誰かが見つめているから | 阿蘇の国のクララ

 

11月25日(金)...

 

最近ママは

フラワーアレンジメントの教室に通っています。

 

「ママ、パパ、結婚記念日おめでとう♪」

 

「パパ、限度額適用認定証の申請に行っていい?」

 

「いいよ」

 

水前寺公園駅

 

全国健康保険協会

 

医療費の自己負担には「限度額」があり、

一定の基準に基づいて計算した

自己負担額が限度額を超えた場合、

「高額療養費」として支給されます。

 

それでも、ママは抗ガン治療だけで

毎月5万円の出費になります。

 

 

熊本随一の繁華街

 

それから私たちは金峰山の麓にある

「峠の茶屋」に行きました。

 

夏目漱石の小説『草枕』の中で

「おい、と声を掛けたが返事がない」

の一節で有名な茶屋です。

 

パパ

「営業してる~♪」

 

「...おい、だご汁くれ!」

 

ママ

「結婚記念日を忘れてるし、だご汁だし...」

 

パパ

「何で?こういうところがいいんじゃん♪」

 

ママ

「でも、美味しい♪」

 

パパ

「でしょう!」

 

パパとママは出会って39年になりました。

 

「山頂まで400mだって」

 

何もかもが、雲、光、風までが初めて

触れるような新鮮さがありました。

 

「クッ、クッ、クッ、...

しらすちゃんもリッチちゃんも

落ち着いてきてよかった♪

どうして、あんなに強くなれるんだろう?」

 

「神様はいつもそばにいてくれるのよ」

 

人間はどうしょうもなく弱い。

 

それでいて生に執拗にすがってしまう。

 

それでも何とか歩いているのは、

支える人たちがいるからであり、

誰かが見つめているから。

 

「ママ、パパの手にジョウビタキがとまったよ」

 

「しらすちゃん、リッチちゃん。

...見つめているよ♪」