しあわせがわたしに合図しながら | 阿蘇の国のクララ

 

8月24日(火)...

 

ブルーベリー

 

「クーちゃん、おはよう♪

パパがオオムラサキを探しに行くかいって?」

 

「行クー!」

 

 

「初めての道...」

 

「オオムラサキちゃん、出ておいで♪」

 

「パパー、いるー?」

 

「...どうかな?」

 

「クワガタはたくさんいるんだけど...」

 

 

 

いつ頃からだろう...

 

青い蝶を見なくなったのは。

 

青い蝶

 

一羽の小さい青い蝶が

風に吹かれて飛んでゆく

真珠母色のにわか雨が

きらきらちらちら消えてゆく。

 

そのように一瞬きらめきながら

そのように風に飛ばされて

しあわせがわたしに合図しながら

きらきらちらちら消えていった。

 

ヘルマン・ヘッセ

(ドイツ生まれのスイスの作家)

 

「沢に着いた...」

 

「パパ、青い蝶、見つからなかったね」

 

青い蝶の象徴するしあわせが、

ちらと姿を見せたかと思うと、

次の瞬間には消えている...

 

そのはかないものに会いたい。

 

それを見たい。

 

パパは私の頭に

ポンと優しく手を置くと、

言いました。

 

「クーちゃんがしあわせになれますように」

 

パパとママの愛情を

いっぱいもらってるから。

 

だから大丈夫。

 

これからも幸せになれる。

 

「パパ...、オオムラサキ」

 

阿蘇の国のアリス

 

オオムラサキ(イノシシ林)

 

幻影だったかもしれないけれど、

それは時として姿をあらわし、

きらめきながら風に吹かれて

飛んでゆきました。

 

「クー」

 

イノシシ林