昔はピアノといったらピアノ。「アコースティック」なんてわざわざ断わる必要がなかった。
電子ピアノ、電気ピアノが出てきて、メーカーがカッコイイ(?)名前をつけて売るようになってから
「アコースティック」ってつけないと普通のピアノって思われなくなってきた。
 教室に初めて習いに来る生徒には、というより親には必ず話している。
アコースティックピアノと電子・電気ピアノの違いを。
 
 ピアノは弾く人によって全然違う音が出る。指先の微妙なタッチで音色が変わる。
自分の求めている音を出すために、よく音を聞き分ける耳と細かいニュアンスを弾き分ける指先とを連動させる訓練が必要。これは電気では不可能。

 電気楽器はきれいな音しか出ない。無神経な弾き方をしても綺麗な音が出てくる。
しかしそのタッチでほんとのピアノを弾くと汚い音が出る。
本人は気づかない。
私がまねをし、次にいい音を出して聴かせる。そして弾かせる。その場では直る。
「ほらこんなにきれいな音が出るんだよね」
でも一週間たったら、もとの木阿弥。汚い音に戻ってる。

 綺麗な音しか出ない電子ピアノだが、魂をこめて弾くのは難しい。そしらぬ顔で綺麗な「音」だけが出てくる。その結果、音に気持ちを込めたり、伝えたい音色や歌い方で表現することができない。
そうなるための練習ができない。感性と技術をみがくことができない。
電子ピアノでまあまあのいい演奏ができるのはアコースティックピアノできちんと練習した人だけ。
しかしその逆はない。
 
 ご両親の考えや、おうちの都合で電子ピアノを選択することもあるだろう。
高価な買い物であるし、最近の住宅事情も影響が大きい。
もちろん電子ピアノだから音楽が楽しめない・・ということはない。
電子ピアノの人のレッスンをお断りすることもない。

でもこの違いを分かっていただいた上で選択してほしい。

 と、説明しているのに「最初からピアノじゃないとダメっていわれてびっくり」と、影で言われてびっくり。受け止め方は人それぞれ。
私は専門家として当然のことを言っているだけだし、初めてピアノに接する方は驚いて当然かも。
何か今日は後味の悪い日だったと思って書き始めたけど、書いているうちに落ち着いてきた。
こんなことに驚いていては地域のピアノ教師はつとまらない。今までだってあったこと。
理解されないのはいつものこと。でも、言われるとやっぱりショック。

これは「ピアノ教室」を開いている者の責任と考えて。

 ピアノを習うにはピアノが必要。
電子ピアノでは「ピアノ」は上手になりません。
鍵盤が同じというだけで全然ちがう楽器と思って下さい。
そのわけは・・・と、私はこれからも言い続けるでしょう。


最近すばらしいCDを購入しました。
ルビンシュタインです。タイトルは「謝肉祭」。
「謝肉祭」のほかに、「幻想小曲集」その他の小曲が入っています。
始めから終わりまでどの音をとってもすごく自然で、どんな気持ちで聴いても素直に受け止められそう。
音の流れがどんな気持ちの流れにもマッチします。
1962年の録音なので、音が悪いかなーと心配したのですが、優しくてきれいな音。
このころすでに70代だったルービンシュタインはどんな気持ちでシューマンを弾いていたのでしょう。
ジャケットの写真からもその人柄が偲ばれ、生で聴いてみたかったなあ・・とつくづく思います。
今、つらい思いをしている方にも、そして最高に幸せな方にもおすすめしたい一枚です。


日曜日はレストランでコンサート。写真はリハーサル中のものです。
ここのピアノは、40年間使用された国産のピアノを、ドイツ製の部品を使って全面的にオーバーホールし、調整したものです。かれこれ10年ぐらいたっているでしょうか。
この日はロシアのピアニスト。アンドレイ・ピサレフ氏。
繊細なピアニシモと重厚でエネルギッシュなフォルテ。
「ああ、ピアノってこういうものなんだ。」とあらためて感じさせる素晴らしい演奏でした。
日本人はエネルギッシュな場面ではどうしても
「がんばって弾いてます!」みたいな様相になってしまいがちですが、
ヨーロッパのアーティストたちは、全然そんなことがないですね。
自然体で弾いていることに驚きを感じます。
そういえばオペラもそう。
日本人は「がんばって発声してます。」
みたいな歌い方をするけど、ヨーロッパの歌い手はほんとうに自然体で
どんな動作の時も歌が乱れません。
これは技術的な問題だけではなくて、文化・・言葉とか考え方とかどんなものが好きとか
そういうことが全部関係しているんだと思います。
世界観の違いを感じます。
日本人だけど、ヨーロッパの音楽が大好きな私。
まったく文化のちがう私たちをここまでのめり込ませてくれる
西洋文化のふところの深さに感謝です。

プログラムは

  モーツァルト   ソナタハ長調 k545
           ファンタジーニ短調k397
  
  シューマン    アラベスク 作品18

  リスト      エステ荘の噴水
           ペトラルカのソネット
 
  ラフマニノフ   エレジー
           2つのプレリュード(ニ長調作品23-4 ト短調23-5)

  ショパン     ノクターン 変ニ長調 作品27-2
           即興曲   変イ長調 作品29
           スケルツォ 変ロ短調 作品31

  アンコールはスクリャービンのエチュードとリストのラ・カンパネラでした。

リハーサルからずっと聴くことができました。リハーサルはピアニシモを試しつつもガンガン飛ばしていてどうなることかと思いましたが、本番は豊富な音色と素晴らしい集中であっという間の時間でした。
リハーサルから本番へどう持っていくのか目の当たりにして、とても勉強になりました。
30名ほどの聴衆の贅沢な時間。その後おいしいいイタリアンディナーをいただいて・・・。
日本ではまだまだ知られていないピアニストですが、こういう演奏をたくさんの人に聴いて欲しいと思いました。教室の生徒たちにも聴かせたかったなあ。
 ショパンのスケルツォは何度も聴いていますが、私の中ではベストスケルツォでした。




CDにサインをもらいました。
このCDは日本ファンの一人が私財を投入して制作したものだそうです。
日本でのサイン第一号・・ということで記念にナンバーをいれてもらいました



講師会では小4以下の生徒たちの曲を決めるのに、もうひとつ決め手となるグループが欲しいのではないかと、私のほうから提案しました。

クリスマスソングを入れたら全体がもう一つ引き締まるのではないかな?と。
まだ曲の決まっていない初心者の子供たちに弾ける編曲は限られているのですが、
ありきたりのものではなく、おしゃれ心のある編曲や、簡単でも本格的なものを
選びたいと思います。

あと、宗教的なことでクリスマスソングを弾きたくない場合もあるので、
何曲かの中から選んでもらうなど、よい薦め方をしたいと考えました。

先生方も賛成してくれて、その後のレッスンで早速二人がクリスマスソングを
選びました。
7日は講師会。都合のつかなかった一人を除いて4名が集合。
まず小1以下の子どもを、一部の子を除いてグループ分けした。

今年は出演者が多いので、時間節約のため
演奏時間の短い小さい子どもたちはサンタガールと共に3~4名ずつステージに出ることにした。
一緒にお辞儀をする。
クリスマスツリーの下にサンタガールと座り、順番に弾く。
弾くのは10秒~20秒。

えっ、そんなに短いの?って思うでしょう。
短いんです。

もしひとりずつ出るとするならば・・・
子どもは歩くのが遅い。
そでからステージ中央まで歩くと、長い、長い。・・弾く時間の完全に倍はかかる。
なんとかお辞儀をし、椅子によじ登って、
さあ、弾きはじめた、と思ったらあっというまに終わる。

それもかわいいんです。
でも「もうオシマイ?」っていう思いは残ります。
孫を「見に」来たおじいちゃん、おばあちゃんも、ちょっとガッカリかも。
10秒弾くのも大変なんですけどね。

サンタガールと一緒ならみんなで1,2,1,2・・って出て、
お辞儀の時に立ち往生する心配もない。
ツリーの下でサンタさんと一緒なんてかわいいじゃない?
シャッターチャンスも充分。

というわけで、今年、6組20名の子供たちがサンタガールと一緒にステージにやってきます。

サンタガールは誰でしょう。
近くに住んでいるバレエを習っている中学生の女の子です。
スラリとしたバレエ体形。
やさしい顔立ちと性格。
彼女にサンタさんになってもらって、
子どもたちのリード、
椅子や足台の直しをしてくれるよう、
お願いしたら、
快く引き受けて下さいました。
バレエの先生とは知り合いなので、先生の方から声をかけていただきました。