どれだけママのことが好きなの | 阿蘇の国のクララ

 

「...ビームさんからのお手紙♪

幸運を呼ぶお守りレター...、

3月からの治療がうまく進みますようにって。

ビームさん、ありがとうございます」

 

そばにはいないけれど、

私たち一人ひとりには、

あなたを愛し、

あたたかく見守ってくれる

大きな存在があります。

 

2月25日(金)...

 

ひなまつり(竹田市)

 

まどろみの中、

意識がだんだんと戻ってきた。

 

精いっぱい目を開けようとしてみても、

うっすらとしか開かない。

 

視界がぼやけて、

ここがどこなのかわからなくなった。

 

たしか私は...手術を受けたはず。

 

「のあ!?」

 

そばで声がしたので目をそっちに動かしてみる。

 

誰...?

 

わからない。

 

まぶしくて視界がすすむ。

 

「のあ...!」

 

懐かしい声が聞こえた気がした。

 

下がりそうになる重いまぶたを、

なんとかもち上げる。

 

夢でも見てるのかな。

 

幻聴まで聞こえるなんて。

 

どれだけママのことが好きなの。

 

「のあ、手術は成功したよ」

 

「え...」

 

頬に手が添えられて、

ゆっくり横を向かされた。

 

どうしてママがここにいるの...?

 

私、生きてるの...?

 

「ずっと諦められなかった。大好き、のあ」

 

「わ、私も...」

 

ママが、好き...ずっと、

忘れられなかった。

 

ねぇ、ママ。

 

ママへの思いは、

好き以外見つからないよ。

 

もう少し...

 

もう少しだけ、

ママとの未来を信じてもいいのかな。

 

「のあちゃん...」