前回のブログでは、ワーグナー指揮者のバレンボイム(82歳)について取り上げましたが、ご本人はできる限り指揮をしたいそうですが、パーキンソン病ですと、さすがにワーグナーの指揮は難しいでしょう。筆者の感覚ですと、真のワーグナー指揮者が減ってきていることを危惧しております。真のワーグナー指揮者を私なりに条件付けすると、1.「バイロイト音楽祭の『指環』の指揮者に複数回呼ばれている」、2.「ドイツ語がネイティブスピーカーである」であるとします。ワーグナーの大作は膨大な音楽とドイツ語のセリフ、劇場で演出などの制作チームとのスムーズなドイツ語でのコミュニケーションが求められるからです。現役の指揮者で上記の2つに当てはまるのは、A.フィッシャー、ティーレマン、K. ペトレンコ、P.ジョルダン(=バイロイトの指環は演出のせいで自ら降板)の4人くらいではないでしょうか。A.フィッシャーは75歳なので、体力的にワーグナー公演は減っていくかもしれないので、残りの3人が筆者の考える真のワーグナー指揮者であり、50歳のP. ジョルダンより若い世代の指揮者でワーグナーを得意とする指揮者があまりいないことが懸念点です。
バイロイト音楽祭に登場した指揮者のリストはこちらです↓。
ウォルフガングやエヴァ&カタリーナ時代の指揮者の選定は素晴らしいですが、カタリーナ時代になってからは、ドミンゴ(ワルキューレ指揮)やリーニフ、シュトゥツマンなど少し微妙になっています。