73.1. Oh, water!

これを「あっ、水だ!」と訳してみても、あまりに漠然としているし、こういう発話が口をついて出る状況にはいろいろな場合が考えられる。ここでは私と米国人の友人がある時ある所で2人でいた時、その友人が“Oh, water!”と口走ったのを聞いたことを書き留めておきたい。

このある時ある所でというのは、東武電車の浅草駅で、日光行きの特急「けごん」に乗ろうとしていた時である。プラットフォームからビルとビルの間に隅田川が見えていたのであるが、それを見て私の友人の米国人は、

“Oh, water!”

と言ったのであった。この発言は、私にはきわめて興味深かったので、一応“That's the Sumida River.”と教えるとともに、彼になぜ“water”と言ったのか、説明して欲しいと言ったところ、ここから見えたものは水域であるが、それが川(河)なのか貯水池なのかは分からないから、とりあえずは“water”としか言えなかったのだ、と言ったのである。確かに、見えた水が流れているのかもはっきりしていなかったのである。

[付]ついでながら、この日の数日後、私が大学院で習い、何かと親しくして頂いた宮内秀雄先生(東大講師)と三省堂出版の顧問室で語学談義をしていた時、この“Oh, water!”について話しを持ち出したところ、日本語で「水だ!」と言ったら、洪水で水が押し寄せてきた時などだったら言えることだが、とコメントされたのであった。

72.2. 外車 Golf の名称の意味は?


私の自動車運転歴は、今の若い人と違って42歳の時からである。乗用車を買ってそれが持つのは約8~10年であり、持っているうちに故障が多くなり、そのために費用もかさむので、結局新車に買い換えることになる。

私の場合は「GM」→「ブルーバード」→「アコード」→「Golf」→「マーチ」と乗ってきたのである。この各々のメーカーがすぐわかる人とそうでない人がいる。メーカーがわかるからと言って、別に偉くもなんともないのはもちろんである。またこのうち「GM」と「Golf」は外車で、GMは米国製、Golfはドイツ製である。

このドイツ製のGolfは、ドイツの Volks Wagen 社製であり、日本車より重厚な感じで乗り勝手もよかった。

ところで、私は買って乗り出した時から、Golfという名前が気になっていた。というのは私の感覚では、このGolfがスポーツの「ゴルフ」でありうるはずはないと思ったからである。 在日のドイツ人の知人に聞いても、またドイツで英語を教えた後に英国に戻った英国人に聞いても皆、このGolfという社名の由来はわからない(知らない)と言うのである。

ふと、大学生時代に私は『独英辞典』を買って少しは引いていた辞典があるの思い出し、それを取り出してドイツ語でGolfを聞いてみると、なんと「Golf=Gulf」と出ていて、そこにはさらに「Golf storm=Gulf stream」とあるではないか。Gulf streamとは、「メキシコ湾岸潮流」ということである。この潮流は大西洋を東へと流れ、ヨーロッパに風や雨をもたらすことがわかったのである。

自動車に「風」の名前をつけるのはよくあることで、フランスの自動車に「Mistral」、日本のトヨタには「Windam」というのがある。したがってこれにドイツ車のゴルフ(Golf)があるのはごく自然なことである。

[補]VW Golfの VW は Volks Wagen(米英語読みはヴォルクスワーゴンであろう)、つまりPeople's Carということであるから、<民衆車>ということである。しかし日本での販売価格は、安くても1台250万円ほどである。
72.1. “Warning: gusty wind”


私が中年の頃、レンタカーを借りてほうぼう回った国は、オーストラリア、ニュージーランド、米国の一部、英国(イングランド、スコットランド)、カナダの一部などであった。そういう時は、だいたいが都市ではなく、年を出て自然の中(out in the country)に出かけたのであるが、山あいの道路、崖状の細い道路、急坂、長くゆるい坂道など、いろいろな形状のところを走ったものである。

そういう自然の中でのドライブの際、この見出しの英語の交通表示を時に見かけたものである。日本語にすると<突風注意>とか<突風あり、用心せよ>ということであり、事実、そういうところがしばしば強い風がよく吹き抜けていて、運転していた自動車が横ゆれしそうで怖い思いをしたものである。