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福島健康調査:「秘密会」で見解すり合わせ
毎日新聞 2012年10月03日 02時31分(最終更新 10月03日 05時12分)

2012100316.jpg
秘密会を終え、検討委員会の会場に向かう委員会メンバーら
=福島市杉妻町で2012年9月11日午後1時55分ごろ、武本光政撮影


東京電力福島第1原発事故を受けて
福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、
県が委員らを事前に集め秘密裏に「準備会」を開いていたことが分かった。
準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ
がん発生と原発事故に因果関係はない」ことなどを共通認識とした上で、
本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。
出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていた。

県は、検討委での混乱を避け県民に不安を与えないためだったとしているが、
毎日新聞の取材に不適切さを認め、今後開催しない方針を示した。

検討委は昨年5月に設置。
山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、
広島大などの放射線医学の専門家や県立医大の教授、
国の担当者らオブザーバーも含め、現在は計19人で構成されている。
県からの委託で県立医大が実施している健康管理調査について、専門的見地から助言する。
これまで計8回あり、当初を除いて公開し、議事録も開示されている。


しかし、関係者によると、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、
検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催。
会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していた。

9月11日に福島市内の公共施設で開いた第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いていた。
同日は健康管理調査の一環である子供の甲状腺検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、
委員らは「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」などの見解を確認。
その上で、検討委で委員が事故との関係をあえて質問し、
調査を担当した県立医大がそれに答えるという「シナリオ」も話し合った。


実際、検討委では委員の一人が因果関係を質問。
県立医大教授が旧ソ連チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんの患者が増加したのは
事故から4年後以降だったことを踏まえ因果関係を否定、委員からも異論は出なかった。


また、昨年7月の第3回検討委に伴って開かれた準備会では、
県側が委員らに「他言なさらないように」と口止めもしていた。

毎日新聞の取材に、県保健福祉部の担当者は準備会の存在を認めた上で
「あらかじめ意見を聞き本会合をスムーズに進めたかった。
秘密会合と言われても否定できず、反省している。(今後は)開催しない」と述べた。

福島県の県民健康管理調査は全県民を対象に原発事故後の健康状態を調べる。
30年にわたり継続する方針で、費用は国と東電が出資した基金で賄う。
【日野行介、武本光政】


2013年7月15日 07時01分東京新聞

スーパーに設けられた原子力関連のパネル展示。関心を示す人は少ない=青森県六ケ所村で(清水祐樹撮影)

写真

 東京電力福島第一原発事故の後、原発の安全性ばかりを強調して推進を図っていた国の原子力関連の広報事業を国自らが見直したはずなのに、事業に効果があるのかどうか分からないなど疑問符のつく事業が、いまだにいくつも存続していることが分かった。 (清水祐樹)

 本紙は、事故前の二〇一〇年度から、事故後で最新の一二年度までの経済産業省資源エネルギー庁と文部科学省の契約を調べた。

 事業数は一〇年度に約六十あったのが一二年度には二十五へと六割減り、事業費は約二十一億円から十一億円へと半減。原発を宣伝するパンフレットや冊子などの製作は一掃された。しかし、いまだ問題のある契約も散見された。

 その一つが、エネ庁が行っている青森県六ケ所村での「理解促進活動」だ。村と地元企業が出資する第三セクターのスーパーで、原発や使用済み核燃料の再処理の仕組みを説明するパネル展示が主な内容で、〇〇年度から続く。広報事業はこの三セクが請け負っている。

 展示に関心を示す人は少なく、買い物に来ていた主婦、佐々木幸子さん(36)は「展示は見たことがない。国のお金を使う必要があるとは思えない」と苦笑した。

 事業を請け負っている三セクの担当者は「事業の必要性は分からない」としながらも、「大きな収入源。国の発注がある以上、受注し続けたい」と話した。来場者にアンケートも行っているというが、結果は非公開。実情は三セクを潤すばらまきに近い。

 実用化のめどが立たない高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)についての文科省のPR事業も続く。地元テレビ局の番組や住民との意見交換会で、もんじゅの安全性や研究成果などを強調する。

 「安全性向上対策をしています」「さまざまな成果を生み出しています」。今年三月まで放送された広報番組を見ると、都合のいい内容ばかり。厳しい実用化の現実や、発覚している機器約一万点の点検漏れには一切触れていなかった。

 エネ庁や文科省の広報事業は、このほか、六ケ所村周辺で自治体が主催するイベント時にブースを出し、放射線の専門家が常駐して来場者に放射能について説明する「隣接市町村等広報」や、放射線関連の講師の派遣、原発立地自治体での教職員向けセミナー、NPOの勉強会支援などの事業もある。

 国の担当者たちは「事故後、専門家の生の声を聞きたいという要望が高まった」と事業の存続理由を説明するが、事業を受託しているのは、いずれも従来の原子力推進団体。「放射線をむやみに恐れる必要はない」との説明が中心だという。


早野龍五氏らによる
『福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果』について
矢ヶ崎克馬(琉球大学名誉教授) ※「脱原発の日」のブログより

1. 公式記録からの被曝の実態切り捨て?
  ー①高度汚染を測定対象としていること、②尿検査と比較してもー
1-1内部被曝の計測設定
 早野龍五氏らによる『福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
— 福島第一原発事故7-20 ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量—』に用いられた検査手段がホールボディーカウンター(WBC)であり、しかも感度の悪い測定条件によっていることがこの調査の最大の特徴である。この調査ではたった2分間しか測定せず、結果として300Bq/全身(三百ベクレル)と、きわめて検出限界を高くして使用している。検出限界が300Bq/全身であるということは、計測目標が3000 Bq/全身(三千ベクレル)以上の高度汚染を計測する設計(計測設計とはどれほどの大きさの値を計測するか、ということを「計測目標」に決めて、計測の機器や方法や時間を合理的に決めること)であるということを意味する。ところが実際に内部被曝の「計測対象」とされた市民の汚染レベルは設計された計測目標の10分の1以下のレベルでND領域なのである。このことをどのように読み解くか?これが本論文の課題である。
 「放射性セシウムの体内量」とテーマにあるので、常識的には当然、「成人および子供」の内部被曝量を計測対象としていることを念頭に置くが、用いたWBCの計測設計は、被測定者群の10倍以上の汚染を計測目標としているのである。これは、被測定者の体内から出た放射線そのものを計測できる精度が無い設計をして計測しているということである(後述)。「2分間」計測での300Bq/全身の検出限界の意味は、あらかじめ、低線量を切り捨てる目的で設計されたとみなさなければならない。感度の悪い機械の問題という受動的問題に見てしまいがちであるが、市民に寄り添う立場からは、実はそうでないと指摘せざるを得ない。このことに本調査の特徴があり、この手段(WBC)に限定して測定していることに、被曝実態を記録上低く見せようとする(切り捨てる)意図が見事に貫かれると推察される。

1-2 全方位を検出器がカバーしていない測定器特有の問題
 用いたCANBERRA社製のFASTSCANは、カタログによると、原発内の漏れた核種もはっきりしているような状況での測定を念頭に置いてあり、いわば、高線量用の短時間検出器として使われている模様である。検出器は7.6 x 12.7 x 40.6 cmと大型検出器が2枚で、検出下限が1分間計測で150Bq(4nCi Co-60 )(平田中央病院の検出限界は2分測定で300Bq/全身(Cs-137、Cs-134)とされている)である。
 2枚の検出器のど真ん中に 4nCi(Co-60)の点線源を置き、全立体角の6分の1が検出器で覆われると略算して検出器の1分間に受ける放射線数を略略算すると1500発の放射線数となる。これが検出下限ということだから、検出器に1500発ほどの放射線が入らないとこの4nCi(Co-60)点線源から発射される全放射線数(150x60=9000)が推定できない(検出下限)ということである。
 ところが、身体全体に放射性物質が分布している場合にはそうはいかない。例えば、
1放射性微粒子が10Bqで、身体中に15個分布しているとしよう(計150Bq)。この時、1個1個の放射性微粒子から出る全放射線数をキャッチするにはどんな計測条件で達成できるだろうか?検出器の立体角が最大となる上記の条件の場所に放射性微粒子がいたとして検出器に1500発(このWBCの検出下限)の放射線が届くまでにどれほどの時間がかかるだろうか?15分継続測定をしないといけない。この場合、一つ一つ放射性微粒子から出される放射ガンマ線を最低15分間の測定をしないと計量できない。高線量の場合や検出器が全方位を覆う場合を除き、低線量で検出器が一部の空間しかカバーしない場合に出現する特殊問題である。結論は検出限界の300Bq はずいぶんの過小評価をしている可能性があるということである。もっと長時間測定すればもっと高い値になるのに短時間では低い値にとどまる。要するに早野氏らの計測では低レベルがシステム的に過小評価している可能性が高い。短かすぎる測定時間は、科学的に見れば「仕組まれた切り捨て手段」なのである。
 その根拠は上記の略算でご理解いただいたと思うが次のように整理できる。計測の設計に関する問題であるが、WBC測定時間は2分であると報告されている。このような短時間で「測定できた」とする前提には、体の各部に存在すると仮定した点線源からは「十分に強い(放射線の量が多い)放射線が放出されており、点線源を中心とした全空間に占める検出器の割合(検出器の立体角の全立体角に占める割合)に比例する放射線量が、検出器に短時間内に到達した放射線数から放射線全数に換算できる」とした感度計算がなされる。このことには、ある点線源から「検出器に到達した放射線数が全空間に対する放射線数と比例する」ことが保障されなくてはならず、ふつう理論的に算出された必要時間数の10倍の計測時間が必要とされる。
 ところが、体内の放射線源が弱ければ「時間当たり数の少ない放射線が刻々と放射されてはいるが、検出器には当たらない(計測されない)ことが全面的に生じてしまう。線は出ている(内部被曝をしている)が検出器に向かって放出されてはいない(内部被曝は認められない)のである。高線量用の計測設定で短時間の測定では、低線量の計測ではシステム的に、計測機自体が体内からの放射線を無視するのである。

1-3 まぎれもなく身体内から出ている検出限界値以下の放射線被曝は、切り捨ててよいか?
 通常の検出限界はバックグラウンド等と「有意に異なる」信号を与える最低量を指し、正規分布を仮定して、標準偏差の3倍、すなわち3σ(σは標準偏差)としている場合が多いとされる。平均から±3σ以内に約99.7% の分布があることが知られている。存在しない被測定量が存在すると誤る確率が0.14% であるが,存在する被測定物質が存在しないと誤る確率は、(検出限界の測定量を含む試料を多数回測定する際に現れる)検出されない確率が50% になるというものである。
 他方、定量下限(分析値として定量し得る最低量、定量結果が十分な信頼性を有することのできる最小量を意味する)の概念があり、10σ値(検出限界の約3.3倍)を用いることが多いとされる。すなわち検出限界よりずっと小さい値まで定量の信頼性はあるとされるのである。此処で用いているWBCではどうであろうか?
 検出限界値以下であっても実際には数値が出てくる。300Bq /全身以下の値を持つ被測定者を繰り返し測定すると、検出下限以下になる確率は50%を超えるが、測定値の平均値が得られる。定量下限から判断すると、検出限界以下のベクレル数でもまぎれもなく「体の中から放出された」と十分みなせる測定量があるのである。これを正直に測定結果に反映させる必要がある。身体から出た放射線があるということは内部被曝していることであるが、これらをすべてNDとして切り捨てることが、検出下限値以下であるがゆえに公然と可能となったのである。NDとして内部被曝が確認できなかったグループにしてしまうこと自体、明瞭な「切り捨て」なのである。
 被測定者の大部分をND以下の領域に置き、切り捨てる操作は、このプロジェクトが「切り捨て」を目的としていると懸念される第二の事由である。

 計測時間「2分間」という測定設計は、「たくさんの人々の計測をしないといけないから」、などと言われているが、「おためごかし」はいけない。科学的には上述の内容を含み、「切り捨て」の体系であるといえる。この目的意識を、切り捨てられる犠牲者のせいにするのはよくない。
 一般にこの種の測定の標準偏差は測定時間(サンプリング回数)の平方根に逆比例することが知られている。測定時間を4倍の8分にすれば検出限界は300Bq/ボディーから150Bq/ボディーへと半分になる。さらに18分の測定をすれば100Bq/ボディーまで下がる。云々。WBCの操作者が簡単に計測設計できるのは「計測時間」である。切り捨ての設計ではなく、住民に寄り添う計測設計をして欲しかった。
1-4 尿検査
 「内部被曝隠し」という目的意識が危惧されるのは、もっと感度の高い尿検査を福島県が封じ込めていたのではないかと推察される事件が生じているのも一要因である。
 昨年11月に、福島県の県民健康管理調査の検討会議の議事録の一部、「県側が尿検査に難色を示した箇所」を、福島県が公開する時には削除されていたことが判明している。福島県側の議事録隠蔽とこの調査が表裏一体なのではないか?と懸念しているのである。
 尿検査の検出限界はおよそ0.05Bq/kg程度である。単純化して1日の排尿量を1kgと仮定して全身被曝量に換算する。子どもの場合は生物学的半減期を40日として計算すると、2.9Bq/全身となる。これを早野氏らが行った300Bq /全身と比較するとなんと、103倍も検出感度がよい。大人の場合は生物学的半減期を80日として、0.05Bq/kgは5.8Bq/全身となり、感度は52倍である。
 要するに早野氏らが行った検査方法であり、福島県がこの方法に固執した(尿検査を排除した)ホールボディーカウンターの検出限界の50倍から100倍の感度が尿検査では保証できるのである。尿検査は、排尿の状態に個人差があり、日によって異なり、運動量や補水量で1kgあたりの放射線量は異なる。しかし、感度がよいということ自体のメリットは否定しがたい。数値そのものは誤差があり得ても検出感度はホールボディーカウンターの50倍から100倍もあるのである。早野氏らの調査を尿検査で行っていれば、おそらく50%以上の内部被曝者の確認ができているであろう。
 住民に寄り添い、できるだけ放射能被曝があるかどうかを丁寧に検出しようとする意志があるのならば、彼らの行った以外の道が選択されたであろう。
 筆者はすでは簡単な論及を提出していたが、論文は不掲載となった。筆者に対するレフェリーコメントに尿検査のゲルマニウム半導体検出器の測定時間が長すぎることが指摘されていたが、1Bq/kg程度までなら、NaIシンチレーションでも十分測定が可能となっている。WBC一機買う値段で何十台も購入可能である。要は住民に寄り添う姿勢を反映した計測目的さえあれば、如何にでもなるのである。

2.着衣被爆の危険—内部被曝と同等—
さらに、着衣に汚染があったことが報告されていて、ガウン更衣で内部被曝は少なくなったとされる。この取り扱いでも、着衣に汚染があれば、当然体に密着した被曝がなされ、外部被ばくを懸念しなければならない。被曝は内部被曝だけではないのである。WBCで測定できるガンマ線被曝は、内部被曝でも身体密着型の外部被ばくでも大差はない。ガンマ線は分子切断密度が小さいので、ガンマ線の発射される位置による被曝差は、アルファ線、ベータ線の場合と異なり、大差ないのである(着衣による被曝はガンマ線はもちろん、ベータ線による被曝、アルファ線による皮膚被曝がある)。特に着衣汚染による被曝はその人が家屋内にいるか外にいるかにかかわらず、常に体に密着した線源による被曝をもたらし、内部被曝とともに特に警戒する必要がある。着衣時で10%を超える市民に300Bqを超える被曝が確認されたのならば、おそらく100%近くの市民が着衣汚染被曝をしている。
 恐ろしいことは、着衣の汚染は空気中に漂う放射能汚染を付着させた可能性があることである。もちろん土地を汚染させている放射性物質が接触により衣服に移行した可能性もある。第一原発からは今なお1時間当たり1000万ベクレルが空気中に放出されている。風向きによっては日本中に放射性微粒子をまき散らし、市民を内部被曝させている。着衣をも汚染させている。このことに「大規模な被曝調査」チームは心を痛めなかったのであろうか?
着衣被曝は、このように、市民の実生活の被爆状況が非常に危険であることを示しているのにかかわらず、「内部被曝の結果を高く示す邪魔者」としての扱いしかない。被曝を懸念する市民に寄り添う観点がないのである。測定者あるいは医師として「医の心」を持つならば「着衣被曝を避けなければならない」と心配する対象として当然であろう。しかるに彼らは内部被曝の値を下げることにしか関心がない。
 第一次投稿した拙論文がリジェクトされたが、その際、レフェリー氏からは次のコメントいただいている。『② 着衣が汚染されていれば、もちろん放射線量は上がると思いますが、実際にどの程度上がるか、(よくネット上で彼が行っている)計算上の話ではなく、実測をされたらよろしいかと思います。理論上は無限に近づけば、エネルギーが無限大になるかもしれませんが、実測と明らかに異なります。』  レフェリー氏はおそらく、放射性原子、放射性微粒子、放射線、放射線の飛程などの基礎概念ができていない方とお見受けする。点線源にいくら近づいてもエネルギーが増大するなどあり得ない。単位面積当たりの放射線密度なら増大する。しかもレフェリー氏が想定しているのは非常に強い放射線源について当てはまる「算数式」なのだと思うが、今考察対象にしているのは、身体あたり数百ベクレル程度の弱い線源である。また、体の中に入った放射性微粒子はまさに体内の組織に密着しているわけだが、エネルギーが無限大になるとレフェリー氏は計算しているのだろうか?内部被曝の「被曝の実態」をいったいどう考察しているのだろう?これをどのように計測しているのでしょう? 
実際に内部被曝がないならば、それは大変うれしいことである。しかし、内部被曝の実態を計測できない測定システムにより、過小評価され、切り捨てられるのはまさに人権侵害である。調査チームの測定設計は明白に『切り捨てを意図した』と科学的には判断せざるを得ない。それともそのような一般科学的あるいは計測科学的知識がなくて、盲目的に実施したのだろうか?いずれにせよ、ずさんな測定によって『被曝がない』ことにされた市民は大迷惑である。健康管理がおろそかにされるのはてき面である。

3.測定できないことは被曝していないことではないーアルファ線、ベータ線、ヨウ素131等—
(1)内部被曝で、より脅威があるアルファ線ベータ線はいくら体内に放射性物質があっても、WBCでは感知できない。
セシウムはベータ線を出してバリウムに変わり(崩壊系列)、バリウムはガンマ線を放出する。当初セシウムであった1原子からはベータ線とガンマ線の2本が放出される。その際放射平衡と呼ばれる状態に達しているから、体の中の集団としてはベータ線の放出量とガンマ線の放出量がいつでも等しいのである。
しかし、ICRPの吸収線量評価の体系は、分子が切断される概念がなく、飛程という概念がなく、ただエネルギーだけで、しかも巨視的なスケールで評価しているものである。したがって、体内に入った放射性微粒子の危険性の評価の課題自体が、回答不能なのである。特に、放射性微粒子から放出されるベータ線の被曝線量被害が極度に過小評価されるのである。
 内部被曝には上記のような崩壊系列が伴う。ベータ線、アルファ線は飛程(飛ぶ距離)が短い。それだけ分子切断の密集度が上がり、外部被ばくに比較して100倍から1000倍のリスクを生ずるといわれる(矢ヶ崎:内部被曝、ECRR2010年勧告参照)。WBCで測定できない「低被曝線量」に重大な落とし穴がある。WBCで測定限界以下とされる領域に内部被曝は重大な危険が潜んでいるのである。この観点から、感度の低いWBC測定は「内部被曝を測定するふりをして内部被曝の危険を隠す」ものである。
 日本の子ども、市民は東電福島第一原発爆発直後に放出されたヨウ素131の内部被曝をしている。この内部被曝は甲状腺悪性腫瘍などになって健康被害として現れる。特に子どもの甲状腺悪性腫瘍は2011年、2012年、福島県内だけで28例を数えるに至り、チェルノブイリ周辺国における発生数を何倍も上回っている。ヨウ素131の放射線は半減期が8日と短いために、全放射線が放射しつくされ、現時点では測定にかからない。しかし、健康被害だけは今後増え続ける。これを「放射線には関係ありません」と言い続けることにより住民の「健康に生きる権利」を切り捨てることは許されない。ヨウ素だけでなく、すでに内部被曝をしてしまった「過去の被曝」は、何らかの形で住民の健康被害をもたらす可能性を否定することができないものである。このことこそ、たとえ内部被曝の量が減少傾向でも、市民に対する健康管理が徹底されなくてはならないことを示している。此処でも、「内部被曝減少」で「めでたしめでたし」ではなく、健康診断、医療体制の充実を叫ばなければならないのではないか。
 チェルノブイリ後の被害を見ても、WBCでは到底測定できないようないわゆる「低線量」で、白血病、死産、胎児死亡、ダウン症増加等々が報告されている。
ICRPの過小評価を、さらにえげつなく踏み越えて、日本では安全論者が安全論を声高に叫んでいるが、実際の被害は彼らの「安全だ」という汚染領域に山ほど見つかっている。(核戦争に反対する医師団、ドイツ支部、「チェルノブイリ原発事故によってもたらされたこれだけの人体被害」、合同出版(2012)、ヤブロコフら 2009 “Chernobyl Consequences of the C Catastrophe for People and the Environment” http://chernobyl25.blogspot.jp/、 O.V.ホリシュナ、「チェルノブイリの長い影~チェルノブイリ核事故の健康被害』 <研究結果の要約:2006 年最新版>」、Children of Chernobyl Relief and Development Fund、(2006)、 その他)ICRP的な被害の実態をとらえない「加害者の立場」は被害を隠ぺいこそすれ、健康被害を防ぐために尽力することはないのである。
非常に気になることは、甲状腺をはじめとする健康被害に対しては、国あるいは福島県は公的な記録に載せないように「隠ぺい」をずっと画策し続けたといえる歴史が展開していることだ。小児の甲状腺検査を指揮している山下俊一福島県立医大副学長(元)は、2012年4月、日本甲状腺学会の会員メールを通じて、他施設で甲状腺の検査を希望して受診しても検査を断るように要請して、患者の医療を受ける権利を侵害し、データの独占的把握を行おうとした。「県民健康管理調査」に関する福島県立医科大学教授・鈴木眞一氏の記者会見(2012年9月11日)のの際には、我々は、毎日新聞等で「県民健康管理調査」の検討委員会における「秘密会」の報道に接した。これは、同調査の本検討委員会に先立ち「秘密会」を開催し、調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故の因果関係はない」などを共通認識とし、秘密会の存在も外部に漏らさぬよう口止めをしていたなどの報道であり(『毎日新聞』2012年10月3日付朝刊)、「第3回『県民健康管理調査』検討委員会(2011年7月24日)」における克明な文書の内容の報道もあった(同紙2012年10月5日付朝刊)。これらは健康被害の隠ぺいが、同時に被害者の医療切り捨てに直結している危惧を抱かせるものである。
 放射線による被害の隠ぺいの方法は2つあり、その一つは汚染を過小評価すること、もう一つは健康被害を放射線とは関係ないとすることである。我々は、モニタリングポストの表示を確かめるために系統的に測定を進めた。調査結果は、モニタリングポスト体系は、市民の実際に受けている空間線量の半分ほどの値しか示さない。このモニタリングポストが公式データを記録しているのである。住民の被曝線量の半分の値しか示さない最大原因は、周囲をかこっている金網であり、設置してある基盤が鉄板であることによることも突き止めている。此処ではその詳細を割愛する。
なお、測定問題での拙論の詳細は以下のURLを参照されたい。
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2012/09/blog-post_19.html
真面目になれなくなったのか? 放射性ヨウ素の危険




「gyousoi131tdyno.294-(6:57).mp3」をダウンロード

まさに今、福島原発事故から2年以上も経って、海洋の汚染、原子炉から直接でた塊の発見と続いているが、放射性ヨウ素もかなりの濃度で検出されている。

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このデータは食材に使うものの測定値だが、1キロあたり17ベクレルとか10ベクレルというような数値は測定誤差でもなければ、間違いでも無い。明らかに野菜に放射性ヨウ素が付着している。

「真面目な科学者」ならこのことを次のように考え、行動を起こす。

・・・すでに原発事故から2年を過ぎているのだから半減期が8日のヨウ素131が検出されるはずも無い。福島原発からでているのか、医療機関かしか考えられない。ともかく食品が放射性物質で汚染されているのをそのままにしておくのは食品技術者としての倫理に反する。まずは調査をしなければならない。

・・・(国立環境研究所)「原発事故から2年を経たが、奇妙な現象が続いている。2011819日に全国的に高濃度の放射線ヨウ素が検出された。その後も放射性ヨウ素がたびたび検出されている。これが原発事故が原因なのか、それとも実は医療関係のヨウ素が法律違反の形で放出されているのか、徹底的に調査をしよう。なんと言っても私たちは日本の環境を守るために税金で研究をさせてもらっている。政府や医療機関がたとえ隠そうとしていても職業倫理として調査は必要だ」

是非、お願いしたい。放射線管理は「測定し、その原因を調べる」が鉄則だから。

(平成2576日)

NEW ! 「脱原発の日」のブログより
テーマ:
最近の街頭宣伝動画から、山本太郎さんの発言を文字起こしして掲載されているブログ。
Sekilala&Zowie 音楽家さんらしい。その最近の更新記事は
「【参議院選挙2013】脱被曝・原発即時撤退・反TPP~0710 東京選挙区 無所属 山本太郎候補 」
が続いている。有楽町、新宿、渋谷~

以下は先週の渋谷街宣の記録からの抜粋です。

http://threechords.blog134.fc2.com/blog-entry-1977.html

原発やめろ、再稼働はんたい。そのことに対して、大きく声を上げる。すごく大事なことなんですけど、それだけじゃ原発は止まらないって、はっきりしてるんですよね。さっき、ここでもお話をされた座間宮ガレイさん、言われてますよね。『日米原子力協定』っていうのがあるんだよって。日本の原子力はアメリカの管理の下に行われているんだよ。

野田っていう人が、総理をやってたときに、原発ゼロを閣議決定しようとした。けど、それはできなかった。アメリカから圧力がかかった。『日米原子力協定』で圧力がかかったってことですよね。

2018年に、この協定の内容を変えるのか、破棄をするのか。2018年にそれを決めることができるんですけど、この情報をひとりでも多くの人が知ってないと、再稼働はんたい、原発はんたいって言っていたって、ただの呪文なんですよ。

『日米原子力協定』をどうするのかってことをベースにみんなで国民的な運動にしていかなきゃいけない。どうして、政治家はそんなこと言わないんだろう?

『うちの党は原発反対ですよ』『再稼働、もちろん反対です』そんなことは言うけれども、『日米原子力協定』をなんとかしなきゃいけない。そのことについて触れる人はいない。でも、そこに触れなきゃ、原発はやめられない。どうして、言わないんでしょう。

反対するフリしていながら、原発を推進することに力を貸している」

観衆「共産党は言ってるよ」

山本太郎氏「共産党、言ってますか?ありがたい。その他にも言ってる方々、いらっしゃいます。でも、そこにメスを入れないと、どうにもならないじゃないですか。ひとりでも多くの方に、『日米原子力協定』のことを知っていただきたい。

日本にいっぱいあるプルトニウム。これをどうするのか。

『おまえ、そんなにいっぱいプルトニウム持ってるけど、それ、どうするつもりやん?』アメリカが聞いてくる。

『いやいや、これはですね』

『おいおい、おまえ、軍事利用する気ちゃうやろな』

『違うんですよ、これは』

『じゃあ、おまえ、分かってんな。どうやって減らすかは』

『分かってますよ。MOX燃料にして、原発で燃やし続けます』

プルトニウムを減らすために、この原子力をやめるわけにはいかない。だから、原発がやめられないんだという現実に、たくさんの人たちが気づかなきゃいけない。アメリカからいくら圧力をかけられても、それじゃあもう、政権が転覆させられてしまうんです。

『見てください。この『日米原子力協定』を破棄しろっていう国民たちの運動を』それぐらいのところまで持っていかなきゃ、原発なんてやめられないんですよね。


それだけじゃないんです。原発がやめられない理由。

____抜粋ここまで。

リンクで全文ご覧下さい。

【関連】

______

座間宮さんのブログより抜粋
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65860006.html



■原子力マフィアの闇

とにかく今週は日米原子力協定でした。これまで僕が書きまくってきた内容を整理しなおして、日本の現状を説明することに費やした一週間でした。これが来週も続くわけです。すこししつこいと思うかもしれませんが、このタイミングで、日本とアメリカの関係、そして日本と世界との関係について、原発を軸にして捉え直すことが出来ればと思っています。

日米原子力協定と「日本の原子力の今」は密接に関係しています。

1)プルサーマル原発の再稼働
2)原発輸出
3)再処理の今後

この3つは、今の日本の原発の超重要事項です。

1)プルサーマル原発を再稼働させることによって、プルトニウム消費計画をたてることができる。
2)プルトニウム消費計画を立てれば、六ケ所再処理工場を動かすことができる。
3)六ヶ所再処理工場を動かせば、2018年日米原子力協定延長が見えてくる

このような動きの中に、今の日本はあります。

そして、もう少し大きな時間軸で考えるとこうです。


1)1988年日米原子力協定で、アメリカが日本の再処理を認める。
2)プルトニウムをもんじゅで利用するのに失敗し、プルサーマル計画にとってかわる
3)やらせによるプルサーマル推進→すすまず
4)311によって、プルサーマル計画、暗礁に乗り上げる
5)2012年、野田内閣時に、米国エネルギー省ポネマンさんとの間でプルサーマル公約
6)2013年、ポネマンさんが、原子力委員会委員長代理鈴木達治郎さんに「(プルサーマルを)速やかに」
7)MOX燃料がフランスから日本へ
8)(プルサーマル原発を含む)12~13の原発の再稼働が第一段階と茂木経産大臣が言及


つまり、1988年の日米原子力協定によって、再処理で生み出したプルサーマルをもやすことを宿命付けられていたことになるわけです。

この背景をしっかり報じているメディアは皆無です。

だけどみなさんにはこれを理解して貰いたいと思っています。

・・・・・・抜粋ここまで。