76.1「石」「草」「風」に当たる英単語は2つずつある


上述のように2つずつある英単語を、下の空所に書き入れなさい、と大学生や社会人にしてもらうと、どの程度出来るであろうか。


「石」
1.
2.

「草」
1.
2.

「風」
1.
2.


全部出来れば、6個あるいは7個の英単語を思いつけたはずである。


私が期待している6個の英単語は、次の通りである(「風」3は、思いつかなくてもよいものとする)。


「石」
1.stone
2.rock

「草」
1.grass
2.weed(s)


1.breeze
2.wind
(3.air)


このリストでは、付けられた番号に意味があるのである。

1は、ニュートラルかプラスイメージの語である。
2は、マイナスイメージの語である。

1のgrassは、まず普通には「芝生」のことを表していることが多い。
1のbreezeは、もっとも心地良いイメージの語である「そよ風」のこと。

2のrockは「岩」のことだけでなく「小石」のことも指しうる(<どこからともなくrockが飛んで来て、窓ガラスを破った>という場合など)。
2のweedsは「雑草」のこと。

3のairは冷凍機器から吹き出てくるもので、あれは日本語では「風」であるが、英語では、air、特にcool airである。だから、air conditionerと呼んでいる。
75.I'm going to shave. Bring me a basin of water(続き)


(b)私の体験談も一つ。これは別に失敗談ではない。昭和40年(1965年)頃、私は山形市中学英語教育研究会に招かれて講演しに行ったのであるが、それを知って私と日米共同研究をした滞日中の米国人 Bates Hoffer氏(テキサス大学博士課程院生、後に米国のSan Antonio大学教授)が付いていきたい、というので同行した。

その夜の宴会も終わって、宿の上の山温泉に泊まったのであるが、彼にとって温泉に入るのは初めてであった。熱すぎてすぐに飛び出してしまったのだ。一方私は熱くとも温泉に浸かっていたところ、彼はびっくりしてこう叫んだのであった。

“How can you stay in the water so long?”

この場合の in the water を「水の中」と解釈してはいけない。water が「水」のことか「湯」のことかは、その時の状況から判断するのである。

75.I'm going to shave. Bring me a basin of water

(a)あの戦争も終わって(1945年8月15日)、秋には占領軍が東京に来て、制服姿の軍関係者が都内の各所にプレハブ式の住宅か、洋館のある焼け残った日本家屋に住み始めた。妻を米国本土から呼び寄せ、家庭生活を始めたわけだが、お手伝いさんとして、日本人の house maid、家によっては更に house boy を雇っていた。お金のためにこうした仕事をした人のほかに、英語を身に付けたくて働いた若者も多かったと聞く。このメイドをした経験のある当時青山学院の女子大学生だった人から聞いた、実に興味ある体験を紹介しておきたい。

彼女は英語を身に付けたくて、メイドとして米軍関係者宅で働くことになって、住み込みを始めて早くも翌朝、見出しに掲げた英文を言われたが、失敗をしてしまったとか。

a basin of water を直訳的に「洗面器一杯の水」と取ったので、洗面器に一杯「水」を入れて、ご主人の所に持って行ったら、「私が髭を剃るのにwaterが必要だと言ったら、その場合のwaterは hot water に決まっているのに、それが分からないとは!」と言われてしまったのである。
(続き)