
今まで、色々な建築の仕事をしてきました。 設計のお仕事では、家づくり、お店づくり、施設や、事務所など小ぶりではありますが、色んなジャンルの建物に接してきました。
その中で、私が一番楽しいと思ったお仕事は、家づくりのお仕事でした。設計という立場で、お客様と向き合って、「家をつくりたいんです」って言ってこられてから、完成して出来上がるまでに木造の2階建ての家でも、ゆうに1年はどっぷりとそのお仕事と向き合います。
その間じゅう、ずっとお客様と一緒になって、生活の事や、暮らし方、家族の在り方など様々なことをやりとりします。
当然、つくる家だけでなく、お客様と友だちと言うか、同志みたいな感じで、「一緒に頑張ろう!」みたいなエールを送り、送られみたいな関係性が出来ていきます。最初から最後まで、順風満帆にいけば、ほんとにハッピーですが、個人の家族にとっては、「家」を持つということは、人生の一大事ですから、単なるお友達の関係ではなく、利害関係も出てきたり、お客様自身の対外的な制約や、その他人とのつながりの中での、選択や、決断が強いられます。
お客様にとっては、人生を賭けたまさに真剣勝負なのです。でも、勝負事みたいな気を張って何が何でも「この家づくりに勝ってやる!」って感じで、やっていると体も、精神的にももちません。
やはり、何でもそうですが、楽しくないとハッピーにはならないですよね。だからこそ、家をナビゲートしていく立場でいつも思うことですが、どうしたらハッピーでいけるかをずっと考えるようになりました。
楽しくないと意味が無い訳ではありませんが、ハッピーな家づくりをすることで、その後の暮らし、人生もハッピーになっていくんだろうなと、とても感じます。
私は、いつも思うことがあります。設計から始まって、家づくりを終えて完成引き渡した後、とても寂しくなるんです。 もちろん、「マイホーム」の主役は、家族の暮らしですから、お手伝いは出来ても、主役にはなれないんです。
お客様にいつも言うのは、お客様の「新しいおうち暮らしのスタート」は、家が完成して住み始めてからです。私の仕事は、家が完成したら終わりです。お客様と「暮らし」について、時間的に重なってないのです。 だから、精一杯お客様の新しい暮らしの前に、これからつながる話をします。
建築設計者の役割はそれでいいんだなと思ってました。仕事では終わりでも、お客様との関係性が無くなるわけでもないですし、一つ一つのお客様の理想の暮らしの為のお手伝いをしていく建築設計の仕事をやり切ればと考えてました。
ですが、ある時を境に「お客様のハッピーな暮らし」を応援するには、建築設計という枠組みではなく、「暮らしのデザイン」「暮らしのプロデュース」という視点で、サービスを提供する必要があると考えました。
そのある時というのは、我が家をリノベーションした時からでした。今、私が住んでいるのは築55年になる、祖父母が建てた住宅でした。ここを内装改修して住んでるのですが、家族の意見を取り入れながら、自分たちも手を動かし、完成させて住んでいます。
ところが、私には嫁と二人の娘がいるのですが、家族4人もいれば個々人で性格や特徴、趣味趣向も家族と言えど違います。
その中で、私が住んでからの理想としていた「自分の暮らし」とは少し違った様相になっているという事です。これは、私の建築設計時に考えていた「家族の暮らし」には、建築設計の観点だけでは、十分ではないと思った視点です。
ここに、「オウチえ」の主旨、内容を事業としてお客様に伝えていきたい視点です。