最初は断りから始まった超セレブなお客さま。
出会いから4ヶ月後、大邸宅が完成し、
とうとう商品を納品する日がやってきました。
私が勤めていた家具店は、契約した日ではなく、
納品した日に売上げが上がる仕組み。
売上額は、なんと3200万円!!
3200万円という金額がどんな数字かというと、
全店のトップセールスマンの1ヶ月に出す売上の
2倍以上に相当します。
また、私と同じパート社員と比較するならば、
1ヶ月の売上平均の約100倍に当たります。
そんなとんでもない売上数字を、
時給が1000円足らずのパートがたった1日で
上げてしまった・・・
周りから「前代未聞の数字」と驚かれました。
家を売ったわけではもちろんありません。
一軒の邸宅の家具、カーテン、照明、敷物、
インテリア小物、庭に置くものに至るまで、
ご提案したものをすべてご購入いただきました。
お客さまはなぜか、
「一日ですべて納品し、
その日から暮らせるようにしてほしい」
と希望されました。
これだけの量をたった1日で納める・・・
普通はありえないことです。
搬入には配送トラックが15台以上並び、
配送スタッフは20名以上。
納品には17時間もかかり、
すべてが終わったのは、夜中の12時をまわって
いました。
私は安堵と充足感に満たされながら
帰途につきました。
インテリアの完成度についてですが、
奥さまのセンスの良さに助けられ、
たいへん素敵な住空間になりました。
インテリア雑誌やテレビの情報番組
にも取り上げられるほどで
お客さまにも喜んでいただくことができました。
あの時、お客さまは何故「1日ですべて納めるように」
と無理をおっしゃったのか分かりません。
しかし、十数年経って独立した今、
あのご要望のおかげで、
とても仕事がやりやすくなっているという
現実があります。
どういうことかと言うと、
起業した私をご紹介くださる方や、取材にきた方は必ず、
「あの大手家具店で、パートで1日に3200万円売上げた人」
と、まるで、キャッチフレーズのように言うのです。
お陰で印象強く覚えてもらえることが多い。
自分に都合よくとらえれば、お客様のあのご要望は、
神様からのプレゼントだったのかもしれません。
前代未聞の売上げ数字を上げた私は、
半年後にパートから初の嘱託社員に昇格しました。
そして、そのまた3年後には、正社員に昇格し、
平社員から突然、人財育成部の管理職に
抜擢されることになります。
3200万円という一度だけの売上げが
それらをすべて引き寄せたわけではありませんが、
きっかけとなったことは間違いないと思っています。
「ここでは買わないよ。家のすべてはアメリカの
デザイナーにすべて任せているから」と
初めは‟断り“から始まったお客さまでした。
あの時に諦めていたらどうなっていたでしょう。
営業も経営も諦めないこと。そして、
お客さまの幸せを最優先させることの大切さを
この出来事は教えてくれていると思うのです。
運が良かったからではなく、
「こころの営業」をつらぬき通したからこその結果。
だから、私にだけでなく、誰にでも起こり得る。
このことを一人でも多くの方に
受け取ってもらいたいと願っています。
次回もまた読んでくださいね
※文中の画像はイメージです
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