G.オピッツのシューベルト | クラシック♪インド部のブログ

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西洋クラシック音楽とインドというどうにも関係のなさそうな二つの事柄を中心に語るフリーライター&編集者、高坂はる香のブログ。
ピアノや西洋クラシック音楽とインドというすばらしい文化が刺激しあって何かが生まれる瞬間を妄想しています。

意識して見ているからなのかもかもしれませんが、
今年の冬はシューベルトが多いような気がします。
何かピニストのみなさん、そういう気分なんでしょうか。
そんな中、2010年からシューベルトの連続演奏会をおこなっている
ゲルハルト・オピッツさんのリサイタル、完結編となる第7回、第8回がもうすぐ行われますね。

【第7回】
2013年12月5日(木)19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール

ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 D840
3つのピアノ曲 D946
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 D850

【第8回】
2013年12月20日(金)19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール

ピアノ・ソナタ 第6番 ホ短調 D566
ハンガリーのメロディ ロ短調 D817
アレグレット ハ短調 D915
2つのスケルツォ D593
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960


ああ、ほんとうにもうすぐだわ。
オピッツさんの写真、モノクロ加工されているものを見ることが多いせいか
これまで意識することがありませんでしたが、
11月のぶらあぼに載っているカラーの写真を見ていて、この方の目は青いんだなぁと改めて。
えびす顔というか、サンタ顔というか、
とても素敵な風貌がトレードマークのオピッツさんですが、
若い頃ってどんな感じだったのだろうと思ってgoogle画像検索してみたところ、
わかったのは、どうやら、昔からこういう感じだったらしいということ。
一貫して安定した、癒しキャラです。


そんな余計な話はさておき、オピッツさんといえば、
ヴィルヘルム・ケンプの薫陶を受けてドイツ・ピアノの正統派を代表するピアニスト。
ベートーヴェンやブラームスといういわゆるドイツものにはもちろん定評があります。
音楽史的な流れでみたとき、
いわばその間にはさまれているシューベルトにオピッツさんがフォーカスするというのは、
ものすごく意味のあることなのではないかと思ったりします。
ベートーヴェンの死の翌年、たった31年しか生きずにこの世を去り、
同時代、後世の音楽家に多大な影響を与えたシューベルト。
ベートーヴェンの葬式のあと仲間と集まった場で「一番先に死ぬものにカンパーイ!」と
不吉な乾杯の音頭をとった、みたいな逸話もありますね。おかしな人です。いい意味で。



実は最近、某ピアノ雑誌のとある特集記事のために
オピッツさんからコメントをいただく機会がありました。
その中で印象深かった一言。

「私が幸運に恵まれた場合、そして、作曲家の魂が喜んで私に力を貸してくれる場合には、
本番前日、ふと作曲家から、よりクリアなメッセージを受け取ることができます。
そうして、作曲家の望み通りの特別なメッセージを演奏会で伝えることができるようになるんですよねー」


シリーズ完結編とあって、おそらく演奏会前日、
オピッツさんのもとにシューベルトさんからのお告げが届くことでしょう。
それを聴けるとは、実に楽しみです。
12月5日と20日、東京オペラシティですよ!