SF小説 おすすめベスト10 | 文学どうでしょう

文学どうでしょう

立宮翔太の読書ブログです。
日々読んだ本を紹介しています。

第1位 われはロボット


われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)/早川書房

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アイザック・アシモフ『われはロボット』(ハヤカワ文庫SF)

SFを読んでみたいけれど、なにから読んだらいいのかなあ? という方に一番おすすめなのがこの『われはロボット』。「ロボット三原則」の盲点によって生まれたロボットのエラーの謎に挑む短編集で、読みやすいですし、なによりミステリ仕立てになっているので、短編ごとにあっと驚かされ、知的好奇心が満たされる面白さがあります。

第2位 華氏451度


華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)/早川書房

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レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(ハヤカワ文庫SF)

自由な発想を防ぎ、安定した国家運営をするために、本を読むことはおろか所持すら禁じられてしまった近未来。ところが、本を焼く仕事をしている役人のガイ・モンターグは、ひょんなことから本の素晴らしさに目覚めてしまって……。本好きなら一度は読んで欲しい、あってほしくない未来の世界を描いた「ディストピア」ものの名作です。

第3位 スキャナー・ダークリー


スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)/早川書房

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P・K・ディック『スキャナー・ダークリー』(ハヤカワ文庫SF)

目の前にある現実が幻想と入り混じり、まるで現実が崩壊していくような物語世界がディックの醍醐味ですが、そうした点でずば抜けて面白い作品。普段は仲間にも正体が分からないように特殊なスーツを着ているおとり捜査官S・A・フレッドは上司から重要人物の監視を命じられます。しかしその監視対象はなんと潜入している自分で……。

第4位 幼年期の終わり


幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)/光文社

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アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫)

世界中の大都市の上空に突如現れた巨大なUFO。宇宙人との侵略戦争を思わせる場面から物語は始まります。ところがUFOからの攻撃はなかったのでした。彼らの狙いは何なのか? 物語よりも科学性を重視した「ハードSF」ならではの読みづらさはありますが、まさにSFでしか味わえない興奮を感じさせてくれる鳥肌ものの名作です。

第5位 月は無慈悲な夜の女王


月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)/早川書房

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ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』(ハヤカワ文庫SF)

左腕に特殊な人工腕を持つコンピュータ技術者マニーは、ひょんなことから地球の植民地になっている月世界の独立運動に参加することになって……。この小説が何より面白いのは、SFではなにかと敵側にまわりやすいネットワークを持つコンピュータが味方になること。ちょっとお茶目なコンピュータ、マイクとの絆にぐっとさせられます。

第6位 ソラリス


ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)/国書刊行会

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スタニスワフ・レム『ソラリス』(国書刊行会)

海のようなものを持つ星ソラリスを観察するために作られた宇宙ステーション。そこでは次第に奇妙なことが起こっていきます。やがては死んだはずの恋人ハリーが目の前に現われて……。宇宙を舞台にしたSFですが、人間が存在するとはなにか? という哲学的なテーマを孕んだ作品。原語からの翻訳である国書刊行会の本がおすすめです。

第7位 星を継ぐもの


星を継ぐもの (創元SF文庫)/東京創元社

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J・P・ホーガン『星を継ぐもの』(創元SF文庫)

月で発見された正体不明の死体。放射性炭素の測定の結果、5万年以上前の人間であることが分かりました。しかし、そんな太古に月へ来ることの出来た文明があったのでしょうか?  様々な領域の学者が仮説を元に議論を交わす「ハードSF」ですが、ミステリとしても評価の高い作品。ぼくがSFで一番衝撃を受けた作品かもしれません。

第8位 虎よ、虎よ!


虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)/早川書房

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アルフレッド・ベスタ―『虎よ、虎よ!』(ハヤカワ文庫SF)

宇宙を舞台にした冒険小説を読みたいという方におすすめなのが、この『虎よ、虎よ!』。誰もが「ジョウント」というテレポーテーションが出来るようになった近未来、自分を見捨て、体に醜い模様が刻まれるきっかけを作った船に復讐するため、自らの体を改造し、裏で暗躍しながら社交界でのしあがっていくガリヴァー・フォイルの物語。

第9位 タイタンの妖女


タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)/早川書房

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カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』(ハヤカワ文庫SF)

「時間等曲率漏斗」に飛び込み、消えたり現れたりするようになったラムファードの予言に翻弄されるマラカイ・コンスタントは、数奇な運命をたどって……。ばらばらの断片をパッチワーク的に繫げたような印象の物語なので、読みづらさはありますが、哀しみをスラップスティック(喜劇的)に描く、ヴォネガットの真骨頂が味わえる傑作。

第10位 モロー博士の島


モロー博士の島 (創元SF文庫)/東京創元社

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H・G・ウェルズ『モロー博士の島』(創元SF文庫)

SFの元祖ウェルズが今なお面白いのは、科学的な発想にすぐれているということも勿論ありますが、それよりも何よりも鋭い社会風刺が古びていないからでしょう。恐ろしい実験によって動物から作られた限りなく人間に近い生命体を描き、人間社会を諷刺したこの『モロー博士の島』は、今なお新鮮な驚きでもって読者の心を揺さぶります。

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