今日はガルシア・ガルシアのピアノ・リサイタルに行きましたが、何点か違和感がありました。19時開演と思っていたら、チケットには18時半開演と書いてあり、かなり焦ってタクシーで高速に乗って10分前に間に合いました。18時半開演としたのは、どうもアンコールが多いからみたいです。アンコールは7曲あり、終演時間が21:10頃でしたから、通常の19時開演だと21:40過ぎに終わるので、ホールからもお客様からも問題の時間になります。7曲のアンコールの合間に帰るお客様が先日のユジャ公演より目立ち、最後の7曲目まで聴いていたのは全体の3/4くらいかもしれません。この点はユジャ様の方がカリスマ性があるように思えます。この2週間でマツーエフ、ユジャ、ガルシア・ガルシアのリサイタルを聴いてきましたが、アンコール3曲以上と言うのはスタンダードになってきたような気がします。先月の当ブログでキーシンは「少なくとも3曲のアンコールを用意している」と発言していることについて取り上げましたが、これも影響しているのでしょうか↓。


ホールに入ると、FAZIOLIがステージ奥に設置おり、これも珍しいです。音響効果としてホール全体に音を飛ばすために奥にしたのか、理由は不明ですが、1階席で聴いていると音のクリアさやシャープさが少しぼやけているように思えました。ガルシア・ガルシアはこのピアノの位置でも、ステージ前方まで出てきてお辞儀をするので、アンコールの時などは毎回の行き来に時間がかかります。


今回のレビューは全ての曲に言及をしませんが、ガルシア・ガルシアの名物である演奏しながらの唸り声ないしは鼻歌が炸裂していて(特に前半のショパン)、

ショパン「バラード」では小さなアリアを歌っているレベルの音量の歌を歌いながらの演奏でした。情感豊かで繊細なバラードを歌いたくなる気持ちは分からないでもないです。かなりのボリュームでの歌ですので、演奏もダイナミックでした。他にもショパン「3つのマズルカ」も歌ごころたっぷりで、冒頭の広告にある「鍵盤から溢れる歌声」を楽しむことができました。ピアノと歌を楽しむような前半でした。前半のガルシア・ガルシアは白いボウタイでしたが、後半は黒のボウタイになりました。


後半のリストはガルシア・ガルシアの大胆な表現を出せるプログラムが並びます。リスト「尼僧院の僧房」は悲壮感のある表現で、強い打鍵で嘆いているかのような感情の激しさを感じました。リストのソナタの第1楽章は低音域の動的表現が印象的で豪壮なピアニズムの展開、第2楽章は甘美でエモーショナルな表現、第3楽章は激しい感情を出しながらの超絶技巧が披露され、ラストパートでは思索的な表現で静かに曲を閉じました。アンコール7曲はスクリャーピンとドビュッシーの小品が中心で、流麗で美しいスクリャーピンの練習曲や、甘美な流れと遊び心を入れたドビュッシーの前奏曲が印象的でした。

(追記: 6/21)

今回のピアノ位置について、ガルシア・ガルシア本人のX投稿でコメントしています↓。(このブログの投稿前に発信されていたようです)




(評価)★★★⭐︎ ガルシア・ガルシア・ワールドを楽しめました。

*勝手ながら5段階評価でレビューしております

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★: 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演 

(★五つ星は年間10回以内に制限しております)


《曲目》

・ショパン: バラード2番

・ショパン: スケルツォ4番

・ショパン: スケルツォ3番

・ショパン: 3つのマズルカ作品63

・ショパン: バラード4番

・リスト: 尼僧院の僧房

・リスト: 伝説より第2曲「水の上を歩くパウラの聖フランチェスコ」

・リスト: ソナタ


《アンコール》

・スクリャービン: 12の練習曲 作品8の4

・ドビュッシー: 前奏曲第1集より第5曲「アナカプリの丘」

・スクリャービン: 12の練習曲 作品8の12

・ドビュッシー: 前奏曲第1集より第12曲「ミンストレル」

・スクリャービン: 12の練習曲 作品8の11

・リスト: 即興ワルツ

・ドビュッシー: 前奏曲第2集より第5曲「ヒース」