73.4.「堤防(土手)」

私の大学生(文学部英文科)時代の恩師の一人である英文科主任教授、福原麟太郎先生は、英国のイングランドのhillについて興味深いことを言われたことは、既に67.1.で紹介した。

同教授(先生のニックネームは「フクリン」であった)は、「土手」についても次のようなことを話して下さった。

「小川のほとりは、日本の大きな川の土手のように土を盛り上げて高くなっているのではなく、川の流れの両側に草や茂みがあるだけで、流れとの境がはっきりしていないことが多い。それは、そういう小川の流れは大して深くないのです。ただ、流れはかなり速いことが多い」

後年イングランドのカントリーサイドを流れている小川の土手に当たるところを実際に目にしてみて、フクリン先生の言われたようになっていたのであった。

(続く)

73.3.“A stream ahead.”




米国のオレゴン州やバージニア州などの街道を米国人の運転で走ったことがある。そういう時、前方に向かって道路が少しずつ昇って行くその左右に堤防(土手)が見えると、運転していた友人は、





“A stream ahead.”





と言うのである。そして自動車は川(河)の橋を渡るのであるが、日本人ならriverと言うところであった。





質問好きの私は、例えば次のように訊いたものである。





O:You said, “a stream” but you don't call it a river, do you?


A:Well, to us rivers are like the Mississippi, the Columbia, the Hudson. Most of the others are not long and wide enough. We call them just streams.





私など、旧制中学生の時に、stream=流れ、brook=小川、などのように憶えてしまっていたが、米国での河川事情とそれを表す英語はそういう学校英語知識では不十分である、と思ったものである。





また米国英語と英国英語では、河川を表す語の用法は異なっている面もあるはずであるが、私はまだ何か言えるほど分かっているわけではないので、これには言及しないことにする。


73.2.a body of water

先の“Oh, water!”の関連で、私はこの見出しの表現を思い出したのである。これを直訳して<水の体>などと理解したら妙なものである。このbodyは体積ある土、砂、水、液体を表している用法で、物、液、気という日本語の「体」と似ているのも興味深い。

東武線から見えたwaterも、この“a body of water”だったのである。