アリスより愛しているでしょう? | 阿蘇の国のクララ

 

9月30日(木)...

 

「...もうこんな時間?」

 

「そうよ、クーちゃん」

 

そっか...、

きのうは免の石で、

疲れちゃったんだ。

 

免の石

 

ママ、泣いてたな...。

 

どんなに辛くても泣かなかったママが、

免の石では泣いてた。

 

もしかしたら、

これまで生きてきた中で

最も心が激しく動かされた瞬間だった

かもしれない。

 

がんになって病院を退院して、

ようやく歩けるようになったママが

最初に登った山。

 

あれから6年。

 

地震でずっと登れなかったけど、

また生きて登ることができた。

 

6年間、

悩みも不安も悲しみも、

そして喜びもたくさん重ねてきたから、

余計に心に染みたんだ。

 

うぶやま牧場

 

「...クララは?」

 

「車で待ってる。

また強くなったわよ。

アリスみたいに」

 

「お待たせ、ブラウンスイスのヨーグルトよ♪」

 

「クー♪」

 

「きのうね、パパに言われたの。

クーちゃんのこと、

アリスより愛してるでしょう?って」

 

「...それで?」

 

「愛してるよ、って言った♪」

 

思いがけない言葉に、耳を疑いました。

 

ヒゴタイ公園

 

嘘だって、わかってる。

 

わかってるんだ。

 

でも、嬉しい。

 

ママからもらったたくさんの愛情を、

私は絶対に忘れないから。

 

ずっとずっと、大切にしていくから。

 

...アリスおねえさん、ありがとね。

 

ママと引き合わせてくれて。

 

いつも阿蘇の国のクララを

読んでくださいまして

ありがとうございます。

 

ユメノクニノアリス

 

「クララ、

もっとカッコよく食べなさい。

こんな風に...」