2年前に某オペラ評論家が「パヴァロッティの再来」と例えていたテノール歌手、シュテファン・ポップが群馬公演、愛知公演を経て、来週末の神奈川フィルの「トスカ」公演で歌う予定です。

このオペラ評論家が何度もおかしなこと言っている点について当ブログで取り上げてますが、ここまでくるとプロパガンダまたは情報の公害でしかないので、敢えて、本稿で追求させて頂きます。上記の記事の論理的欠陥としては「彼こそがパヴァロッティの継承者だ」と主観的に提示しながら、その後の文章で「それを聴けばパヴァロッティの継承者といわれるだけでも、世界で引っ張りだこの理由として理解できる」とあたかも客観的事実として論理飛躍して展開している点です。


2年前に「パヴァロッティは再来」の表現を見て、チケットを買って行かれた気の毒な読者もいましたが、ステファン・ポップは表情や仕草はパヴァロッティに似ているところはありますが、歌唱面では全く違います。ポップは欧米で「パヴァロッティの再来」と言われてませんし、「ぶらあぼ」の記事やチラシで上述の某オペラ評論家が書いたフレーズです(今回の神奈川公演のチラシでも「パヴァロッティの再来」と書かれており、滑稽な告知物になってます)。仮にポップがパヴァロッティ・レベルなら、スカラ座やMETオペラなどで引っ張りだこで、過去最大級のユーロ高・円安時代に来日公演は難しいでしょう。しかも、今回の来日公演(トスカ)のチケット価格はS席が1万円以下ですので、どんだけギャラが安いのでしょうか(2000年頃のパヴァロッティの一晩のギャラは、当時の日本円換算で500万円以上と聞いたことがありますので、このチケット価格では呼べません)。同じオペラ評論家は2018年の「ぶらあぼ」の記事でグリゴーロに対しても「パヴァロッティ」と例えていますが、パヴァロッティ並みの歌手がどれだけいるのでしょうか↓。

パヴァロッティ以降、これまでパヴァロッティのような存在はいないと断言できます。今後、日本の出版社や主催者は、このようないい加減なオペラ評論家に執筆を依頼しない方が社会のためだと思います。これ以上の「情報の公害」の垂れ流しは正常なマーケットを混乱させる要因にもなります。他にもこのオペラ評論家については40を超える事実誤認事例を指摘できますが、今回は実害者のいる「パヴァロッティの再来」について取り上げました。本日もお読み頂きまして、ありがとうございました。

PS: ちょうど1年前に同じようなテーマで書いたのですが、日本における「情報の公害」の状況はあまり変わっていないようです↓。