だっこ | 阿蘇の国のクララ

 

5月20日(木)...

 

空を見ました。

 

今日は一度も

お日様の姿を見ていません。

 

「クー、今日は寝てますか?」

 

「ううん。パンを食べに行く」

 

尻尾を振る犬に手を振って、

車は細い脇道へと逸れました。

 

DACCO(だっこ)

 

クララは怒りません。

 

じつに静かに家にやってきて

それからもずーっと静かです。

 

大きな声で鳴かないし、

ウーッもいわない。

 

歯をたてることもありません。

 

クララは毎回

おきまりのぬいぐるみをくわえて

「遊んで」と言いにくるけど、

こちらに用事があって、

要求にこたえられないときがあります。

 

「ごめんね、クーちゃん、

今ブログ書いてるの」と言い、

そのまま続けています。

 

クララはそれ以上催促することなく、

ぬいぐるみを足元に置いたまま

じーっとこちらを見ていて、

ふと気がづくと寝ています。

 

あきらめちゃった。

 

気まぐれでもなく

わがままでもなく、

要求ばかりすることもなく、

つーんとしていない。

 

そればかりか、

クララはたいていのことは受け入れ、

そして、許す。

 

考えてみれば、

クララはなんでも

このように受け入れるのです。

 

 

 

アリスもやさしかったけれど、

それぞれ、

やさしさの種類が

違うように思います。