8月3日(火)...
パパとママは病院から帰って来ると、
その足で私を草原へと誘いました。
「ヒゴタイ咲いてるかな...?」
やまなみハイウェイ
「クー!」
ヒゴタイ公園
ヒゴタイ
「咲いてたね♪」「クー♪」
ママはヒゴタイを微笑ましげに見ています。
今は安心したような表情です。
その理由を、
私は私なりに理解しているつもりです。
夏の太陽はいつも憂鬱だったのに、
今は違います。
気持が軽い。
どこまでも走っていけそうです。
8月4日(水)...
翌日は、神原川へ...
「クー!」
神原川
「クーちゃん、ヤマメがいるよ!」
いい夢を見ているよう...
私は大切な人と会うことができたようです。
穴森神社
現実と夢の違いは曖昧。
人の一生は、夢のように儚い。
こうしてすごしている時間も、
ひと眠りしている間の
夢なのかもしれません。
穴森神社には、
祖母山大明神の化身である
大蛇が住んでいたという洞窟があります。
実際、1703年に大蛇の骨が見つかりました。
それも夢のようなお話です。
夕方の空を見上げると...
大蛇が洞窟へと帰って行ってました。
その姿を見て、パパが言いました。
「アリスも一緒に遊んでたんだね」
ママが声をかけました。
「また来てね!」
私は、ただ、ひらひらと尻尾を振りました。