44.policeとはどういうものだったか-西洋における起源
先に43で、police department と police station とn違いを取り上げた。いずれにしろ、そこで働いている多くの人々は、police officer(s)である。これとの関連で、そもそも policeというものについて、その西洋(西欧)における歴史的起源に言及しておく。
旧制中学校の西洋史の時間に習ったことを思い出してみると、police は大昔のギリシャ社会での自治体制度の発達において、社会の安全、防衛、保持などのために、その任にあたる市民要員組織としてできたもので、当時のギリシャ語でこういう組織をポリス(police)と呼び始めた。<ポリス><シビタス><シテー>という相互に関連している存在であったようである。
古代ギリシャのこのような市民組織がローマ帝国でも採り入れられて、それが古期フランスに移り、それが中世の英国にも入り、英国における王制社会でどう変容して行ったのかは、私の知識を超える史実であるので、この辺でペンを置かなくてはならない。繰り返しになるが、police, city, citizenship, self-government, local governmentといったことは、社会史においてはみなつながっている。そして近代社会形成でも必要な概念(思想)であり、存在体なのであった。
「police=警察」ですませられることではない、と言えよう。