88.1.パンの種類(続き2)


[注]「フランス・パン」とも呼んでいるbaguetteは、2週間パリに滞在中、ホームステイしていた家で毎日食べていた。今でこそ、日本のスーパーでも売っている所が多いが、初めて食べた時、その皮の硬いのには驚いた。しかしこれを毎日噛みしめているうちに次第にその味の良さに慣れていったものである。

東京では、昭和40年(1965年)頃、青山通りの「ドンク」というパン屋でこれを売り出したと思うが、それを買うとパラフィン紙の長い筒状の袋に入れてくれたのであるが、パリのパン屋(boulangerie)で棒状のこのパンを買っても包んでくれず、むき出しであった。見ていると、フランス人はそのむき出しのパンを篭にそのまま入れたり、メトロの駅や公園のベンチに平気で置いているのであった。また、メトロの車内で、若者がナイフで棒状のフランスパンを切っては口に入れて噛んでいたのを見て、<所変われば流儀も変わる>ものだと思ったものである。

(続く)
88.1.パンの種類(続き)


日本語の「パン」というカタカナ語は何語から来たのか、ぐらいは思いを致してもよいであろう。そもそも日本史において、日本に西洋人が初めて来たのは何年のことであるか、それは鉄砲伝来の都市とほぼ同じ1543年頃であっただろう。またそれはどこの国の人であろうか、それはポルトガル人であった。

ポルトガル語でパンは pao である(aの上に線)。それが当時の日本人の耳に「パン」と聞こえたのかもしれない。これらのポルトガル人が日本に上陸後、滞在中ずっと米飯を食べていたとは考えにくいからである。自分たちで小麦の類を調達し、パンもドキのものを作っていたと思われる。そして彼らと接触のあった一部の日本人は、時にはパンをもらって食べてみたであろう。

日本でパンが本格的に作られたのは、明治3年(1870年)当時は東京の芝にあり、後に銀座に移った木村屋によってであった、何かで読んだことがある。

ではそのパンの種類を、私の思いつく範囲で挙げてみる。

まず日本語で挙げてみる。多くはカタカナ語である。もともと西洋のものであったのを日本語に借用したのであるから、そういうことになる。

・食パン
・ロール・パン
・(戦後数年間あった)コッペパン
・フランスパン
・レーズン・パン

英語では、もっと種類が多い。

・bread(パンの総称であるとともに「食パン」のこと)
・roll
・bun
・baguet(あるいはbaquette)、French breadとも言う
・croissant(クロワッサン)
・Danish
・loaf
・bagel(beigel)

などである。
(続く)

88.1.パンの種類


私の書庫には私が中年の頃寄贈された百科事典が4セットぐらいあるものの、私はめったに引いたことがない。それより買い集めたおいた単行本の中にいろいろな事項を扱ったものがあり、それには児童もの(小学生中学年、高学年)、中等学校生向きのものがあり、そのほうを読んで楽しんでいることが多い。

そういう児童もので、P.R.Limburg, The Story of Corn(1920)というのがあり、楽しく読んだ覚えがある。同様にして The Story of Bread という本があれば良いのであるが、そんな本があるのかどうか、いずれにしろ私は持っていない。ただパンの起源については、C.Panati, The Browser's Book of Beginnings(1984)という、いろいろな事物の起源を簡単に記した本は持っている。パンの起源については30行ほど記しているだけである。それによると、人類がパンを作り食べるようになったのは、紀元前(BC)数千年前であったろう、とあり、これはまた小麦、大麦の栽培の歴史をも関わっていることがわかる。
(続く)