私自身がピアノを弾いている時も
子供達のピアノを聴いてレッスンしている時も実感のあることでした。
そして今回の講座。
古代ギリシャでは 音楽 は数学の一部門でした。
数学 mathematicsは ギリシャ語の「マテーマ」という言葉から来ています。
「マテーマ」は学んだことという意味から学問、さらには数学を意味するようになりました。
そのマテーマが「数(数えられる)」と「量(数えられない)」を扱う分野に分けられ
さらにはそれが「静止している」か「運動しているか」で分けられた。
静止している数を扱う科目が 数論(算術)
運動している数を扱う科目が 音楽
静止している量を扱う科目が 幾何学
運動している量を扱う科目が 天文学
(追記:写真の中の私のメモ、間違ってます。「動く数」が音楽です)
この古代ギリシャの学問の分類と、
上記の「数を感覚で捉える」ことはまさにぴったり。
量も長さも時間も紙の上にあるものではなく、体の内と外にあるんですもん。
数学というものは机の上で難しい問題をとくものだとばかり思っていました。
そして自分は「文系」音楽も「文系」だと思っていましたが、
実は動いている数を扱うもの、数を体感するもの、
というのはまさにまさに、ジャストフィットな感覚。
というわけででタイトルの「ピアノは理系」にやっとたどり着きます。
この講座は6月9日でしたが下書きを書きかけてそのまま時間がたってしまいました。
今日やっとアップにこぎつけた次第です。