「はじめまして」
ようやくきちんと奥さんとご挨拶することができた。
さっきは車の中から、心配げに様子を伺っていただけだったのだが、改めてお会いした奥さんは、美人でスタイル抜群。フラメンコの先生をやっていると聞いていたので、ラテンの情熱的な人をイメージしていたのだが、その雰囲気はクラッシックバレーダンサーのような優雅さ。
その上、娘のはるなちゃんは子役アイドルも顔負けなぐらい、めっちゃかわいい。Hさんも目の中に入れても痛くないぐらい可愛がっている。
この母娘に会って、ようやく私もホッとした。
こんなにお世話になっておきながら、とっても失礼なのですが、私はこの時はまだ、「代々木公園に行ってタイフード食べながら気が緩んだところで、怪しい契約書が出てくるかも…」 と半分ぐらい本気で思っていたのです。
でも私が本当に用心深い性格だったら、そもそもこんなところまで付いてこないよね。
私が不動産物件を買い進められたのは、ある程度大胆に飛び込める性格が功を奏しているのかも。
それはそうと、ある日ふらっと物件を見に来た客に付き合ってくれる奥さんは大変だろうな~、と思って、
「いつもお客さんに付き合って同行されたりするんですか?」
と聞いてみたら、
「いいえ、初めてなのでビックリしています」
と言っていた。
『えっ、そうなの?』
私に芽生えた一つ目の疑問
そして二つ目の疑問
『不動産の営業マンってこんなに自由でいいんでしょうか?これってどっからどこまでが仕事?』
ずいぶん自由な社風なんだな~、と思って感心していたのですが、どうやら自由にしているのはHさんだけだったようです。
後で知るのですが…。