46.1.「東西南北」に当たる英語は



「東西南北」という順は日本語での順である。英語での語順は、次のようになっている:

   

North, South, East, West


日本人はなぜか、東西を南北(英語的には北南)より意識しているように思われる。

英米人はこれに対し、多くの場合、north はどちらか意識しているように思われる。彼らと新しい土地に行った時、私はよく次のように訊かれるのである。


   Which way is the north?


というわけで、「北」と「南」では、英語では「北」を先に挙げるのである。

「東北」「西北」は、英語ではそれぞれ north-east, north-west の順で表している。

「東西」のほうは、eastを先に言うので日本語と同じである。


45. metropolice; metropolitan



metropoliceは語形的には metro+policeであり、その語源的意味は次のような構成になっている。


<metro←ギリシャ語のmetere(母)+police(都市)>


すなわち、<mother city>というのが直訳。いくつかある都市の中の、その国にとっての主要都市のことで、Capital(首都)が一ヶ所であるのに対し、metropoliceは必ずしも1つだけとは限らない。


metropolitanは、もちろんmetropolice の形容詞。

米国の首都はワシントン(D.C.)であるからmetropolice であるが、ニューヨーク・シティもmetropoliceであり、metropolitan という形容詞を冠した建物や組織がいくつもある。


[付]パリやワシントン(D.C.)の地下鉄のことを住民は、metro と略しているし、D.C.の市バスは確か、metrobus と呼ばれていたと思う。



44.policeとはどういうものだったか-西洋における起源



先に43で、police department と police station とn違いを取り上げた。いずれにしろ、そこで働いている多くの人々は、police officer(s)である。これとの関連で、そもそも policeというものについて、その西洋(西欧)における歴史的起源に言及しておく。


旧制中学校の西洋史の時間に習ったことを思い出してみると、police は大昔のギリシャ社会での自治体制度の発達において、社会の安全、防衛、保持などのために、その任にあたる市民要員組織としてできたもので、当時のギリシャ語でこういう組織をポリス(police)と呼び始めた。<ポリス><シビタス><シテー>という相互に関連している存在であったようである。


古代ギリシャのこのような市民組織がローマ帝国でも採り入れられて、それが古期フランスに移り、それが中世の英国にも入り、英国における王制社会でどう変容して行ったのかは、私の知識を超える史実であるので、この辺でペンを置かなくてはならない。繰り返しになるが、police, city, citizenship, self-government, local governmentといったことは、社会史においてはみなつながっている。そして近代社会形成でも必要な概念(思想)であり、存在体なのであった。

「police=警察」ですませられることではない、と言えよう。