88.3.croissant(クロワサン)


この語のつづり字のoiの発音、語尾のtを読まないことから、元はフランス菓子パンであったものが英国にも入ったものだ、と見当がすぐつくはずである。croissantの原義は「三日月」ということで、英語のcrescentの英語的発音は「クルワサング」である。

これも近年は、日本のパンにも並ぶようになった(もっとも日本のは、それほど三日月形をしていないのだが)。私がcroissantを初めて食べたのは、米国の学会の大会での coffee break の時、コーヒー(紅茶)のテーブル台の上に山積みされていて、自由に取ってよいことになっていたので、そこで食べたのが初めてであった。味は日本の揚げパンに似ている、と思った。

88.2.'Danish'いかがですか?


太平洋岸西北部のシアトルからシカゴまで行く国内線の飛行機中で出されたsnackのことである。
離陸後20分くらいして水平飛行となったので、本か機内誌を読み始めたか、浅い眠りに付き始めていたのである。

フライトアテンダントの声が聞こえていた。“Tea or coffee?”は聴き慣れていたが、その他に何やら言っているが、まだ数列離れていたのでよく聞こえないし、眠くもあった。とうとう私のところの至近距離に来て、それがよく聞き取れたのである。“Danish?”と訊いているのである。DanishはDenmark(デンマーク)の形容詞形であるが、「デンマークの何のことか?(Danish what?)」と心の中で思ったものである。
とうとう私にDanish?と言ったので、何でも見てみよう、食べてみよう、という旅哲学によっている私は、“What is a Danish?”などと訊かずに、“Yes, please.”と言って食べた。日本で子どもの頃食べた甘食パンを少し油こくしたようなものでチーズの味もした。甘かったことだけは未だに覚えている。美味であった。

今では、日本のパン屋によっては「デニッシュ・パン」などと名付けて、似たものを売っているようである。

88.1.パンの種類(続き3)

bagle(ベーグル・パン)は、近頃は東京でもほうぼうで売っていて、私の家の近くの荻窪駅の駅ビル(ルミネ・ビル)の中でも、bagle専門店がある。bagleは元々、ドイツやオランダあたりから米国に移住したユダヤ人たちが作って食べていたもので、私も初めて米国に行って国際学会に出席した時、午前と午後のコーヒー・ブレイクの時に、チーズを挟んだbagleを初めて食べてみて、妙な味のパンだと思ったものである。慣れてくると、これまでその独特の地味な美しさにいいものだと思うようになったものである。