ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール | クラシック♪インド部のブログ

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西洋クラシック音楽とインドというどうにも関係のなさそうな二つの事柄を中心に語るフリーライター&編集者、高坂はる香のブログ。
ピアノや西洋クラシック音楽とインドというすばらしい文化が刺激しあって何かが生まれる瞬間を妄想しています。

少し前になりますが、ヴァン・クライバーンコンクールの予備予選通過者が発表されましたね。


今年の開催日程は、こちら。


予選:5月24日~30日
セミファイナル:6月1日~4日
ファイナル:6月6日~9日



世界6都市(香港、ハノーファー、モスクワ、ミラノ、ニューヨーク、フォートワース)で開催された
実演によるオーディションの末厳選された30名が、エントリーしています。

予備予選通過者、30名のリストはこちら


日本のピアノファンにはすでにおなじみ、今年来日予定もある、
ニコライ・ホジャイノフ、フランソワ・デュモン、ヴァディム・ホロデンコ、

浜松コンクールでの活躍で根強いファンも多い、
阪田知樹、ソ・ヒョンミン、クレア・フアンチ、アレッサンドロ・タヴェルナ、

ネット配信された著名コンクールでいい演奏をして、みなさん認識しているであろう、
エリック・ズーバー、アレクセイ・チェルノフ、スティーヴン・リン、
マルティン・コジャック、ジェイソン・ギルハム、フェイ・フェイ・ドン、サラ・ダネシュプール、


…とまあ、とにかく挙げたらきりがない豪華さです。


各ステージの内容は以下のとおり。


1次予選:45分以内のリサイタル
セミファイナル:(1)60分以内のリサイタル
         (2)室内楽
ファイナル:室内楽オーケストラと、ベートーヴェンまたはモーツァルトの協奏曲
        大編成オーケストラと協奏曲


前回はファイナルでさらにリサイタルと協奏曲2曲だったことを考えると、
コンテスタントにとっての負担は少し軽くなるのかなぁ。
(前回はファイナルでそこまでのステージを演奏させておいて、
1~3位以外は「ファイナリスト」で順位なしだったという、なかなか厳しいシステム)


今回から、コンクール事務局の組織が大幅に変わって、
いろいろなことが新しくなっていると思います。

とはいえ、おそらく充実したインターネット配信などは前回同様行われると思うので、期待したいですね。

ビビッとくるピアニスト、演奏に出会えるといいです!


ところで前回クライバーンコンクールに行って最後におもしろいなと思ったのが、
「変な撮影会」。


ファイナルと結果発表が終わった後、ファイナリストはそれぞれ、
おそらくファッションフォトグラファー&ディレクターと思われる人々の仕切りで、
新しいアーティスト写真を撮影していました。
これがまた、凝ったセッティングと衣装で、不可思議な写真を撮るんですね…。

たとえば辻井君とか…
http://www.cliburn.org/cliburn-winners/current-winners/winner-details/?ID=505

(このほかにも、針金の入ったネクタイをつけ、

 ダリの絵みたいなセットの中に寝かせられて写真とってたのも見かけたけど、あれはどうしたんだろう?)


たとえばボジャとか…
http://www.cliburn.org/cliburn-winners/current-winners/winner-details/?ID=507

(とくに3枚目の、往年の志村けんのコント番組で見かけたような鏡反射写真とか、

 アーティスティックディレクターの創造力を疑…いやっ、尊敬します)


今回もこのしきたりは、ぜひ継続させてほしいところ。
ホジャイノフやデュモンあたりがファイナリストになったときの写真が見たい。
アーティスティックディレクターの創造力も相当にかき立てられる被写体だろうからね、このあたり。


ふと気が付けばもうコンクール開催まで2ヵ月をきり、
ピアニストたちはすでにセミファイナルの「新作」の準備にとりかかっているみたいですね。



最後に、2011年、ゲストとしてチャイコフスキーコンクールを訪れていたクライバーン氏の写真。


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どこにいってもファンに囲まれて、そのひとつひとつにできるだけ丁寧に対応していたのが印象的でした。
早々に演奏活動から引退していながら、最後まで伝説として語り継がれ、愛されたのは、
当時の演奏はもちろん、ラブリーな人柄にも由来するのだろうなぁとつくづく感じたのでした。

今回のコンクールは、他界されたクライバーン氏を想う、特別な開催になるでしょう。



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