先週の木曜日、
レッスン室に新顔のピアノが入りました。
とはいっても、
「新しい」ピアノではありません。
たぶん、
100年くらい前に作られたんじゃないかなあ・・・・
と、推定されるピアノです。
知人がウィーンで見つけて、
夫にオーバーホールを勧めました。
夫は、そのピアノを譲り受けて、
どうしようか、ずっと迷っていました。
(5年以上、梱包したまま置いてありました)
でも、一年ほど前から、
通常の仕事の合間にすこしずつ作業を進めて行きました。
黒い塗装は剥がしました。
弦を張った時は、
通常のA=440Hzで調律して、
一晩たって、朝見てみたら
弦が3本ほど切れていたそうです。
昔のピアノは今より低く調律されていたので、
多分それを想定して、設計されているのだろうということでした。
そこで、
モーツァルトが好んだという(本当かどうかわかりませんが)
A=421,6Hzに調律してあります。
現代のピアノより半音近く低いです。



弾いてみると、
音色が豊富で、
意外とレンジが広く、
いろいろなタッチに気持ちよく反応してくれます。
いつものピアノでレッスンした後で
「こっちで、弾いてごらん」と、
子供たちに弾かせると
半音低いので
目を白黒。
トルコ行進曲を二台のピアノで弾いたら
ウィーンのピアノに子どもたちの軍配があがります。


子供たちのレッスンが終わった後は、先生たちの番です。
お招きした、二人の先生は素晴らしいアンサンブルをして下さるので、
教室の講師陣も、去年から
アンサンブルでのレッスンも、受けるようになりました。

特に今年は2台のピアノを使えるよう会場を設営したので、
2台4手のアンサンブルができて、楽しかったです。

でも、アンサンブルってやっぱり難しい。
自分のパートは、空気のように聴けて、弾けて、
なおかつ相手のを同時に聴いて
全体を把握しなくてはいけないから・・・・

最初のうちは、相手のを聴いてたら、合わない・・・・んです。
でもだんだん、聴けるようになってきて・・・

でもまだまだ、自分のパートしか聴いていないことに気づいて、
はっとすることが多いです。








前記事のfについて。
たったひとつのフォルテでも、演奏家によって弾かれたり、弾かれなかったり、
その表現は様々です。
音楽って本当におもしろいですね。



写真は上から、
    MICHAEL・ANDREのシューマン/ユーゲントアルバム全曲
    伊藤 恵(伊藤 恵)のシューマニアーナⅩ
                 (ユーゲントアルバム全曲と子どものためのいくつかの小品)
    井上直幸の「象さんの子守唄」 ユーゲントアルバムの中から10曲が入っています。

 ユーゲントアルバムは、子どものピアノレッスンでは、よく弾かれるものだと思うのですが
全曲録音されたCDは少ないようです。

 MICHAEL・ANDREのCDはかなり探して入手しましたが、
私はこの演奏が大好きです。
昨日の記事で、取り上げたフォルテが忠実に演奏されていて、面白いですよ。

 伊藤恵さんも大好きなピアニストの一人ですが、
「兵士の行進」はここをフォルテにはせず、フレーズの終わりとして扱っています。

 井上直幸さんは、NHKの「ピアノのおけいこ」にご出演以来、私は大ファンだったのですが、
悲しいことに何年か前、病気でお亡くなりになりました。
「象さんの子守唄」は、晩年にご自宅で録音されたものです。
他にモーツァルやシューベルトの小品もはいっていて、
優しく暖かい音色が、心に沁みる一枚です。
伊藤恵さんとおなじく、問題のフォルテは演奏されていません。
 でも、はっと胸を付かれるようなものが全体に流れていて大好きです。






今回シューマンの「兵士の行進」を弾いたYちゃんは、
ヘンレ版のシューマン「ユーゲントアルバム」を使用しました。
いちばん上の楽譜のピンクの印のところにご注目!
f(フォルテ)~強くの意~がはっきりと書かれています。

私とのレッスンの時はYちゃんと、
「兵士のお人形が歩いているのをワッ!とおどかしちゃったところね」
って、言ってレッスンしていました。

でも、そのYちゃんの演奏を聴いたH先生(今回お招きした先生です)は、
「ここ、楽譜はこうなってるけど不自然だよ。
ここだけフォルテにするの、やめよう!」

ここのニュアンスを表現するのに苦労していたYちゃんは、嬉しそう!

翌日、H先生と二人だけの時に質問しました。
「CDの演奏でもここがフォルテになっているものもあったので、
遊んでてワッ!!っておどかすような感じね・・・って言って弾いてたんです。
ほらこんな風に・・・(と、私が弾いてみました」

「あ、そんな風にゆみみ先生が弾くといいのよ。ヘンじゃないよ。
でも、昨日のように中途半端になるんだったら、やめた方がいいよね。
だって、ここ、フレーズとしてはフォルテになるところじゃないものね。」

うーん、なるほど。
ちなみに、日本で出版されている楽譜は、ここのフォルテがないものが多いようです。
二番目と三番目の楽譜は、日本で出版されているものです。
ピンクの印にご注目。

シューマンはヘンレ版がいいと思っていたので、
それに従って表現させようとしていたけど、
まず演奏する子どもが、その音楽の流れに共感しなければ、
表現することもできなくなってしまうし、
聴く人の心にも響かないんだなあ・・・・と思いました。

生徒がレッスンをしていただくことで、
私たち指導者もとても勉強になります。


同じ日の講座終了後、
今度は個人レッスンです。

初めは小学生、
シューマンのユーゲントアルバムから。
兵士の行進、のレッスンで、
指を落とすことより、
上げることを意識してみて・・・
と、
曲に合わせて、
ジャンプ!!